2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2020大晦日

今年は、間近な締め切りを抱えていない大晦日。余裕の年越しだと思っていたのですが、納戸を開けたら去年処分しなかった書類の山を発見、そう言えば去年は軍記物語講座に逐われて大掃除を手抜きしたのでした。おまけに、いつも家事代行さんに任せきりの掃除…

阿波国便り・丈六寺篇

徳島の原水民樹さんから、丈六寺に行ってみた、と写真が送られてきました。 徳島・丈六寺 【丈六寺は、阿波の法隆寺と呼ばれる曹洞宗の古刹で、細川成之により再興されたと伝えられています。 寺号の由来となっている丈六仏について、日本史の人が、蓮華王院…

コロナの街・part15

正月用食材を買い出しに出かけました。瓶詰など賞味期限の長いものはすでに買ってあるのですが、野菜類など、どうしても必要なものが未だです。往きの地下鉄は年末、平日、この時間ならまあこんなもの、という混み具合でしたが、帰りの都バスは混んでいて、…

屠蘇散

スーパーで屠蘇散はないかと尋ねたら、仕入れたはずだが、とやっと探し出して来ました。思わず、今年のだろうね、と念を押してしまいました。もともと酒屋が年末に味醂か酒を買うとおまけにつけてくれたものですが、近年はその習慣がなくなりました。数年前…

辻井伸行

毎年、暮にBSフジがピアニスト辻井伸行に密着するドキュメントを放映します。今年は素材が少なかったのか、10年を振り返る構成で、すでに見た場面もありましたが、途切れ途切れに視た中でも、いくつか感動したことがありました(何故途切れ途切れかという…

音楽療法史研究

『明日へ翔ぶ―人文社会学の新視点―』の編集担当者からメールを貰いました。第2集(風間書房 2011)に執筆した光平有希さんの名前を、心理学関係の雑誌で見つけました、というメールです。光平さんはエリザベト音楽大学出身で、音楽療法史が専門。『明日…

信濃便り・クリスマスツリー篇

長野の友人から、今年は一緒に忘年会ができなかったけど、長野駅のクリスマスツリーを見てきたので、と写真が送られてきました。 長野駅のツリー 【長野駅前のツリーは大きいツリー1つと小さいツリー3つからなる、4つのツリーの競演です。このツリーが設…

師走の音

以前住んでいた世田谷の家は、駐車場を隔てた向かい側に米屋があり、12月の今頃は朝から1日中、桶や蒸籠を洗っては干す時の、木のぶつかる音が聞こえました。賃餅で忙しかったのです。ここへ越してからもう16年経つのに、師走になると、その音が空耳で…

花屋の愚痴

クリスマスの卓上花を買いに、花屋へ寄りました。ウィンドウの中は色彩が乏しく、赤い花はアンスリウムしかない。ヒバの小枝に赤白のアンスリウムを合わせて、低く活けることにしました。帰りざまに、大晦日は何時までやってる?と訊いたら、奥からメモ帳を…

去りゆく者は足早に

陽だまりでのんびり朝刊を広げたら、死亡欄に出口典雄の名前を見つけました。劇団シェイクスピアシアター主宰、誤嚥性肺炎のため16日に死去、80歳とあります。学部1年の時(57年前です)、ほんの短い期間在籍した部活の上級生でした(出逢った頃のこ…

コロナな日々 11th stage

クリスマスカードを書いて、郵便局へ出しに行きました。喪中欠礼が来た相手が賀状のやりとりだけのおつきあいだった場合、2年間音信不通ということになるので、地味な色彩のクリスマスカードか、仏像写真の絵葉書を出したりしています。しかし今年は、「よ…

慈円

児島啓祐さんの論文を3本、読みました。①「『愚管抄』の災異叙述と中世天文道」(「国語国文」7月号)、②「『古事談』巻五第三十「元暦大地震」説話考」(「伝承文学研究」69号 8月)、③「慈円の観法と和歌ー月輪観・阿字観をめぐってー」(「日文協日…

継承

フジテレビがときどき、歌舞伎役者の1年間ドキュメントを放映するのですが、昨夜は中村勘九郎一家のこの1年でした。コロナのため、稽古を積んだ公演がつぎつぎに延期、結局中止になる。自分のモチベーションも下がるが、抱えている一座の人々の生活もかか…

山城便り・公家日記篇

日本史が専門の錦織さんからメールが来ました。錦織さんは鳥大定年後、娘さんの嫁ぎ先に近い伏見に移住して、味噌も手作り、城跡探訪に熱中する老後です。 【今朝、車の上にうっすらと雪が乗っていました。昨夜、ちょっと降ったようです。しかし、午前中はお…

歳末2020

我が家は日照抜群なので、外へ出てみて初めて、風の冷たさに驚きました。日本列島のどこかで雪が降っている、と実感する冷たさです。今日はエノキさんの来る日。私が毎年、丸ノ内のキッテで友人と開く忘年会が、コロナで今年はできなかったことを知っている…

西源院本の書き入れ

和田琢磨さんの論文「点描 西源院本『太平記』の歴史―古写本から文庫本まで」(『古典の未来学』文学通信)を読みました。本ブログの4/25欄で取り上げた「西源院本『太平記』の基礎的研究―巻一・二十一の書き入れを中心に―」(「国文学研究」190)の…

信濃便り・雪景色篇

長野の友人から、今朝は寒かった、というメールが来ました。 雪の象山神社 【象山神社は真田藩家老の屋敷跡に建立されました。中央の木はイロハカエデで、樹齢250年と聞いています。赤白の幔幕は七五三参拝者用でしたが、年初めの参拝者用と兼用するようです…

健康診断

区の健診を受けに近くの医院へ出かけました。混んだ待合室で待つのは恐いので予約して行ったのですが、誰もおらず閑散としていました。今年から、問診票の質問項目が簡素化されたようで、それでも答えに迷うものがあります。「ウオーキングなどの運動を週1…

古典の未来学・その1

荒木浩編『古典の未来学』(文学通信)という本が出ました。2016~19年度、国際日本文化研究センターの共同研究「投企する古典性―視覚/大衆/現代」の成果を中心とする、872頁の大冊。執筆者は論考・コラム合わせて43人に及び、版元の文学通信が…

阿波国便り・勝占神社篇

徳島の原水民樹さんから、勝占神社の写真が送られてきました。義経が屋島合戦を前にして、勝利に因む地名として喜んだと『平家物語』にはあります。 徳島・勝占神社 【屋島攻めの途次、義経が戦勝祈願をしたと伝える勝占(かつら)神社(徳島市勝占町)に出…

時の言葉

子供の頃は昼食時と夕食時に、ラジオをかけるのが習慣でした。耳から聞く言葉で、意味が判らないながら度々聞いたものに、「コウカンブンゴウ」とか「サンジセイゲン」という語がありました。前者は、小学校に入って、社会科の教科書に「交換分合」(田圃の…

返り花

近所の家のプランターに、菫が咲いているのを見つけました。返り花(戻り花ともいう)ですが、いじけず、くっきりと咲いています。小春日和が続いた後、寒さがやって来て、楓や夏椿などの紅葉が鮮やかになりました。岐阜の中西達治さんからも、藤袴の返り花…

コロナの街・part14

寒い朝です。そろそろ年賀状の準備をしなければなりません。年賀の原稿をコンビニで縮小コピーし、隣の画材屋で木版の絵葉書を買いました(日本のお年玉付年賀葉書は、賭博禁止の関係で、海外へは送れないのです)。コロナ禍の仏蘭西や米国の友人たちはどう…

コロナの街・part13

暖かいうちに、と用足しに出かけました。西片町の酒屋で御歳暮を発注し、白山通りへ出て、本屋で小さな暦を探しました。犬猫ばっかり。以前は海、雲、薔薇、富士山などの図柄の暦を使っていたのですが、年々、同じようなペットの図柄しか出なくなりました。…

奉納平家

平家物語の研究者でもあり、前田流平曲の演奏家でもある鈴木孝庸さんと、今度の新興古書大即売展に出陳されている、『平家正節』(福地桜痴旧蔵か)について、メールでやりとりしました。最近、『正節』のまとまった写本が市場に出ることが数回あり、殊に今…

日本書紀1300年

今年は『日本書紀』成立1300年。「國學院雑誌」11月号は、特集「『日本書紀』研究の現在と未来」です。谷口雅博さんの編集後記には、『日本書紀』が記す神武天皇即位から持統天皇譲位までが1357年、ほぼ同じ時間を編者は見通していたのかもしれな…

信濃便り・野沢菜篇

長野の友人から、例年通り林檎を送った、とのメールが来ました。 【師走は1日が短く、しかも日を追うにつれ加速度的に短くなるような気がします。 長野では野沢菜がスーパーの店先に並ぶようになりました。今年の出来は良いらしく、見事にのびのびと育った…

回想・渥美かをる

初めて女子学生を受け入れた帝大は、東北大学です。私が駆け出しの頃は、その当時のことを知る卒業生が未だ現役でした。渥美かをる氏もその1人です。大著『平家物語の基礎的研究』(三省堂 昭和37)は、私が卒論を書く頃は一誠堂の硝子ケースに入っていて…

源平の人々に出会う旅 第47回「石川県・義経北国落」

文治元年(1185)、義経は、腰越から都へ戻る途中、護送していた平宗盛父子を近江国で処刑します。その後、頼朝から義経暗殺を命じられた土佐房昌俊は、六条堀川の義経の宿所を襲撃しますが、失敗して義経に斬首されます。11月、義経は船で九州へ逃れようと…

コロナの街・part12

次々出される行政のコロナ対策は、何かちぐはぐで、しかもその非整合性がどんどん増えていく気がします―GoToキャンペーンが感染拡大の原因だというエビデンスはない、と言うが、人の移動と接触が根本的危険因子になる、と流行初期に聞かされたのは夢だったの…