2、3日涼しい、というか肌寒い日が続きました。明日から気温が上がるという。何を着たらいいかしら。夏の間は殆ど人中へ出なかったので、気候に相応しい、まっとうな上下を揃えるのに悩み、アイロンを掛け始めました。今年になって2度目くらいのアイロン掛けなので、ブラウスやハンカチが一杯溜まっています。
在勤時代は毎週アイロン掛けをしないと間に合いませんでしたが、今はこんな頻度でもやっていける。出勤していた頃はハンカチもワイシャツも、箪笥一杯買い置きしてあっても、忙しい時期は足りなくなるほどでした。殊にハンカチは、毎時間チョークで汚れた手を洗うので、薄い女物は役に立たない。父も弟も色物のハンカチは使わなかったので、頂き物の色物ハンカチは私に払い下げになりました。それゆえ大判でしゃきっとした木綿ハンカチを常用していたのですが、ふと、アイロンを滑らせながら、生地が薄くなっている気がしました。つまりそれは、働いた年月の証明なのだ、と思って、ひそかに自分をねぎらいました。
今秋の東京は雨天続きで、日照が殆どなく、重く、暗い日が続いています。このところ思うようにいかない課題の始末を、そろそろつけなくてはなりません。色とりどりのハンカチをアイロンで延ばしながら、ひとつの決断をつくりあげていく時間ー窓を開けていても時刻の移るのが分かりません。決めたことをどう落ち着かせていくのか、どう説明すれば納得して貰えるか、何を胸にしまって何を指し示すか・・・そしてどうしたら、その後もうまく滑っていくようにできるか。
未だ全ては見えませんが、ハンカチの山を畳む頃には、決断の後ろ姿を、おぼろけながら想像出来そうな気がしてきました。雨は止んだようです。