2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

川越便り・秋草篇

川越の友人から、そろそろ庭には秋の気配、蚊に刺されながら、花瓶に飾れそうな花を摘んでみた、との写メールが来ました。 女郎花と吾亦紅 吾亦紅は五島美術館の近くの川堤に、女郎花は阿蘇の草原に自生していたのが思い出に残っています。なるほど秋の気配…

軍記・語り物研究会大会2022

例年、夏の終わりに2日間開かれる軍記・語り物研究会の大会、今年はオンラインで1日だけの開催になりました。研究発表の申し込みがなく(このことは運営上最も深刻な問題のはずですが)、牧野和夫さんの「延慶本奥書[『平家物語』]と「良含」「円海」「遍…

サライ

一昨日、日本テレビでドラマ「無言館」を視ました。毎夏恒例の「24時間TV」の一部です。無言館は戦没画学生の記念美術館で、個人が一念発起して始めたことで有名。極度に深刻にはならず、しかし訴えてくる場面の多い脚本でした。寺尾聡がいい味、檀ふみは老…

世代を渡す

今日は午後から、36年前のゼミ生たちがオンラインで開く談話会でした。WebExも日々進歩しているのか、前回とは様式が違うのでとまどいながら参入しました。出席者は6人、ちょうどいい規模です。週末は夫の実家の山梨に通っているという人もいました。今回…

法教育

高校の授業は中学の繰り返しでつまらない、アルバイト先で化粧するよう求められるので、化粧法を授業で教えて欲しい、という高校生のツイッター投稿を見て吃驚しました。必要ならアルバイト先か化粧品売り場で教えて貰え、と思いましたが、一方で、社会生活…

古典遺産70号

「古典遺産」70号(2021/6)を取り寄せて読みました。早稲田OBの軍記物語研究者を中心とする同人誌です。本号には野中哲照「『平家物語』一の谷合戦譚の形成と変容―<綱引き>論からの分析―」、井上翠「『源平盛衰記』の西光の機能」、佐藤陸「永享記遡源―…

高齢化社会の週刊誌

「週刊朝日」9月2日号を買いました。目的はたった4頁、「分譲マンジョンと高齢化社会⑤ 合意形成ができない!」という連載記事です。資産価値を維持したい現役世代と、住めればそれでいいとする高齢世代とが混在する分譲マンションでは、立て替えや大規模…

食用パプリカ

ピーマンが嫌いで、生のままでは食べられない、という話は以前に書きました。天麩羅にするか、せめて千切りにしてよく炒めるかすれば食べはしますが、美味しいとは思えません。長野出身の友人が未だ東京で働いていた頃、年に何回か、食材持ち寄りで、どちら…

那須与一

必要があってツンドクの山から、山本隆志編著『那須与一伝承の誕生―歴史と伝説をめぐる相克―』(ミネルヴァ書房 2012)を引き抜いて読みました。屋島で扇の的を射たと平家物語が語る那須与一は、実在の人物かどうか明らかではないが、その伝承の拡がりと由縁…

コロナの街・part 38

歯医者へ口腔ケアに出かけました。このところ文京区でも毎日、300~500人代のCOVID感染者数が発表されていて、足が重かったのですが、ワクチン接種後2週間、これ以上延期できないと決心して出かけました。 すこし早かったので新しいスーパーでパンと…

英語教育

長野の友人から、最近の英語教科書を見て今昔の感あり、とメールが来ました。頼まれて、地元の知人の娘さんの家庭教師を始めたのだそうです。 【今年は高校受験生の英語を見ています。長野の学校は夏休みが短く、数えたら27日間。1学期は少しのんびりだった…

コロナな日々 30th stage

先週、本郷3丁目の交差点で、鮮やかなサリーを纏った女性数人が集まっていました。見るからに豪華な、よそいきの出で立ち、衆目を集めながらアジア系料理の店に入りました。ドアは開放されていましたが、肩が触れ合うほどの混み具合で、えっえっ、と一気呑…

室町期の治罰綸旨・院宣

藤立紘輝さんの論文「室町期における治罰綸旨・院宣」(「七隈史学」24号)を読みました。藤立さんは令和3年度に福岡大学大学院修士課程に入学し、本基金の奨学生に採択されました。中世後期日本史が専門です。 治罰綸旨(院宣)とは、朝敵とされた人物や…

運転免許

川越の友人から、孫の相手で忙しくてご無沙汰した、とメールが来ました。 【7月の末に自動車の運転免許書き換えのための、認知症検査と運転技能検査を受けました。今年から、高齢者には運転の実技試験が課されることになったのです。しかし、行ってみて魂消…

信濃便り・夏の愉楽篇

長野の友人一家はそれぞれに夏を満喫しているようです。写メールが来ました。 上田の花火 上田盆地に揚がる花火。長野では諏訪湖の花火が大がかりで有名、その日は一家総出で観に行くようですが、こんなこぢんまりした花火もいい、とのこと。 愛犬レノンの夕…

見たい未来しか

朝日新聞8月14日のGLOBE欄に、「プーチン 戦争への道」と題して、3頁全面に前モスクワ支局長喜田尚(1961年生。2017年から今年5月までモスクワ駐在)の報告が載りました。唐突に見えたロシアのウクライナ侵攻までの経緯を、①2002年5月28日NATO首…

哀悼の誠

終日、我が家の上空もヘリが飛び交う日でした。九段の警備と取材のヘリでしょう。正午の黙祷で思い浮かべたのは、ミンダナオで戦病死した叔父のことです(2017年夏の本ブログに「家ごとの「さきの大戦」」と題して連載、その後も何度か書きました)。私は彼…

鎧の小札

文京区の伝統工芸イベント「来て見て体験」で、鎧の小札威しという企画が、昨日今日行われています。江戸甲冑の製作家加藤鞆美さんの指導で、実物4分の1大の小札(こざね)を威す(おどす)作業を体験するというもの。出来た小札はブローチやストラップに…

停戦交渉

昨日の大手紙の「オピニオン」欄に,、ある政治学者の寄稿が掲載されました。見出しは「犠牲を問わぬ地上戦 国際秩序のため容認 正義はそこにあるか」というもの。「釈然としない」、「わからない」、「耳を疑う」などの語を連発しながら、ウクライナが民主主…

歌合を読む

錦仁さんの『歌合を読む―試みの和歌論』(花鳥社)を読みました。全390頁、表紙カバーに棟方志功の版画をあしらった、重量感のある本です。歌誌「炸」に、「歌合の判詞を辿る」と題して2006年から2019年まで連載したエッセイをまとめたのだそうで、引用和…

空中庭園

国立劇場の会員誌「あぜくら」に、68歳の2代目庭師のインタビューが載っていました。開館当初から専属庭師は1人だそうです。国立劇場の建物は正倉院の校倉造りをモチーフとした外壁で、黒松と笹だけの植え込みが塀のない石畳に点在する、当時としては斬…

阿波国便り・浜木綿篇

徳島の原水民樹さんから、ワクチン4回目接種のお見舞メールが来ました。 【副反応はさほどでなかったご様子、よかったですね。私は3回目はひどい頭痛に悩まされました。3回以上の接種は「無効どころか、重症化の危険性さえある」との医師有志によるビラな…

歴史人の直筆

田代圭一さんの『人と書とⅢ 歴史人の直筆』(新典社)を読みました。田代さんは宮内庁書陵部に勤め、高校時代から書を趣味として来たそうで、本書は同題の3冊目。月刊誌「三顧亭 書法芸術」への連載をもとに、歴史上著名な人物合計45人の書を鑑賞する手引…

コロナな日々 29th stage

COVID19の4回目ワクチンを接種しました。区の指定する日時・会場・製造元です。午後1時半という、最高気温の出る時間帯なので、どうか猛暑日になりませんように、せめて曇天、と祈っていたのですが、気温34度、晴れ上がって南風、おまけに雷雨の予報。後期高…

ブンガワン・ソロ

先週、夕食後にTVのチャンネルを変えてみたら、さきの大戦中に、軍の慰問団として戦地に出かけた歌手の特集番組でした。福岡出身元フォーク歌手の司会がうるさいので、視る所存はなかったのですが、番組最後に藤山一郎が映り、終戦時に歌手たちは現地で捕虜…

素麺流し機

かつての教え子から暑中見舞が来ました。ラムネ瓶をこけしに見立てた絵葉書に、大学受験の娘が息抜きに素麺流し機を所望したので買ってみました、と書いてあります。近年流し素麺が流行していることは知っていましたが、機械仕掛けがあるのか、と驚いて、使…

白い日傘

内山美樹子さんの訃報に接しました。内山さんとの初めての出会いは、昨年、このブログに「文弥節」と題して書きました。昭和47年(1972)、私は大学院生で、故鳥越文蔵さんの率いる佐渡浄瑠璃の調査ツアーに便乗させて貰いました。私は、浄瑠璃は享受者以…

禁秘抄の世界

佐藤厚子さんの『中世の宮廷と故実―『禁秘抄』の世界―』(岩田書院 中世史研究叢書35)を読みました。禁秘抄は、承久の乱後佐渡に流された順徳院が、在位中に撰した故実書です。天皇が心得べき宮中の作法故実・慣例について、承久元(1219)年に起稿して、…

源平の人々に出会う旅 第67回「湯西川・平家落人伝説」

全国に点在する平家落人伝説地の一つに湯西川温泉(栃木県日光市)があります。平家の忠臣肥後守貞能(重盛の子忠房とも、平高房とも)が、重盛の妹たちを連れて、この地に隠棲したと伝わっています(複数の説あり)。 【落人の里】 落人達は、しばらく鶏頂…

源平盛衰記画帖

松尾葦江「平家物語と絵画資料研究―國學院大學所蔵資料を中心に―」 平成24(2012)/3 「國學院大學 校史・学術資産研究」4 p152l11:絵本から絵のみ→縦型絵入り整版本から、巻12-24,巻37-48,及び巻34の一部の絵のみ p152l1…