2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

コロナの街・part 46

コロナワクチン6回目接種に出かけました。高齢者には区が接種日時と場所を指定して来るのです。7回目はどうなるかなあ、有料かしら、とぼんやり考えながら出かけました。今までは真昼間でしたが今回は夕方、暑さを怖がらずに済みました。 バスが思いがけず…

親不孝

最近のTVドラマでは、大団円で子が親に向かって、「お母さんとお父さんの子でよかった」と言う場面が屡々見られ、どうにも違和感があるのですが・・・私だけでしょうか。あんな科白は、親が亡くなってからしみじみ、独りで想うものでは。親ガチャなどという…

伊香保便り・アーティチョーク篇

蒸し暑い日が続く東京。昨夜は休肝日、麦酒でなく玉子スープで食事をしたら、軽い脱水症状になったらしい。ふらふらしながら朝のメールチェックをしていると、郵便小包が来ました。辻英子さんから、段ボール一杯の菩提樹の小枝です。干して湯を注げばお茶に…

本文校合

徳島の原水さんから、「古活字探偵事件帖」を読んだ感想のメールが来て、版本の本文を校合した時の苦労話が書いてありました。【昔、2種の版本を透明板にコビーし、それを重ね合わせて違いを判別しようとしましたが、思わしい結果が出ませんでした。今後は…

法然義と平家物語

源健一郎さんから抜刷が1束送られてきたので、読みました。①「『平家物語』法然義論争の前提」(「同志社国文学」2021)②「『平家物語』における<法然>の位置づけ」(同2023)、その前提となる③「『平家物語』と法然浄土教とを巡る近代的認識」(「軍記と…

コロナな日々 39th stage

暑くなって、ノーマスクの人が次第に増えました。男性の3分の1は、していない。私も店に入る時だけ掛けることにしました。歩くと汗で眼鏡が曇るからです。一昨日北陸新幹線に乗った時も、東京駅ではマスク姿が多数派でしたが、車内では殆どの人が外してい…

異次元の政策

「異次元の」少子化対策という語ほど、わけの分からない語はありません。空前の、という意味でしょうか。次元を異にしたとは、表と裏で意味の違う、つまり下心を隠したという意味ではないでしょうね。 そもそも躍起になって人口減少を食い止めるより、今より…

信濃でカンファランス

日帰りで長野へ行ってきました。初めて自動券売機で北陸新幹線の切符を買おうとしたのですが、選択回数が多すぎて、途中で戻ることができない。焦りながら切符を買い、「かがやき」に乗り込みました。大宮と長野での乗降が多いだけで、席はがらがら。長野駅…

中近世語り物文芸

粂汐里さんの『中近世語り物文芸の研究ー信仰・絵画・地域伝承ー』(三弥井書店)という本が出ました。主題は説経浄瑠璃・古浄瑠璃とその周辺ですが、中世後半から近世にかけての芸能はジャンルの線引きが難しいため、大きな書名になったようです。 内容は論…

信濃便り・里子の梔子篇

塩尻の庭で育った花です、と友人から写メールが来ました。 塩尻で咲く梔子 これは我が家の梔子の枝を挿し木し、4年目でようやく咲いた1輪。もともと我が家の梔子も、20年前に同僚から頂いた枝を挿し木したもの。今では私の背丈より大きくなり、花の時季…

第4回研究報告会

9月9日(土) 13:00~15:00 9月10日(日) 10:00~15:00 於 国際善隣協会5階会議室(東京都港区新橋1-5-5)、及びZoomリモート会議 *参加費は無料ですが、出版記念会参加の方は、事前申し込み・飲食代が必要です。 Zoomミーティングリンクは、メールで…

香りの癒やし

梔子が咲き始めました。すでに街のそこここで、咲いているのを見かけますが、我が家の4株はやっと今朝、1輪咲き、明日から1輪ずつ咲きそうに蕾が膨らんできました。20年以上前、職場の同僚から切り花として頂いた枝を挿して育てた株です。鉢が根詰まり…

古活字探偵6

高木浩明さんの「古活字探偵事件帖6」(「日本古書通信」6月号)を読みました。前回に引き続き、異植字版とは何か、という問題を扱い、屡々言われてきた「同種の」活字版とは何を指すのか―同じ活字を使った版か、近似した活字で組まれている版なのかを検討…

父の日

真蒼な晴天。太陰暦では明日から五月、梅雨どきの嬉しい晴れ間を「五月晴」と呼んだのが本来だったのだ、と高校古文の授業で教わりました。すると、今日のような空がそれでしょうか。パンと野菜を買いに播磨坂へ出かけました。日向は灼けつくようですが、風…

文学と歴史と音楽と

磯水絵さんの『文学と歴史と音楽と』(和泉書院)という本が出ました。名実共に大著です。索引を付して全866頁。1日本中世音楽史 2鴨長明の音楽世界 3鎌倉時代の説話 という3部構成になっていて、それぞれ章が立てられ、コラムが数編差し込まれています。200…

カーキ色のカーテン

ある時(中東戦争の後だったかもしれません)、父がぽつりと、日本はもう戦争はできないだろう、今の若い人たちには軍隊のあんなつらさは我慢できないから、と言ったことがありました。彼は会計将校ながら従軍経験があったのです。 これからはボタン戦争なの…

承久記絵巻

長村祥知編著『龍光院本承久記絵巻』(思文閣出版)を取り寄せました。およそ80年近く行方不明だった龍光院旧蔵の承久記絵巻6巻が、2020年に見つかり、話題になりましたが、本書は、そのカラー版影印と詞書翻刻に長村さんによる解題と論考を付して刊…

発達障害の子育て

友人から、岡嶋裕史さんの『大学教授、発達障害の子を育てる』(光文社新書 2021)を借りて読みました。岡嶋さんは情報学研究者で、母校の大学の国際情報学部教授。本書のキャッチコピーには、「自閉スペクトラム症の息子と、自分もその傾向があった父親の日…

源平盛衰記全釈18

早川厚一さんが中核になって続けている「『源平盛衰記』全釈(18-巻6-2)」(名古屋学院大学論集人文自然科学篇59:2)を読みました。志立正知さんが代表の科研費(C)jp22K00311を利用した、計8人の異分野研究者の共同作業です。今回だけでも抜刷…

軍記と語り物59

「軍記と語り物」59号が出ました。今号の圧巻は高橋秀樹さん「『吾妻鏡』について実証的に考える」、昨年8月の大会講演を原稿化したものです。記録性に問題があることは承知の上で頻用されてきた吾妻鏡ですが、テキスト批判なしに(ときには誤解に基づい…

社会が変わってしまう

マイナンバーカードについてはすでに何回か、このブログで書きました。連日、トラブルが明るみに出て、私が頑として登録しなかった危惧のすべてが予想を上回る規模で出てくるのを、複雑な思いで眺めています。ポイント制で釣って登録させる際、家族全員に個…

入梅の1日

楊梅(やまもも)を煮ました。マンション敷地内の植え込みから収穫して、希望者に配られるのです。果実酒に漬けるのが定番でしょうが、我が家では薄い砂糖水で煮て、煮汁を冷やして飲むことにしています。黒赤色になるまで熟した実を生で食べるのが本来なの…

豊後便り・中津篇

別府で悠々自適の友人から来た写メールです。 中津城 【ちょっとした用足しのついでに中津の町へ行き、中津城を見学してきました。黒田官兵衛が築城した海城で、日本三大水城の1つとされているそうですが、濠の石垣の一部が残っている他には、黒田官兵衛時…

遠来の客

米国の大学で日本語・日本文化を教えているセリンジャーさんが、2週間の予定で来日しました。イタリア文学専門の友人が、日本のダンテ研究を取材しに来日するのに通訳として同行したのだそうで、昨日まで『神曲』の世界を翻案して描く画家を訪問、ドキュメ…

異性装

中根千絵さん始め8人の著者が執筆した『異性装 歴史の中の性の越境者たち』(集英社 インターナショナル新書)を読みました。中根さんが序章を書き、本橋裕美・東望歩・江口啓子さんは主に『とりかへばや物語』をとりあげ(①②③)、森田貴之さんは④「巴「女…

4時間と8分

半年に1回の眼科検診を受けに出かけました。先週行く予定だったのですが、台風で延期。半年以上経つと初診料8千円強を取られるので、夕方オンライン会議があるけれどその前には済むはず、と出かけました。いつもはもう1時間くらい遅く、朝1で来る人たち…

源平の人々に出会う旅 第77回「京都市・菅原道真出生地」

『平家物語』には、しばしば菅原道真の逸話が引用されています。道真といえば、遣唐使の廃止・太宰府への左遷と怨霊・飛梅伝説などが有名ですが、出生地はけっきょく不明のようです。 【菅原院天満宮神社(菅原院跡)】 道真の出生地は、『拾芥抄』には京都…

信濃へのお土産

長野の友人と3時間ばかり話をしました。上京したついでに、我が家へ寄って貰ったのです。これから始まる、というかもう転がり出してしまったというか、2人で関わるはずのある企画について意見交換、それぞれに心配の種を話してみました。2人とももう関わ…

影印本

駒澤大学の村上光徳さんと共に、「校本長門本平家物語」の作成を思い立った頃のことは本ブログに連載しましたが、当初は国語学の木村晟さんとの3人でやろうという話でした。その後ぐずぐずしている内に(村上さんが忙しかったり、校合に使う伝本の絞り込み…

信濃便り・塩尻の空篇

長野の友人から、塩尻でも薔薇が盛りになった、と写メールが来ました。塩尻は冬は零下が続き、5,6月も朝はひんやりするので、東京よりは花が遅い。芍薬も咲いています。写真は弟さん夫婦が丹精籠めた庭です。今は子育てを了え、夫婦第二の人生の平穏と充…