2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

親父バンド

本ブログの28日、29日付記事を読んだ知人友人からメールを貰いました。親子になるということ(子は親を選べないので、正確には「親になること」です)を、経験者も未経験者もそれぞれに、重く受け止めてきたのだなあと改めて思いました。 5歳若い知人か…

子供の頃は柿を食べると何故か、お腹を壊しました。ある時、柿の形をした和菓子を食べてやはりお腹を壊し、子供心にもこれは気のせいだと思って、柿を恐れなくなりました。講談で、刑場に引かれる武士が最後の食事に柿を出され、腹が冷えるから、と言って辞…

温かな手で

信濃毎日新聞取材班『不妊治療と出生前診断―温かな手で』(講談社学術文庫 2015)を読みました。信濃毎日は今年の8/3から10/12まで、「どう考える?新出生前診断―導入5年の広がり」という記事を連載したのですが、その元には本書があるから、と友人…

21トリソミー

長野に住む友人から、信濃毎日新聞の切り抜きを送って来ました。スマホで音楽を聴きながら嬉しそうに談笑する母子の写真が、大きく載っています。見ているこちらも釣り込まれて笑顔になるような、幸福な母子像です。 友人にとっては、姪とその長男(5歳)に…

空港の鴉

前回、秋田で中世文学会が開かれたのは40年前でしょうか、未だ秋田新幹線はなかったので、飛行機で行きました。空港からタクシーで大学へ向かう途中、運転手から、鴉は頭のいい鳥だねえ、という話を聞かされました。 空港は造ったが1日に飛来する飛行機が…

秋田の餅

京都行きの切符を買いに、東京駅へ出かけました。『太平記』のシンポジウムを傍聴するためです。外人が多く、みどりの窓口は混んでいました。30分ほど並んで切符を買い、通路脇にある紀ノ国屋で、地方名産品を物色しました。どこも地下興しで、さまざまな…

茹で玉子

退職したら、ちゃんと家事をやろう、朝のスープもだしからとって・・・と思っていたのに、ふと気がついたら逆になっている。量り売りの総菜や弁当屋の白飯を、夕方慌てて買いに行くことが珍しくなくなりました。 朝起き抜けに益子のマグカップで牛乳を飲むの…

平家歌壇

中村文さんの「経盛家歌合の性格―<平家歌壇>の再検討」(『変革期の社会と九条兼実―『玉葉』をひらく』(勉誠出版)を読みました。かつて谷山茂氏が、永万から治承に至る時期に、平家一門の権勢を背景とする「平家歌壇」があった、とされたのは果たしてほ…

コンポート

ラフランスのコンポートを作りました。かつては高級果物だったラフランスも、最近は百均やスーパーに安く出ていることがありますが、表皮の色は熟しても、剝いてみるとがじがじ、馬鈴薯のようだったりする。ああ、安物買いの銭失いをしてしまった、と落ち込…

この季節、栗が食べたくなります。子供の頃は栗剥きを手伝わされました(栗剥き、豆剥き、もやしの髭根や絹さやの蔓取り、小豆や米の選り分けなどは子供の仕事でした。当時は、配給米に小石や虫が混じっているのが当たり前だったのです)。季節ごとに炊き込…

市ヶ谷の富士

軍記・語り物研究会に出かけました。会場は市ヶ谷の法政大学ボアソナードタワー。タワーの上へ昇ると、眼下は雄大な大都市東京です。外堀の水が緑色に光っていました。快晴で、富士山や筑波山がよく見えます。5日前に東名の正面に見た富士は、もう真っ白に…

列叙の表現史

佐倉由泰さんの「中世の列叙―世界を表象する知の祝祭―」(「文学・語学」222号)を読みました。『新猿楽記』『遊仙窟』『玉造小町壮衰記』『三教指帰』『雲州往来』『桂川地蔵記』『大塔物語』『長倉追罰記』『文正記』『曽我物語』『天正記』『堤中納言…

羅馬のきのこ

英文学の多ヶ谷有子さんから、きのこの思い出を綴ったメールが来ました。栃木のご出身なので、乳茸、ハナイグチなどきのこには詳しいそうです。でもお子さんたちは、茸は宇宙人の食べ物だと言って、食べないとのこと。 【1年ほど住んだローマでは9月、10月…

きのこ狩り

今年はきのこの当たり年だそうで、山へ入って遭難する人が多いとか。長野の友人のメールによれば、死者は高齢者ばかりではなく、半端でない人数だそうです。山の恵みの豊かな所に育った人にとって、その季節に山菜採りやきのこ狩りへ出かけるのは、一種の本…

今夜の晩酌

必要があって、南北朝内乱に関連する論文を読みに出かけました。大学図書館脇の桂の木も、今年は青いままはらはら散っています。日本史関係、思想史関係のコーナーで、昼食抜き7時間ぶっ通しで、読み漁りました。 定年前後の数年は忙しくて、眼前にあるもの…

横須賀線

富士霊園へ墓参に行きました。父方の従妹夫妻の車と、横須賀線の駅で待ち合わせしたのですが、東京駅で、目の前で列車のドアが閉まり、乗り遅れました。日頃横須賀線に乗らないので、次の列車に乗ればいいやと時刻表を見ると、何と33分後。なぜか彼女のケ…

速射

半年ごとの眼科検診を受けに行きました。病院にいるのは、受付から支払いまで3時間くらいですが、瞳孔が開く薬を入れられるので、結局夕方まで仕事はできません。この大学病院は、圧倒的に男性の入試合格率が高いので、最近問題視されています。そう言えば…

稲庭うどん

秋田名物稲庭うどんには、苦い思い出があります。もう30年以上前、私は世田谷の小さなマンションの4階に住んでいました。非常勤先で遭ったフランス語の講師(都立大教授でした)が、高校の先輩だと分かり、帰りに渋谷で呑むことにしました。美人の若いマ…

秋田で

中世文学会初日の講演を聴きに、秋田へ行って来ました。宇都宮へ通っていた時には通過列車として眺めていたこまちに乗り、黄金に輝く稲田や綺麗に揃った杉林、清流、小粒の実をたわわにつけた柿の木など、なつかしい日本的風景が見え始めたのはようやく仙台…

百寿

母方の叔父が百歳を迎えました。末っ子だった叔父は、7歳上の私の母になついていたらしく、今でも甘えん坊のところがあります。子供の時の中耳炎(昔はよくあったのです)のせいで難聴のため、聴診器を使わない医者(皮膚科)になりました。新潟大学医学部…

1782年

仏蘭西からジャックリーヌ・ピジョーさんが来日されました。御伽草子その他、日本中世文学を専門として、ひろく活躍してきた方です。私には市古貞次門下の姉弟子に当たります。赤門前で待ち合わせし、変わり果てた(図書館前の大楠も無くなった)東大構内を…

万年竹

台風に蹂躙された植木たちも、徐々に元気を取り戻してきました。近所の老舗の花屋が、代替わりしてからすっかり零落し、法人相手の盛花や植え込みの売れ残りを個人客に押しつけようとするので、最近は切り花を買いません。トイレや洗面台の花は、植木の手入…

LED

洗面所の照明の電球が切れました。我が家は蛍光灯も含めて暖色灯で統一していたのですが、もうストックがなくなり、やむなくLED電球を買いに行きました。レジで金額が大きいのに仰天。LED製品は高価であることを忘れていたのです。今までの替え電球のように…

英文学者の感想

和歌文学会第64回大会の講演2本について、中世英文学が御専門の多ヶ谷有子さんから、メールで感想が届きました。他分野の方の観点はたいへんためになります。お許しを得て、転載させて頂くことにしました。なお『狭衣物語』の本文研究については、片岡利…

臈纈染め

ヘッダーの絵を選んでいたら、亡父が愛妻静子(私の母です)のために描いた、臈纈染めの下絵が出てきました。鉛筆で輪郭を描き、水彩で彩っています。多分、戦地から帰ってきて、茅ヶ崎で暮らしていた数年間に描いたのでしょう。当時の茅ヶ崎は、松林と砂浜…

和歌文学会初日

渋谷の國學院大学で開催された、和歌文学会第64大会に出ました。まず図書館で特別展示を観ました。『古今集』2種、『千五百番歌合』、『拾遺集』、『後拾遺和歌抄』、『金葉和歌集』、『新古今和歌集』2種、「風葉集抜書」、「古今集切」2種が出ていま…

叙事に泣く

明日(10月6日)16:20頃から、和歌文学会(於國學院大学渋谷キャンパス2号館)で講演をします。要旨は以下の通り。詳細は和歌文学会のHPをご覧下さい。 『平家物語』の表現―「叙事に泣く」ということ― かつて『平家物語』の叙事と抒情という問題…

源平の人々に出会う旅 第21回「滋賀県・比叡山」

寿永2年(1183)、北陸を勝ち進んだ義仲は越前国府に布陣し、京都の玄関口となる比叡山の大衆(だいしゅ)に味方に付くよう牒状(手紙)を送ります。比叡山は東塔・西塔・横川の3区域からなっており、東塔・根本中堂が延暦寺の総本堂に当たります。 【東塔・…

閲覧室

久しぶりに大学図書館へ行きました。渋谷駅はいつ終わるとも知れぬ大工事が続き、通路が分からず、バス停まで駅の周囲を1回り半歩きました。図書館棟の空きスペースは学生の居場所として開放され、椅子と机がたくさん置いてありましたが、座席でぐったり寝…

年齢確認ボタン

コンビニで酒・煙草類を買う時に、年齢確認ボタンを押せ、と言われるのには、慣れるまでちょっと抵抗がありました。未だに慣れない中高年もあるらしく、アルバイト先のレジで怒鳴られた、おじさん、誰も貴方を偉いとは思ってないよ、と皮肉る若者の投書が、…