2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

源平盛衰記全釈17

早川厚一さんたち8人の共著「『源平盛衰記』全釈(17-巻6ー1)」(「名古屋学院大学論集人文・自然科学篇」58:2)を読みました。早川さんが中心になって、日本文学・日本史・日本語学・中国文学などの研究者がメールでやりとりしながら作業をした…

体験的電子事情・端末故障篇

PCから不審な音がし、起動時にファントラブルのメッセージが出るので、修理に出すことにしました。単純な故障だと思ったので、近くの出店を探し、池袋のサンシャインビルにタクシーで出かけました。タクシーに乗るのはコロナ以来2年ぶり、白髪の運転手に景…

暫く休みます

PCが不調です。ファンの故障らしいのですが、修理を申し込んだら、その場では出来ない、部品によっては2週間以上かかり、代金が振り込まれてから端末を返却する、とのこと。ブログは暫くお休みします。再開しましたら、引き続きよろしくお願いします。 mame…

再見

冬季北京五輪が終わりました。パラリンピックはこれからですが、東京五輪とは違った意味で、いろいろ考えさせられた五輪でした。閉会式はTV視聴の限りでは素晴らしかったと思います。合間に流されるフィルムには、市井の人たちがたくさん映っていて、いい笑…

訳詩

「冬来たりなば 春遠からじ」はもともと英詩の翻訳の1節だったのに、諺化して広く使われ、「臥薪嘗胆」の類義語という説明さえ出回っているのに抵抗を感じ、ウェブ上でもさまざま解説が加えられているようです。原詩の一部は高校の英語で教えられた記憶があ…

蕗の薹

美濃国の中西さんから、蕗の薹の写真を刷った葉書が来ました。未だ開かず、まるまると太って、いかにもうまそうです。天麩羅専門店などでは、葉が開いて花が見え始めたものを揚げて出します(その方が見場がよい)が、食べるには親指の頭くらいに膨らんだ頃…

奴婢雑人

錦織勤さんの「御成敗式目第41条の「奴婢雑人」について」(「日本史研究」713 1月号)を読みました。錦織さんは最近、身分論にこだわっていて、昨年後半、ストレスで胃をわるくしながら書き上げた、と言っていた論文です。門外漢なので正しく理解できる…

ただ酒

食堂チェーンのことを書いたら、英吉利文学専門の知人からメールが来ました。 【大学近くの街道沿いには、チェーン店のレストランが並んでいました。大学院やゼミの学生たちとは折々に、その中のどこかに行くことが多かったです。学部の卒業論文、大学院修士…

チェーン食堂

65歳を過ぎると1日3食ではカロリー過多になるので、出勤日は3食(昼を抜くと大きな声が出ない)、在宅日は昼食抜きにし、定年後もずっとそうしてきました。ですから十数年前のことですが、用足しの帰りに後楽園近くのビルでラーメン店に入ったら、きっ…

回想的長門本平家物語研究史(15)

全国に散在する伝本を実地調査し、「長門本」と認定できるものを選り分け、それらが国書刊行会の翻刻と大差がなく、旧国宝本以前に遡る本文は発見できないと判った時点で、私は途方に暮れました。伝本調査は、伝本同士の先後関係をたどれるようになって初め…

会議工作

昨日の新聞に、第2次大戦中に米国諜報機関が、敵国の組織を弱体化させるために会議を骨抜きにするマニュアルを作っていた、という記事が載っていました。曰くー会議の人数は多くせよ、関係のない話をできる限り持ち出せ、逸話や個人的体験を説明して長くス…

芳賀矢一

佐々木孝浩さんの『芳賀矢一 「国文学」の誕生』(岩波書店 2021/12)を読みました。「近代「国文学」の肖像」と題するシリーズの第1巻、最終刊です。芳賀矢一(1867-1927)は福井藩士の家に生まれ、父は国学者。矢一は明治32年(1898)に東京帝国大学助教…

こども庁ができたら

岡山で5歳の女児が虐待で殺された事件。私たちは何度こういう事件に、心臓を掴まれ、息の根を止められる思いを繰り返さなければならないのでしょうか。児童相談所は接触しようとしたが、父親にはなかなか会えなかった、というお決まりの言い訳。すでにこの…

初心

北京五輪の開会式はTV中継で視る限り、なかなかのものでした。映像と集団プレイを縦横に組み合わせていて、東京五輪が内輪の人間関係に拘泥した、ちゃちなものにしか思えないほど。折しも立春の日でもあり、24節季の美しい映像は、十分に地球環境保全を主張…

春遠からじ

明日は大雪、としきりに天気予報が言うので、昨日のうちに菊坂下の酒屋まで出かけ、あちこちへ雪見酒を送りました。老人ホームにいる従姉には、仏蘭西の白ワイン。いつも春に面会に行ったのですが、今年は行けそうにありません。電話したら、ホームの食堂は…

回想的長門本平家物語研究史(附)

長門本の校本を作るために、村上光徳さんと善本を見て歩いた時期がありました。世は延慶本古態説一辺倒、長門本研究はそっと、でした。思い出はいろいろですー赤間神宮で旧国宝本を全冊撮影させて貰った時は、夏に締め切った障子の中で、本殿からは終日、雅…

ナンバーカード

随分前のことですが、ある金融機関の社員が顧客名簿を売り渡し、騒ぎになりました。私もその中に入っていて、住所氏名、電話番号、年齢、職業、年収までもが流出してしまいました。さらに驚いたことに、社長が記者会見で、買い戻す気はあるかと訊かれ、頷い…

ともがみな

石川啄木に、「友がみな我よりえらく見ゆる日よ」という歌があります。時々そういう気になって、落ち込んだり焦ったりする日があるものです。老後にはないかと思っていましたが、そうはいかない。日本史専門の友人から、いまマルクスを読んでいる、とのメー…

最後の晩餐

かつて、北の海で外国に拿捕された漁船の乗組員を引き取ってくる海上保安庁の船で最初に出される食事は、カレーライスだという話がありました。餅でも味噌汁でもない。日本人がああ故国へ戻ってきた、と実感する味はカレーライスだというのです。 我が家では…

源平の人々に出会う旅 第61回「横浜市・畠山重忠の最期」

元久2年(1205)6月22日、由比ヶ浜で畠山重保が騙し討ちされます(第60回「鎌倉市・御家人その後」参照)。父重忠は、居住地の菅谷館(埼玉県比企郡嵐山町)から鎌倉に向かう途中、二俣川(横浜市旭区)で北条義時軍に襲撃されました。 【二股川古戦場・さかさ…

太陽族の蓋棺

国会議員と都知事を往き来した老政治家が、89歳で亡くなりました。実行力がありそうだとの期待から何度か記録的な票を集め、異例の言動がしばしば物議を醸し、それが却って人気の源になったりしました。 彼が都知事2期目に入った頃、中学のクラス会に出たら…

歌詠む神の中世説話

橋本正俊さんの『歌詠む神の中世説話』(和泉書院 2021/12)を読みました。神が詠んだと伝わる和歌(神詠)にまつわる説話を取り上げ、中世の一面を照らし出す論考を集めた好著。いわゆる注釈文芸や中世日本紀を、文芸から切り離さず、一時代を考えていこう…

年貢

区の健診結果を聞きに行きました。長年のかかりつけ医が突然廃業し、去年からかかった50代の内科医です。開成高校を出たらしい。去年、自己紹介代わりに、高校の古文では古今著聞集しか教わらなかった、と話していましたが、新総理の思い出話にも同じこと…

2022年度奨学基金

公益信託松尾金藏記念奨学基金 (2022年度)の募集が始まりました。詳細は三菱UFJ信託銀行 のHPに掲載されており、募集要項や応募書類の様式はそちらで御覧下さい。MUFG と公益信託のキーワードでも検索できます。 https://www.tr.mufg.jp/shisan/koueki…