2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

バンクーバー

吉野で文献調査中の高木浩明さんから、写メールが来ました。 佐保川の桜 【龍門文庫の近くの桜の名所、本善寺の桜を見に行ったのですが、観光客のマナーの悪さが原因で今年から閉門、門徒以外は寺域へ入ることを禁ずという張り紙があって、残念ながら見るこ…

長門切

以下、不注意をお詫びして訂正いたします。 『軍記物語論究』(若草書房 1996) 資料1 平家物語断簡「長門切」 p500上14行目:14→15(源平盛衰記の記事配列による) p501上2行目:流入→流人 p501上9行目:15→14(源平盛衰記の記事…

新出『平家物語』長門切

平藤幸さんの「新出『平家物語』長門切について―紹介と考察―」(「国文鶴見」56)を読みました。長門切については本ブログでも度々言及しましたが、なお3葉の新出が見つかり、現時点で85葉となりました。本論文は①板橋区立美術館蔵古筆手鑑「凰台」所収3行 ②…

桜色の時間

長泉寺の桜が満開になったので、週明けを待って播磨坂へ出かけました。満開です。風が吹くと、もう散ります。老若男女、スマホをかざして撮る人、乳母車に小型犬を乗せて散歩する人、子連れのママや爺さん(何故か孫を1人で連れてくるのは、婆さんではなく爺…

卒業式の思い出

先週は東大の卒業式、学位授与式が日ごとに行われたようで、ぞろりとしたガウンを着た若者が、街をうろうろしていました(ガウンだの勲章だのというものに無関心なのが国立大学の風土、と思ってきたのに、昨今は誇らしげに着て通りを歩くのですね)。 37年…

川越便り・春の訪れ篇

川越の友人から、雨が続いた後、庭にも春がやって来たとのメールが来ました。 雪割草 花の傍に存在感のある芽が出ているのは山芍薬、山野草の女王とも呼ばれるそうです。愛妻のために茶花を植え込んだ庭、もうすぐ白い花が咲くとのこと。芍薬は木ではなく草…

漢文日記の現代語訳

松薗斉さんの「漢文日記の現代語訳をめぐって・ノート」(「愛知学院大学文学部紀要」51)を読みました。ここ40年ばかりの間に古記録を使った研究が進展し、より広い範囲の人々が漢文日記に興味を持つようになったので、漢文日記を訓読文だけでなく現代…

8193km

昨日、ウクライナ大統領のオンラインによる国会演説を聴きました。衆議院の公式サイトで聴いたので、字幕はなし。通訳の日本語がいまいちで、国会スタッフには同時通訳はいないの?と思いましたが、それでも、真っ直ぐ聴衆に目を向けて巻舌で繰り出される言…

信濃便り・新道開通篇

長野の友人から、松代バイパスが開通したので歩いてみた、とメールが来ました。 長野真田線バイパス 【20日に市内の幹線道路長野真田線(長野市と上田市を結ぶ)のバイパスが開通となりました。古い町並みのせいで車社会への適応が遅れ、渋滞の対応措置と…

文保本保元物語

阿部亮太さんの論文「文保本『保元物語』の来歴と生成―南都寺院社会の一隅における文芸活動―」(「目白大学人文学研究」18)を読みました。文保本保元物語は彰考館蔵の写本、中巻のみの端本ながら古態を残し、文保2年(1318)の書写奥書を持つゆえに重視…

コロナの街・part 35

九段の桜が咲いたというので、今年の花見の段取りを考えました。例年、長泉寺、青山墓地、東京都戦没者霊園、伝通院、播磨坂、教育の森公園、大塚駅前、東大工学部などをほっつき歩くのですが、今年は目的地を絞り込むことにしました。脚力もなくなったし、…

道宣律師の物語

牧野淳司さんの「延慶本『平家物語』にある道宣律師の物語について(続論)―敦煌の「隋淨影寺沙門恵遠和尚因縁記」を視野に入れた考察ー」(「古代学研究所紀要」31)を読みました。「軍記と語り物」34号(1998)、『延慶本平家物語全注釈別巻』(汲古書…

おぐたん

米沢に文献調査に行っていた高木浩明さんから、新幹線が地震で不通になったので、米坂線経由で奈良の自宅へ帰ることにした、というメールが来ました。えっ、米坂線ってどこ?と、ググってみました。米沢から坂町まで100km未満、単線、ディーゼル運転、…

メモリアル・フラワー

父の命日が近いので、例年通り、花屋にフリージアを注文しました。白と紫、一重を20本ずつ。彼が好きな花だったのです。20年前、葬儀の打ち合わせで、最後に葬儀屋が、何か特別な御注文がありますかと訊いてくれたので、フリージアを飾って欲しい、と頼…

衝撃の続いた夜

昨晩、ウクライナ大統領の米国議会演説中継を視ながら、勿論これはロシア首脳部も視るだろうから、両刃の剣だなあ(近く弊国の国会でもやるらしい)と考えました。 引き続きクロ現で、1946年に引き揚げ船でコレラが流行、GHQの指示でそのまま上陸を禁じられ…

上杉鷹山

暖かい日が続いたので、種播きをしました。去年採種しておいたコキアとパプリカです。鑑賞に堪えるまでに育つかどうかは不明。日当たりのいい所に並べました。 珈琲を淹れてメールを開けたら、巴里からは木蓮と八重桜が満開、とのメールが来ていました。一方…

異文化接触

30年前の話です。鳥取大学には工学部もあり、農学部に砂漠の研究所もあったので、アラブ諸国からの留学生がよく来ていました。イスラム教は偶像崇拝を禁じていますが、当時の鳥取地方には路傍に石仏や小さな祠がいくらもあり、ある時、留学生の1人がそれ…

畠山重忠

清水亮さんの『中世武士 畠山重忠―秩父平氏の嫡流』(吉川弘文館 2018)を読みました。桓武平氏の子孫秩父氏は、上総・千葉・三浦氏などと共に平良文を始祖としており、11世紀武蔵国秩父を本拠に、京都とも交流を保ちながら、源義家ら河内源氏嫡流と主従関…

シンボルカラー

夕方、洗濯物を取り込みながらふと見ると、区役所の上層階部分が青と黄にライトアップされていました。都庁もやったようですが、ウクライナ支持の意思表示らしい。公式サイトを見ると、文京区は東京五輪の際に、難民チームのホストタウンを引き受けていたそ…

信濃便り・蝋梅篇

長野の天気予報には雪達磨が出ていますが、友人からはこんな写メールが来ました。 蝋梅の古木 【近所のお宅では塀に沿って、いろいろな花木が植えられています。春の気配を知らせてくれる花を思う時、この蝋梅がまず、頭に浮かびます。】 蝋梅は地味ですが、…

岡崎義恵と谷崎源氏

大津直子さんの「『潤一郎訳 源氏物語』(旧訳)の特質―岡崎義恵「谷崎源氏論」からの一考察―」(「同志社女子大学学術研究年報」72)を読みました。大津さんは谷崎潤一郎の現代語訳源氏物語の昭和14年訳(旧訳)から、戦後の改訳(新訳)に至る過程をず…

コロナな日々 25th stage

マスク生活が長くなり、表情の見えない、性別や身体の大きさだけが第一メッセージである人間の群像が歩く街に慣らされてきました。しかし現場で働く若い人たちは、それなりに「新しい行動様式」を身につけてきたようです。 池袋の街で道を尋ねた時、若者が真…

京都と坂東の中世史

元木泰雄・佐伯智広・横内裕人著『平氏政権と源平争乱』(吉川弘文館)を読みました。「京都の中世史」と銘打った叢書の第2巻です。買い置きしてあった川合康さんの『源頼朝―すでに朝の大将軍たるなり―』(ミネルヴァ書房 2021/6)と重なる時代なので、並行…

巣ごもりレシピ

長野の友人から郵便小包が届きました。私が転んだことを心配して、食料を詰めた慰問箱を送ってくれたのです。いろんな物が出てきましたー林檎ジュース、レトルトの粥、ビーフシチュー、無花果ジャム、インスタント味噌汁やスープ・・・そして蕗の薹。福袋み…

ワクチン・その8

区役所の25階へ、COVID19ワクチン3回目接種に出かけました。私が指定されたのは10:00、午前中は身体が硬くて上手く歩けないため、転ばぬように全集中で歩きました。晴天ですが風が冷たい。肩が出しやすいよう薄着をしているのでバスに乗り、早めに着きま…

送る言葉ー日本からロシアへ

以前にもこのブログに書きましたが、私たちはロシアを尊敬してきました。その文学、音楽、料理、舞踏や曲技、幼い頃からそれらに親しみ、憧れを持ち続け、国家体制の移行をも期待を持って見つめてきました。それゆえ今般のロシアによる他国への軍事力行使は…

源平の人々に出会う旅 第62回「姫路市・弁慶と書写山」

誰もがよく知る武蔵坊弁慶は、意外にも『平家物語』にはほとんど登場しません。その生涯は『義経記』や御伽草子『弁慶物語』に詳しく記されています。熊野別当の子として、超人的な能力を持って生まれた鬼若(弁慶の幼名)は、比叡山に預けられました。しか…

コロナの街・part34

PCの修理が出来たとの電話があったので、引き取りに出かけました。サンシャインシティはJRでも地下鉄でも駅からはちょっと距離があり、我が家の近くから直通で行けるバスを調べたところ、4時台に1本しかありません。歩き始めると、数日前の転倒の影響が、…

お年玉

埼玉にいる従姉からレターパックが届き、何だろう?と思いながら開けてみると、横須賀の海軍カレーのレトルトパックが入っていました。謎は深まるばかり、手紙を開封すると、貴女から来た年賀状のお年玉が2等賞に当たった、生まれて初めての事なのでお裾分…

とぼとぼ

昨日、買い物帰りに人通りの多い舗道で転びました。年度末の下水道工事後のでこぼこに、滑り止めのきつい老人用靴底が引っかかり、顔から落ちたのです。中年女性たち数人に抱き起こされ、帰宅後調べたら打撲や擦り傷は大したことがなく、一番の被害は眼鏡枠…