2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

信濃の旅(2)

28~30日に信濃国を訪ねました。第一の目的は、塩尻にある友人の弟夫妻(仮にシンさん、カエさんとしておきましょう)のお庭拝見です。30年間住んで、子育てもした自宅の庭を拡張して薔薇を始め花々や果樹、野菜を育てているとのこと。 蔓薔薇の門 淡…

信濃の旅(1)

2泊3日で長野へ行ってきました。新緑が眩しく、天候に恵まれ、春から夏へ季節が遷った3日間でした。車窓からは麦秋の畑が多く目につきました。 1日目は上田からやって来たミナト君の一家4人と逢いました(これが今回の旅の目的の1つ)。友人の妹さん夫…

ウクライナの歴史

黒川裕次著『物語ウクライナの歴史』(中公新書)を読みました。初版は2002/8に出ていて、私が読んだのは12版(2022/4)です。20年も前の、と思う人もあるでしょうが、却ってそれがよい。今回のロシア侵攻を知らずに書かれたのに、ロシアは同じ手口を繰…

阿波国便り・桑の実篇

徳島の原水さんから、「暑くなり、そろそろ日中の散歩がきつくなってきました。快適な季節はあまりにも短く、人生また然りです」と写メールが送られてきました。 赤い桑の実 【郷里の隣は龍野という田舎町で、三木露風の生地です。そのため「赤とんぼ」に出…

語句分析から考える平家物語

城阪早紀さんの論文を3本読みました。①「『覚一本平家物語』の「まさなし」と「うたてし」」(「同志社国文学」95 2021/12)及び②「『延慶本平家物語』の「まさなし」・「きたなし」と「うたてし」」(「同志社国文学」96)、③「平家物語「あさましき」…

手編みのショール

毛糸のショールを洗いました。極細毛糸の濃いピンクと、白地に紅で縁取りした、ゆるい指編みの2枚です。母の親友だったという人から、贈られました。 その人と初めて会ったのは、母の五十回忌の代わりにホテルで開いた、偲ぶ会の席上でした。母方の従姉たち…

時代遅れのロックバンド

昨夜、食後に半ばうつらうつらしながら、Nスペ「音楽でたどる沖縄50年」という番組を視ました。目が覚めました。知らなかった!この頃、現代史のドキュメントを視てそう驚くことが多くなりました。同時代の渦中を歩んでいると見えなかったこと、点でしか無…

川越便り・大小庭造り篇

川越の友人から来た庭自慢の写メールです。見覚えのある花も多い。 紫蘭 我が家の紫蘭は、抜き捨てられていた1本を拾ってきて植え、ほぼ10年近く待って、ようやくここ2年ほど花が咲くようになりました。しかし今年はいくら待っても芽が出ません。同じ鉢…

コロナの街・ part 37

ちょっと遠い大手スーパーへ出かけました。ワンコインバスの時刻表を暗記し損ねていて、15分ほど早い。カフェの前のベンチには、若い女性2人が寛いでいます。詰めて貰いました。学生か新人OLという年格好ですがいかにも暇そうで、そのうち化粧を始めまし…

『今鏡』後三条紀の構造

蔦尾和宏さんの「『今鏡』後三条紀の構造」(「国語国文」4月号)という論文を読みました。歴史物語『今鏡』は、後三条天皇に対しては他の天皇よりも多く筆を費やし、すべらぎの上巻・中巻の「司召」「手向け」「御法の師」の3章を充てていますが、なぜか…

川越便り・庭園篇

川越の友人から、車でオープンガーデンを観に行ってきた、とメールが来ました。 【今日は久しぶりに晴れたし、日曜日なので、深谷市のオープンガーデンを見学に行ってきました。深谷市は埼玉県では花卉栽培の盛んな土地で、県の花木流通センター(業者向け)…

漢字への礼儀

昨日今日のニュースで、法制審議会がまとめた、戸籍に氏名の読み仮名を記載する際の許容基準に関する中間試案が報道され、3つの案の中、最も制限の厳しい案でも、漢字の意味合いに関連性がある読み仮名は認めるとして、例えば「空」(スカイ)や「光宙」(…

地方創生

用があって、久しぶりに東京駅へ出かけました。直行直帰を心がけましたが、駅通路脇にある紀伊國屋にだけ寄りました。東京駅構内のコンビニは、地方の新たな名産品のアンテナショップの趣があって、各地で開発された新商品が置いてあるからです。外から見え…

ゆっくり行きます

山本栄美子さんが最近書いたものを持って、訪ねてきました。山本さんは平成18年度、東京大学大学院博士課程でこの奨学金を受け、生命倫理学を専攻しました。論集『明日へ翔ぶ―人文社会学の新視点― 1』(風間書房 2008)には、「学問における「主観性」と…

阿波国便り・春愁篇

徳島の原水さんからメールが来ました。【無職の人間には煩わしいだけの連休がやっと終わりました。そしたらまたコロナ感染者数が増加に転じました。いたちごっこです。 30年以内に南海トラフが起こると言われてから、もう20年ほど経つのではないでしょうか。…

通貨切り替え

一昨日から至急の仕事があって半徹をしました。どうにか終わったので、夕食後ぼんやりNHK-TVを視ていたら、ニュースキャスターが那覇の国際通りから、沖縄特別予算のために沖縄の経済が育たない、という報告をしていました。続く裏話発掘番組では、復帰当時…

薔薇の名前

川越の友人から、続々写メールが来ました。 【夜の間の雨があがった隙に写真を撮り、気になって植木鉢の数を数えてみました。バラは31鉢、山野草などの鉢が65ありました。いつの間にか増えています。山野草は基本的に肥料をやる必要がないし、虫の心配もなく…

医院の薔薇

年末の健診でコレステロール値が高い(LDL173、区の基準値は70~139)、とかかりつけ医からしきりに服薬を勧められました。なるべく常用薬を作りたくない。もともと年齢や体格によって望ましい数値は異なるはずなのに、一律の数値になるよう化学的操…

建築の多様性と公共性

わけあって、九州大学開学111周年記念式典をYouTubeで視聴しました。式典前には学生オーケストラの記念演奏、司会はやはり学生の放送部員、すっきりした儀式でした。総長は72歳だそうですが矍鑠たるもの、かすかに九州なまりのあるのが懐かしく、卓越だ…

宋版一切経調査提要

福州版一切経調査研究会編『宋版一切経(福州版)調査提要―本源寺蔵の調査を通して』(勉誠出版)という本が出ました。編者の研究会員は故渡邊信和さんを含め10人の名前が挙がっていますが、本書は牧野和夫さんや高橋悠介さんが中心になってまとめられたと…

忘れた頃に

自分の所属政党を「ぶっ壊す!」と叫び、郵政民営化を唱え、「刺客」と呼ばれる候補者を各地に立てて選挙に勝った政治家がいました。爾来、郵便事業は民間企業になりました。あれから10年ー働き方改革と称して、土日祝日の配達を止め、翌日配達を止め、そ…

信濃便り・かまつか篇

長野の友人から、5年越しに育てたカマツカの花が咲いた、と写メールが来ました。 カマツカの花 【気温も上がり、武家屋敷のお土産用苗木はどんどんはけているようで、供給作業で忙しくしております。我が家でも、実生の苗から育った鎌柄の花が咲きました。…

六代勝事記の和歌

吉野朋美さんの論文「『六代勝事記』の和歌について」(「藝林」71:1)を読みました。六代勝事記は高倉天皇から6代、後堀河天皇までの間に起こった「勝事」(社会的大事件。あってはならぬ事、というニュアンスを帯びる)について、感慨を交えながら記…

川越旧友旅行

川越の友人の車に便乗して、遠山記念館にテーマ展「源頼朝の時代ー平治物語と源平合戦」を観に出かけました。3年ぶりくらいの遠出です。平日なのに、川越の町は若い観光客で賑わっていました。遠山記念館は田園の中、車なら川越からすぐですが、公共乗り物…

源平の人々に出会う旅 第64回「市川市・千葉県の頼朝伝説」

治承4年(1180)8月、石橋山で惨敗した頼朝は船で房総半島に渡り、千葉一族を味方に付けて再起しました。安房国から上総国を経て下総国に入ります(『吾妻鏡』)。そのため、下総国府(市川市国府台)周辺には頼朝伝説が点在しています。 【白旗天神社】 市…

時を超えて

一昨日の晩、NHKニュース、民放ニュースショー、そしてNHKの特番と続けてウクライナ報道を視ました。ロシアの戦時教育の映像には既視感がありましたー無垢な子供たちが誤った情報に基づき、軍国主義に染まっていくのは、80年前の日本でそっくり起こってい…

日本国憲法2022

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に…

海の見える杜美術館

広島の宮島口近くにある、海の見える杜美術館では「平家物語絵―修羅と鎮魂の絵画」と題する特別展を開催しているそうです(5月15日まで)。http://www.umam.jp この美術館は、豪華な絵画資料や香水瓶のコレクションなどを所蔵しているので有名です。今年…

短詩形で祈る平和

日ごろから、日常詠としての俳句や短歌がどれだけ時事に対して批評性を持てるのかに関心があるので、ここ3週間の朝日俳壇・歌壇の当選作に注目してみました。戦争詠は当然ながら次第に増え、切実さが増していますが、選者によって差異があり、投稿歌壇(俳…