2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

選べない選挙

雨の降り出す前に、と午前中に投票所へ出かけました。かつては開始時間に音花火が揚がったものでしたが、今はなし。会場も、小学校から区の男女平等センターに変わりました。近年は個人情報保護のためか校内を何も見えないように隠されるのでつまらず、久し…

回想的長門本平家物語研究史(7)

昭和50年代に入ると、影印本が続々出されるようになり、主要な平家物語諸本が次々に影印化されました。渥美かをる氏も源平盛衰記2種と、内閣文庫蔵長門本平家物語(寛保2年源台近識語)とを影印出版しています。源平盛衰記慶長古活字版と蓬左文庫蔵写本…

コロナの街・part 27

食生活に変化がなくなってきたので、後楽園前の大手スーパーに出かけました。週末は混むと予測して、今日出かけたのですが、ユニクロも成城石井も、若いカップルで混雑していました。ステイホームなのか、平日の午後、街へ出歩ける所帯持ちがこんなにいるん…

鳥の眼

ムスカリを植えました。露地栽培ではもうとっくに芽が出て、すくすく伸びているのですが、球根を掘り上げた後にパプリカを播いてあったので、なかなか植え替える機会がなかったのです。待たせて御免、と言いながら、萎れたコリウスを抜いたプランターにパプ…

生活者の街へ

ここへ越してきた当初は近くの個人商店が次々畳み始め、後にはコンビニしかなく、勤め帰りにデパ地下で惣菜や食材を買い込んで帰りました。デパ地下で野菜や魚を買う生活なんて、と軽蔑していたのですが、背に腹は代えられません。上手に買えば、新鮮で珍し…

阿波国便り・野菊篇

徳島の原水さんから「秋の野は、セイタカアワダチソウやアメリカセンダングサが、我が物顔で羽振りをきかせております」との写メールが来ました。 野路菊 群生していて綺麗ですね。嫁菜とどう違うのかな、とウェブで調べたら、嫁菜はいわゆる「野菊」という…

国家財政

「文藝春秋」11月号掲載「財務次官、モノ申す」(矢野康治)を読みました。一読、衝撃を受けたのは、矢野氏が文中2度も自らを「モノ言う犬」と喩えていることです。 最近のバラマキ合戦のような政策論を聞いていて、言うべきことを言わねばならないと思っ…

小栗判官の癒やし

人間文化研究機構主催のオンライン・シンポジウム「フロントの知を楽しもう―女院と小栗判官のおはなし」を視聴しました。河合佐知子さんが「女院って何?」、粂汐里さんが「湯の峰温泉と小栗判官」と題して話題提供、進行役の光平有希さんを交え、合計1時間…

瓦詐欺

世田谷に住んでいた頃は未だオレオレ詐欺はなく、墓地の売り込みと、瓦屋根修理の勧誘電話が執拗に掛かりました。阪神、鳥取や熊本の震災後の復興度は、屋根を覆うブルーシートがなくなることが目安だったそうで、西日本では屋根といえば釉薬の懸かった瓦葺…

鳥取力

本屋で平井伸治さんの『鳥取力』(中公新書ラクレ)という本を見つけて、衝動買いしました。平井さんは自治省出身で、2007年から鳥取県知事を務め、最近全国知事会の会長になりました。小さな本ですが、地方政治が今後の日本に果たす役割、コロナ対策に何が…

花たちの運命

昨日の昼、別府暮らしの友人へ、ブログに写真をアップしたよ、とメールを送り、ひょいとTVを見たら、阿蘇山中岳噴火の臨時ニュース。あの写真の風景は一変していました。平穏な日常にも思いがけないことがある。幸い人的被害はなかったようですが、これから…

源平盛衰記年表

『源平盛衰記年表』 三弥井書店(2015) 解説 p2の18行目:補入「現存、巻三十二尾に弘治二」 p3の8行目:抹消「林家によると思われる」 p5の7行目:補入「らしく、多くは上下に界があり」 p5の8行目:「すでに七十二葉以上が」→「すでに八十二葉…

豊後便り・阿蘇高原篇

別府暮らしの友人から、「悲憤慷慨のブログ、概ね共感しながら読んでいます」とメールが来ました。「おおむね」というところがミソでしょう。 阿蘇外輪山 【こちらはノンビリしたことを言って申し訳ないと思いつつ、平穏な日常を送っています。今日は久しぶ…

ショパンコンクール

昨日は仕事のノルマが早く終わったので、夕食後、NHKーETVでショパンコンクールに関する音楽番組を視ました。今年はコロナで延期されていたコンクールが久々に行われ、日本人も最終選に残っているらしい。10代の頃はピアノに魅せられ、ショパンは早春がよ…

体験的電子事情・新行動様式篇

オンラインの学会・研究会にも大分慣れては来ましたが、今度は参加者の行動様式が気になることがあります。先日の学会では、質疑応答の際にパキッ、パキッというノイズが入ることが複数回あって、何だろうと思いましたが、発言者たちにボールペンの頭を押す…

源平盛衰記の「時代」

坂口太郎さんのリサーチ・マップを閲覧したところ、「拙稿の公開と訂正」というカテゴリーがあって、なるほどこれは設けるべきものだと感心し、本ブログにも新しく作ることにしました(なお坂口さんは「碩学の論考、碩学への追想より」という欄も設けていて…

参考源平盛衰記

11月の古典籍大入札会には、真珠庵本『太平記』が出されるとの予告を見ました。『伝存太平記写本総覧』の著者長坂成行さんは、思文閣の新出写本にも、断捨離、断捨離と唱えて無関心を装っているそうですが、ほんとかしら。 そう言う私は、年金生活で資力も…

詐欺未遂

今日は南西の上空でヘリがうるさい。そうか、衆議院解散したんだ、と思ったところへ電話が鳴りました。普段なら留守電対応なのですが、今日あたり注文した本屋から電話が来る頃なので、うっかり受話器を取りました。時刻は13:45、魔のタイムです。 もし…

太平記要覧

長坂成行編著『校訂『太平記要覧』』(和泉書院)という本が出たと知って、取り寄せました。『太平記要覧』は貞享5年(1688)版の『太平記』梗概書。解説にいう通り、大部な『太平記』には梗概書があると便利ですが、これまで活字化されていませんでした。…

コロナの街・part 26

小糠雨の中、歯医者へ出かけました。かれこれ1年以上、間が空いています。緊急事態宣言が途切れず、区の感染者数が爆発的に増え、結果的にこうなったのです。B-ぐる新路線に乗って行く心算でしたが、途中の郵便局に用があって、結局歩いて行きました。久し…

山城便り・終活篇

同志社女子大学の紀要を読み、京都府立大学が開催協力校を務めた中世会文学会に参加しているうちに、何だか京都の風が恋しくなりました。若い頃、京都の短大へ非常勤講師として通ったこともあり、週1回、四季を通じて京都の街をバスで通り抜けた1年を回想…

中世文学会2021秋季発表

午後から、中世文学会の研究発表をオンラインで4本聴きました。久々に中世文学について議論できた、との感想を持ったのは私だけではなかったようです。 黄昱さんの「『徒然草』の読書論」は、『徒然草』13段に見える「灯下読書」は、漢詩に影響され、灯の…

中世文学会2021秋季講演

中世文学会秋季大会の講演会を、オンラインで視聴しました。 三木雅博さんの「古典文学における<継子いじめ譚>の展開と漢土の文学」。日本の上代文学には継子いじめ譚はなく、10世紀後半の物語に見いだせるようになるが、それは貴族社会の家継承制度の変…

震度4

昨夜、1日分の仕事は終わって、風呂に湯を張りながら本を読んでいたら、地震が来ました。これは大きいかな、と思ったら周囲の本棚がぎっしぎっしと鳴り始め、慌てて立ち上がりました。かなり永く揺れていたように感じましたが、何をすればいいか分かりませ…

経国の大業

大津直子さんの「国文学者と時局―谷崎源氏の改訳から見る、戦中戦後の天皇表象と最高敬語―」(「同志社女子大学総合文化研究所紀要」38巻)を読みました。大津さんは院生時代から継続して、さきの大戦中から戦後に亘って谷崎潤一郎が現代語訳した源氏物語…

コロナの街・part 25

池袋までインクカートリッジを買いに出かけました。どうも配達購入は気が進まなくて、いつ切れるかとひやひやしながら印刷していました(この御時世、学会発表資料を視聴者に何十枚も印刷させるのはやめて欲しい)。これから大量の作業シートを印刷しなけれ…

続・美しい誤解

同志社女子大学総合文化研究所紀要38を頂いたので、関心の持てる論を読んでみました。さすが京都、と思った論文は「京都における写真観光による地域活性化」(天野太郎・上中愛奈)で、八坂庚申堂がいま人気沸騰だということ、それが時勢に合った観光スポ…

源平の人々に出会う旅 第57回「京都・怨霊の恐怖」

『平家物語』には、しばしば怨霊への恐れが記されます。たとえば、巻三「赦文」では、中宮徳子の難産は、讃岐院(崇徳院)や悪左府藤原頼長、早良親王、井上内親王らの死霊や、鬼界ヶ島の流人達の生霊が原因と考えられたとしています。 【御霊神社(上御霊神…

コロナな日々 21st stage

西脇順三郎の言う「神様が宝石箱をひっくり返したような」好天です。街へ買い物に出かけました。 本郷通りの曲がり角に大手スーパーが開店し、ごった返していて、あちこちに警備員が立ち(彼らは人並み外れて身体が大きい)、それ自体が通行の邪魔。しかも入…

白鵬

白鵬が引退して間垣親方になりました。あのしなやかな巨体を、もう土俵上では見られないのだと思うと寂しい。殊に東北大震災の後の逸話の数々は、生国の違いを超えて、まさに現代の大横綱に相応しいと思います。あの当時、自分の日々に精一杯だった私たちに…