本文研究の蹉跌

佐々木孝浩さんが「『源氏物語』本文研究の蹉跌ー「若紫」帖の発見報道をめぐってー」(「日文協日本文学」7月号)という論文を出されたと聞いたので、送って貰って読みました。「文献学をとらえ直す」という特集の中の1本らしい。昨秋から話題になってい…

鬼百合

鬼百合が咲いています。この界隈で咲いているのは、私がたまプラーザのキャンパスに出講していた頃、校門の脇の鬼百合のむかごを採ってきて播いたものです。構内には万葉植物が植えてあるのですが、鬼百合は見上げる程堂々とした風姿で、むかごも大きくて真…

ポテサラ

ツイッターで、ポテサラ(ポテトサラダの略語だそう)が話題になっています。惣菜売り場でポテサラを買おうとしていた母子連れに向かって、聞こえよがしに「母親なら、ポテトサラダくらい手作りしたらどうだ」と言ったジイサンがいたそうで、うなだれた母親…

迷走

COVID2019感染者数が日々増えています。検査数が増えているからだと説明しているようですが、陽性率も増えている。若い人だから大丈夫、という言い方がされていますが、その人たちが無症状、無自覚なまま、マスクなしで談笑しながら歩き、満員電車に乗り、移…

月夜の梟

小池真理子が朝日新聞日曜版に「月夜の森の梟」というエッセイを連載しています。およそ1000字ほど、もう5~6回読んだでしょうか。夫藤田宜永が亡くなった後の日々を書いているのですが、毎回、その哀切さに胸を絞られます。夫婦に限らず、大切な人、…

赤ままの花やとんぼの羽根

中野重治に「おまへは歌ふな おまへは赤ままの花やとんぼの羽根を歌ふな」で始まる「歌」という詩があります。国語の教科書にも載っていたことがありますから、よく知られていると思います。若い頃、この詩が好きでした。究極の抒情歌だと思っていました。自…

木曽川

名古屋に勤めていた頃、NHK-ETVで「古典への招待」という番組の講師をしました。TV放送の強みを活かせるような、ビジュアルで、しかも新鮮な情報を出したいと考えました。長野の真田宝物館に、奈良絵本の平家物語があると知っていたので、撮影に行って、画像…

河川

山と川のある町を故郷に持っている人は羨ましい、と思っていました。景色がいいだけでなく、幼年時代から成長につれて思い出が沢山できる。海辺で育つのもいいですが、川辺ほどの変化は少ない。殊に草の中をゆったりと流れる、水辺が近い川は美しい。兵庫の…

茄子

夏野菜では、茄子が美しい。つやつやした濃紺と蔕の元がグラデーションになった紫色は、漬物鉢の中で惚れ惚れするほど。皮を噛み切る時のぷつり、という食感も好きでした。油によく合い、以前は丸ごと素揚げしたりしてよく料理したのですが、コレステロール…

選挙狂騒曲

昨日は都知事選挙。早起きして朝食前に投票に出かけました。いつもは、選挙当日は何となく街が浮き浮きしているのに、今回はみんな義務的に足を運んでいる感じでした。 選挙公報は、上京して不在者投票をするという友人に送ったのですが、あまりに狂騒的な紙…

印度の青鬼

長野の友人から宅急便が届きました。住民登録は未だ東京にあるので、都知事選投票のために上京する予定だったが、コロナ感染者数が増え続けるので断念した、ついては持参する所存だった信濃土産を送った、とメールが来ていたのです。もう随分逢っていない。…

源平の人々に出会う旅 第42回「下関市・壇浦合戦」

元暦2年(1185)2月、義経軍は、讃岐の志度合戦後に田内左衛門教能(のりよし)を捕らえていました。教能の父は平家と行動を共にしている阿波民部重能です。 【壇浦(赤間ヶ関)】 3月24日、壇浦で源平最後の戦いが行われます。知盛は阿波民部の様子に異変を…

コロナの街・part6

エコバッグを洗いました。もう20年くらい使っているのに洗濯したことがない。レジ袋が有料化したので、食材を直接入れることもあるからと、慌てて洗濯。濯ぎの水は真っ黒でした。買い物に出ると、10代~60代の男性及び20代女性の、10人に1人くら…

最愛の女性

永井晋さんは『源頼政と木曽義仲ー勝者になれなかった源氏』(中公新書 2015)の中で、義仲が最後の合戦の前に松殿(藤原基房)の姫君の許で時を潰し、部下が自決して諫める話を取り上げ、義仲は権門の女性を正室に求めてこの姫君を見初めたとして、読み…

駆け引き

異文化接触を乗り越えて、中央政治に食い込んで行けたのが平忠盛だったとすれば、それに失敗した好漢が源義仲だと、『平家物語』を読んでいました。京都へ一番乗りしたものの、貴族社会とはかみ合わず、牛車の失敗、猫間中納言対応の失敗、鼓判官への無礼や…

痛快さ

高校時代、古文の授業で平家物語の「殿上の闇討」を読みながら、私は何だか痛快で笑ってしまいました。しかし教師(文学少女そのままの女性教諭でした)は、公家たちの「意地悪」を徹底して嫌悪し、ひどい!と評したのです。私は自分も「ひどい」人間になっ…

合理的

スパティフォーラムの茎が裂け、白い花苞が見え始めました。去年はとうとう咲きませんでした。古い株を抜き、切り詰めて植え直したのに、一向元気になりません。知人に分けた鉢は毎年咲いているとのことなので、こちらはそろそろ寿命か、捨てるかなどと考え…

2020説話文学会大会

ウェブ掲示板方式の説話文学会大会に「来聴」してみました。説話文学会のHPに前日から発表原稿(+資料)をアップしておき、当日は発表者ごとにスレッドを設け、書き込まれた質問に発表者が答える、というやり方です。メールを使える人ならば比較的容易に参…

太平記秘伝理尽鈔

久々に『太平記秘伝理尽鈔』が出ました(平凡社東洋文庫)。全10巻の中の5冊目です。本書は今井正之助・加美宏・長坂成行3氏の共著として、2002年12月から刊行され始めたのですが、2010年に加美さんが亡くなり、4が出たのは2007年でした…

美濃国便り

岐阜の中西達治さんから、菖蒲の写真入りの手紙が来ました。 [ここ数日、庭先でホトトギスの声が聞こえます。唱歌「夏は来ぬ」の歌詞に「五月闇蛍飛び交い」とあるように、皐月の風物です。今年は6月25日が端午の節句です。 子供の頃、歌っていた数え歌…

マイナンバー

区の広報を見ていたら、小さな字で「マイナンバー通知カードは5月25日に廃止されました」とありました。えっ!そんなこと聞いてないよ、と、通知カードを出して見ましたが、有効期限はどこにも書いてない。そう言えば特別定額給付金申請に必要な証明書の…

印度音楽

学部の4年次に、小泉文夫さんが出講されている音楽科の専門科目に、潜り込みました。上級生から、4年次は卒論だけでは辛いから、講義科目を何か受講しておくといい、と勧められたのです。 私は当時、アジア問題に関心があったので、史学科の東南アジア史と…

コロナの街・part5

朝、パートの管理人さんが掌一杯の楊桃を届けてくれました。専任の管理人から言われたので、とのこと。例年より少ないが仏壇に上げるには十分です。 短い原稿の書き出しに四苦八苦した後、夕方になって梔子の花を剪り、肉屋の女将に届けました。例年なら30…

風のガーデン

川越花便り・軽井沢篇が来ました。軽井沢レイクガーデンへ、薔薇を追っかけて行ったそうです(それゆえ当分、○○新書も××新書も出ません)。 軽井沢のラビリンス・ローズガーデン 忙しく働いている間に、あちこちにテーマパーク風の回遊式庭園ができたのです…

若大将

TVの歌番組で、「君といつまでも」を歌う、往年の「若大将」を視て、その老いに胸を衝かれました。CMでは未だ若さを保っている映像が流れているのですが、よく聞かされるように、80歳を超えるのは一つの節目なのだと実感しました。 幼年時代、彼の実家のす…

コロナな日々 6th st.

楊桃の実や梅の実が落ち始めました。例年ならマンションの管理人さんが楊桃を収穫して分けてくれるのですが、今年はコロナで勤務体制が変わり、それどころではないようです。落ちた実を1つ拾って、硝子の盃に載せ、仏壇に上げました。父の幼年期、博多の街…

猫に関する疑問

外出を控え、人との接触を避け、はや3ヶ月。さすがに鬱屈し、起き抜けに、ツイッターの画像を見ることが多くなりました。空や花や、朝食の画像と共に、ペットの写真が多い。犬、猫に混じって時々変わったペットが出てくるのも面白いのですが、猫の写真を眺…

私家集

蔵中さやかさんの「岩崎美隆旧蔵私家集の検討ー関西大学岩崎美隆文庫本『恵慶集』を起点として-」(関西大学国文学」104号)を読みました。私は全く門外漢ですが、和歌史研究会が総力を挙げて刊行した『私家集大成』は、営々と購入、今も書庫の奥で眠っ…

スペアミント

スペアミントを探しています。1枝失敬しようと思って・・・。 暑くなってきたので、今年のこまめ水(熱中症予防水)を試作し始めました。レモンの輪切りと塩水で作るのが定番ですが、輸入レモンの皮に残る添加物に、いまいち不安があります。桜花の塩漬に砂…

軍記と語り物56

軍記・語り物研究会の機関誌「軍記と語り物」56号が出ました。前号は大会講演録2本だけだったのに対し、今号は昨夏の大会の研究発表4本が載っていて、機関誌の任務を果たしています。大会シンポジウム報告は「紀南の海と中世の戦乱ー熊野水軍と安宅氏・…