香りの癒やし

梔子が咲き始めました。すでに街のそこここで、咲いているのを見かけますが、我が家の4株はやっと今朝、1輪咲き、明日から1輪ずつ咲きそうに蕾が膨らんできました。20年以上前、職場の同僚から切り花として頂いた枝を挿して育てた株です。鉢が根詰まりしているのは分かっているのですが、これ以上大きな鉢は私が運べないので、年々枝先を切り詰めて、過酷な環境で咲かせています。

一番花は剪って仏壇に上げます。微かな香りが室内に漂い、殊に夜、灯りを消した中でふと香りに気づく瞬間は、至福の時です。4月の素馨花と6月の梔子とは、我が家の窓辺が香りに満たされる季節。今年はバジルの苗を買ってきて、地上に置くと虫がつくので窓辺の台上に置き、数日おきに葉を摘んではミニトマトやトレビスのサラダに混ぜました。丈は7~8cmしかない苗なのに、微かに甘い香りを放ちます。ベランダでふと、これはどの花が匂うのだろう、と探し回って、実はバジルの苗だったと判明、香りによる癒やしは格別です。

コリウスがぐんぐん大きくなって、葉の彩りも鮮やかになってきました。買った時は、貧弱で心配するような苗で、ポットに土を足し、暫くしてプランターに定植した時は隙間だらけ、もう2株買ってくればよかったと思ったのですが、今やはみ出しそう。立派な苗が育った時よりも、貧弱な、萎れかけた苗が大きく、立派になった時の方がずっと嬉しい。一昨日買ってきた日々草の苗も、長いこと店内に置かれていたらしく、枝が捻れたりしていますが、我が家で燦燦と日に当て、日ごと健康になるのを楽しんでいるところ。

2番目に咲く梔子は、毎年、肉屋の女将に届けます。実家に大きな梔子の樹があった、と懐かしがってくれるからです。