入梅の1日

楊梅(やまもも)を煮ました。マンション敷地内の植え込みから収穫して、希望者に配られるのです。果実酒に漬けるのが定番でしょうが、我が家では薄い砂糖水で煮て、煮汁を冷やして飲むことにしています。黒赤色になるまで熟した実を生で食べるのが本来なのですが、入梅したので雨で傷むし、晴れれば鳥につつき落とされるし、というわけで未熟な実も混じっているため、大半を煮ました。シロップは淡紅色で美しく、きりっとした甘酸っぱさと果実の香りが、この季節のだるい疲労を癒やしてくれます。

別荘で採ってきたから、と山独活を頂きました。葉もふさふさと茂った、野趣満点の数本です。我が家は近年揚げ物をしないので、葉や枝先をどうしようかと考えました。胡麻和えにするにはもう歯当たりがきつい。葉や小枝は茹で、葉柄は塩摺りして、醤油に漬け込みました。一晩経って味見をしたら、いけます!生ハムなどと付け合わせれば、食卓に季節の香りが立つでしょう。勿論、酒肴にもよし。

我が家では例年数輪しか咲かない実生の石榴が、今年は木全体に花をつけ、1個だけですがきちんと石榴らしい形の(希臘の甕の形です)実が、日に日に大きくなってきて、楽しみです。梔子の蕾も膨らんできましたから、強欲な鵯を警戒しなくてはなりません。梅雨空にはコリウスの葉が映え、バジルの葉を触ると甘い香りが立ちます。

咲き終わった素馨花の剪定にかかったら、蔓が複雑に絡んでいてけっきょく7割くらいを剪り払うことになり、エノキさんから心配されました。多分、大丈夫(だと思いたい)。観賞用パプリカの種子を播き、びっしり芽が出ました。去年の暮にも菊の鉢の隅からパプリカが自然に芽を出し、移植して育てたら、妙に実が大きい。ピーマンだったのです。鉢には野菜を洗った水をやっているので、種子が混じっていたようです。