2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

川越花便り・彼岸花篇

川越の友人から、写真つきのメールが来ました。「買い物の帰り道に、田圃の畔で彼岸花が咲いていました。今年は暑さが続いたので少し遅いようです」とのこと。 川越の彼岸花 「珍しい白い花が混じっていました」ともありました。皇居のお濠の土手には彼岸花…

コロナの街・part9

市民講座で教えている知人に尋ねたところ、講座を再開して以来、ずっと対面式授業、オンラインは達成感が今ひとつ、だそうで、メールには以下のようにありました。 [人数が少ないので、対面式でも悠々「社会的距離」が取れます。お仕事をお持ちの方達は電車…

歳月

30代半ば頃、横浜の青葉台に住んでいました。近くに軍記物語研究を志す仲間が夫婦3組住んでいて、ちょっと離れて村上光徳さんがいました。いつしか、ここは軍記村、村長は村上さん、という冗談が真実になり、会場の確保も難しかった軍記物語談話会(現軍記・…

体験的電子事情・研究会篇

母校の中世文学研究会がオンラインで開かれました。今回はzoom経由で、発表資料は前日に配信されました。野本瑠美さんの「崇徳院の死と俊成、西行」という発表です。野本さんは島根からの参加、全国から40名の参加申し込みがあったとのこと。ともかく研究会…

美濃国便り・むばたま篇

岐阜の中西達治さんの「巣ごもり通信」が来ました。今回は上段にヒオウギの花、下段に射干玉(ぬばたま)の実の写真が刷られた葉書です。文面には、 [今回の台風は、何とかうまくそれてくれたようですが、この季節思い浮かぶのが『源氏物語』桐壺の一節です…

コロナの街・part8

歯医者へ行きました。久しぶりに腕時計を手首に巻き、靴を履きました。遠くはないのですが、我が家からは直線で行かれず、徒歩20分の道のりです。GWの頃の予約をキャンセルしてその後、近くの保育園でクラスターが発生したりして足が向かなかったのです…

花を食べる

黄色い食用菊が、1パック¥100で売られていたので買いました。あまり買う人がなくて、スーパーが安売りしたようです。パックにぎっしり詰まっていて、これはお買い得だった、と思いました。うす塩味の炊き込みご飯にしたかったのですが、四苦八苦書いて…

まさに めちゃめちゃ しっかりと

若い人たちが強調表現として使う「めっちゃ」は、大阪方言だと思っていました。ところが、めちゃめちゃ○○、という言い方がTVタレントたちを中心に広がり、中にはその語を連発するだけ、というレポーターもいて、うんざりしています。めちゃくちゃ、むっち…

信濃便り・秋の惠み篇

長野の友人から、メールが来ました。家族で(ペットのダックスフントも一緒に)お墓参りに行ったそうです。連休中は、長野でも県外ナンバーの車をたくさん見かけたとのこと。まずは、これが信濃だ!という写真から。遠景は北アルプス南部にある穂高岳。 高ボ…

語文論叢35

谷口耕一さんの「湯浅党と渡辺党・文覚との姻戚関係について―湯浅権守宗重とその周辺(4)―」(「語文論叢」千葉大文学部日本文化学会 第35号)を読みました。谷口さんは、鎌倉幕府とその周辺の人物を粘り強く調べて、『平家物語』の背景にある人脈を照ら…

完結祝い

後輩から、お祝いに百合の花を贈りました、とのメールが来ました。ふと、敬老の日?と衝撃が走りましたが、花屋から届いた花束には、「軍記物語講座完結記念」というメッセージカードが添えられていて(ほっとし)、嬉しくなりました。ピンクの大輪です。夜…

山城便り・牧水篇

京都郊外に住む錦織勤さんと、今夏は暑さが続いて、麦酒がやめられないね、というやりとりをしました。錦織さんは痛風の経験があるので、麦酒はおっかなびっくりで呑んでいるようです。私の方は、朝の家事が一通り終わったら1杯の珈琲片手に机に向かい、猛…

国勢調査

国勢調査の用紙が配布されました。ここへ越してきて初めての国勢調査の時、9月30日の午後になっても用紙が来ません。やむなく区役所へ電話したら、夕方になって、不機嫌なおばさんが用紙を届けに来ました。べつに10月1日でなくてもいいんだ、と言う。…

災害を記すこと

木下華子さんの「災害を記すことー『方丈記』「元暦の大地震」について」(「日本文学研究ジャーナル」13 特集「記憶と忘却」)という論文を読みました。『方丈記』はいわゆる5大災厄(安元の大火・治承の辻風・福原遷都・養和の飢饉・元暦の大地震)の中…

葛の花

名古屋の今井正之助さんから、散歩道の川沿いに葛の花を見つけ、秋を感じましたというメールが来ました。葛は秋の七草の1つですが、同じ豆科の萩とはイメージが殆ど逆。しなだれる枝ごと、その繊細さを観賞する萩に対して、葛は野生の勁さ、逞しさを見せつ…

蓼科

川越の友人から、写真つきのメールが来ました。3泊4日で蓼科へ行ってきた、公共乗り物は使わず、自家用車に消毒液を積み込んで行った、観光地は空いていて、周辺の店は気の毒だった、とのこと。涼しくて生き返った、ともあります。 蓼科山の御柱公園 曇っ…

ラッコ

一時期は国民的な人気を博したラッコ。いま日本の水族館には8頭しかいない、と知って驚きました。輸入ができなくなり、国内での繁殖も出遅れているとのこと。 1985年だったでしょうか、中世文学会に参加するため宮島を訪れました。ちょうどその日、宮島水族…

植木たちの代替わり

太陽の位置が変わって、日差しが室内に近づいてきました。鉢やプランターの配置を換えて日当たりを確保してやり、勝手放題の方向へ伸びていた菊を起こして支柱に括りました。一晩明けたら、螺旋のように捻れていた菊の頭が、一斉に天を指していたので一安心…

藤原俊成伝

藤原俊成の評伝を読みました(久保田淳『藤原俊成―中世和歌の先導者』吉川弘文館 2020)。我が家の書庫には松野陽一氏や谷山茂氏、上條章次氏の俊成伝も眠っているのですが、本書は論文集ではなく書き下ろし、一般の文学愛好家にも読めるように企画されたよ…

自転車事故

自転車の横暴さが目に余ります。日曜日に妻子の大小の自転車を引き連れて歩道を走る父親を見かけました。しかも先頭の父親は、綱を伸ばして犬を引いている。カラーボールを携帯していたら投げつけたい、と思いました。自分は車道を自転車で走り、犬は歩道を…

第3回研究報告会

今年3月に予定されながら、COVID2019感染拡大防止のため延期されていた明翔会主催の研究報告会を、来年3月にオンラインで開催する準備をしていると、世話役から以下のように知らせがありました。 2021年3月20日(土)・21日(日) 東京・名古屋な…

コロナ下の大学

平成になってから、つまり大学改革がうるさく言われるようになり、学生気質もすっかり変わって以来、退職する先生への挨拶は決まって、「いやあ、いい時にお辞めになりましたなあ」というものでした。私にはそう言われるタネがなかったので、「お体お大事に…

コロナな日々 7th stage

遠出自粛の毎日が半年以上続き、さすがに鬱屈のみならず不便も積もってきました。第1は大学図書館が利用できないこと(学生専用・予約制になった)、第2に繁華街へ行かないと購入できない消耗品類がそろそろ不足してきたこと。このまま待っていても、いつ…

美濃国便り・煙草篇

岐阜の中西達治さんから、ナンバンギセルとイワタバコの写真つきの葉書が来ました。 [イワタバコは野菜の萵苣(ちしゃ)に似ているところから岩萵苣とも、ナンバンギセルは首を垂れたような花の姿から、思い草とも呼ばれており、いずれも在来種、後者は『万…

20世紀

毎朝、冷たく冷やした果物を食べる習慣です。朝の果物は黄金といいますが、目覚めがしゃっきりするのです。1ヶ月の入院生活をした時、何が辛かったかというと、トイレが共用だったのと、朝一に冷たいフルーツ(せめてジュースでもいいから)を味わえないこ…

源平の人々に出会う旅 第44回「鎌倉市・腰越状」

元暦2年(1185)3月24日、壇浦の合戦で平家の総大将宗盛と子息清宗は捕虜となり、義経は二人を鎌倉へ連行します。ところが頼朝は、捕虜を受け取り、義経は腰越に留めて鎌倉へ入れませんでした。梶原景時の讒言を聞き入れていたからです。 【満福寺】 覚一本…

古記録の歌謡記事

辻浩和さんの「古記録にみる歌謡記事」(「日本歌謡研究」59号 2019/12)という論文を読みました。 中臣祐春の日記『春日若宮神主祐春記』の徳治2年(1307)の記事から、芸能者である盲人女性が早歌を歌ったこと、社司・氏人・神人らが集団で…

喜寿祝

突然、表玄関のチャイムが鳴りました。インターホンに出ると、若い人が「区から喜寿のお祝いをお届けに来ました」と言う。えっ、予告なし?と思いましたが、お祝いが出ることは区報で知っていたので、我が家の戸口で待っていると、野球帽にTシャツ、身分証を…

信濃便り・けなげ篇

長野の友人から、写真添付のメールが来ました。散歩の途上で見かけた花壇が、色とりどりで綺麗だったので、とのことです。 象山記念館前にて 「残暑の厳しい日差しの下で、けなげに咲く松葉牡丹や、スターチスに似た紫色の花を見つけました。長野の言い方に…

谷崎源氏の文体

大津直子さんの「文体を一新する―戦後の国文学者たちと谷崎源氏の交渉―」(「国語国文」7月号)という論文を読みました。谷崎潤一郎が現代語訳した『源氏物語』、いわゆる谷崎源氏と呼ばれるものは①戦前の1939~1941年刊行(旧訳)、②戦後1951~1954年刊行(…