2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧
青山墓地へお参りしました。母方の祖父母の墓には樒の古木の花が咲き、しんとしていました。30代で亡くなった友人の墓の前には河津桜が満開で、目白がつつき落とした花がふんわりと散り敷いていました。当時小学1年だった娘とその娘2人(今は小学生)と…
あるプロジェクトが完結したので、主力メンバーで女子会をやりました。街の小さなロシア料理店。無愛想な親父一人でカクテルも料理も作っている店を一晩借り切って、年齢幅約30年の同窓9人が、遠慮なくお喋りし、笑い、満腹になりました。 プロジェクトの…
朝10:30に電話がかかってきました。聞くからに偽物っぽい営業口調で、文京区役所の✕✕課の大谷と名乗り、12月に国民健康保険医療費のお知らせを送ったが確認したかと言う。「見たが一々確認はしてない」と答えたところ無言電話になり、1分も応答がな…
加藤静子さんの「『栄花物語の誕生―女房たちのネットワーク-」(「むらさき」2016)を読みました。加藤さんにはすでに『王朝歴史物語の生成と方法』(風間書房)、『王朝歴史物語の方法と享受』(竹林舎)の大著があり、これは講演録なので話が飛んでい…
國學院雑誌3月号を読みました。伊藤悦子さんの「久留米文化財収蔵館寄託「合戦絵巻」について」が載っており、「平治物語絵巻」六波羅合戦巻の新出模本について考察しています。この資料は伊藤さんが2014年に自分で調査して発見したものですが、同年、…
池澤夏樹個人編集日本文学全集の『平家物語』(河出書房新社)をひろい読みしました。訳者古川日出男さんの作品を読んだことがないのですが、現代語訳は一言で言うと、騒々しい。改めて古文のもつ可能性を知らされました。しかし古川さんの「前語り」や月報…
校歌を歌う季節になりました。古い校歌には、別の学校とそっくりな歌詞がよくあります。私の出た中学の校歌は、「見はるかすもの 清らなる ここ文京の 丘の上」で始まりましたが、58歳で赴任した大学の校歌の出だしも、地名以外はほぼ同じでした(作詞者が…
今日は近所の小学校の卒業式だったようです。校門前を通りかかったら、隣家のお父さんから照れながら挨拶されました。ここへ越してきてすぐ生まれた男の子が、もう卒業。きいきい泣いてうるさかったのが、エレベーターのボタンを押して待っていてくれるよう…
『ともに読む古典 中世文学編』が出来上がりました。笠間書院の新刊予告で冒頭の6頁を試し読みできます。そろそろ春休みに何を読もうかとお思いの先生方が手に取れるように、という日程で進めてきたのですが、本は出来たものの流通網に乗せるのに手間取って…
出光美術館へ古唐津展を観に行きました。180点近い展示品は素晴らしく、唐津(からつ)にもいろいろあるのだということが分かりました。殊に絵唐津柿文三耳壺(柿の木を描いた壺)や絵唐津葦文四方口向付(葦を描いた食器)など、ささっと描かれた渋い鉄…
雑誌「解釈」の1・2月号の研究余滴「半井桃水と横川唐陽」(佐藤裕亮)を読みました。漢詩人横川唐陽(実名徳郎 慶応3~昭和4)は陸軍の軍医を勤め、森鴎外とも交遊があった人です。佐藤裕亮さんにはすでに『鴎外の漢詩と軍医・横川唐陽』(論創社 2016…
明翔会の第二回研究報告会が駿河台記念会館で行われました。研究発表10本と講演1本、ぎっしり詰まった時程でしたが世話役の準備がよくて、一通り終えられました。聴衆は30人強、分野の全く異なる会員相互も質疑応答ができ、有益でした。 列女伝を教材に…
『明日へ翔ぶ―人文社会学の新視点ー 4』が出ましたので、東京ステーションホテルで出版記念会が行われました。さまざまな分野の新進研究者や博物館学芸員・高校教諭・会社員・公務員、起業家もいて、会場は20代30代のパワーで満杯でした。来賓の小長啓…
お土産に小川軒のレーズンウィッチを頂きました。子供の頃、父が持ち帰って食べさせてくれた時は、世の中にこんな美味しい物があるのかと思いました。今では似たようなレーズンサンドクッキーがあちこちで出ていますが、当時は小川軒だけ、1日に作る数も限…
ネットを調べたら、実生の桜を育てている人は多いのですね。やはり日本人にとって桜の木は特別なんだ、と今更のように感心しました。 宇都宮に勤めていた頃、図書館増築のため大島桜の古木が伐られることになりました。惜しんでも保存はできないとのことで、…
櫻井陽子さん・鈴木裕子さん・渡邉裕美子さんの共著(校正は鶴巻由美さん)『平家公達草紙』(笠間書院)を読みました。平家公達草紙は白描絵巻の一部が残っている3種の掌編物語の断片ですが、この本は編者たちと編集者が楽しみながら作った本です。源氏物…
多ヶ谷有子さんの論文「アスコラットの乙女と有子内侍」(関東学院大学英語文化学部会誌OLIVA23)を読みました。アーサー王物語の中で騎士ランスロットに叶わぬ恋をするアスコラットの乙女の物語と,源平盛衰記及び南都本平家物語の有子内侍入水記事…
必要があって、日比義高さんの『いま、大学で何が起こっているのか』(ひつじ書房)を取り寄せて読みました。ブログから生まれた本だそうです。 平成3年の大学設置基準大綱化の時、私は未だ現役でしたがちょうど転任したので、押し寄せる激浪の中で揉まれな…
朝食はパン食です、朝に米食を摂ると終日体が重い気がするので。スープと果物とソーセージ、それに開腹手術をして以来必ずヨーグルトを。入院したときに辛かったのは、朝、きりっと冷えた新鮮な果物を丸1個、という習慣が崩れたことです。誰にでも、そうい…
本2冊の編集・校正が終わり、我が家の鉢の草花にも目が行くようになりました。葡萄ムスカリが咲き始めています。何故か葉が長く伸びてしまうので、饂飩の中から顔を覗かせた小蝦のような感じですが、冴えた青紫の花房が可愛い。 ムスカリは1年でたくさんの…
伊藤慎吾さんの『中世物語資料と近世社会』(三弥井書店)が出ました。中世の物語、殊に草子や絵巻として制作されたものたちが、近世になって社会の中でどのように継承されていったかを考察した、528pという大部の本です。伊藤さんはすでに『室町戦国期…
『近世寺社伝資料『和州寺社記』・『伽藍開基記』』(和泉書院)が出ました。近世初期に成立した、大和及び畿内諸国の寺社縁起集成2本を翻刻し、解説を付した本です。永く地道な活動を続けて来た神戸説話研究会の活動成果ですが、こういう出入り自由な研究…
税務署へ確定申告書の検算・提出に行きました。往きには初めて近距離タクシーに乗ってみました。タクシーに乗る度に、料金制度の改訂後利用者の流れが変わったか、アンケートしてみるのですが、毎度「いやあ、変わらないねえ」という返事です。2km以内で…
鹿ヶ谷の変以後、反平家の動きが活発になると、清盛は福原(神戸市)から軍勢を率いて上洛し、太政大臣以下40余人を解官、関白藤原基房を備前へ配流、後白河法皇を鳥羽殿(城南の離宮)へ幽閉します(治承三年(1179)の政変)。【城南宮】 鳥羽殿は白河・鳥…
東京の春は午後から曇る、という書き出しで作文を書いてひどい点を貰ったことがあります。高校時代、英語の教科書で教わった「意識の流れ」という手法を試みた心算だったのですが、国語教師からは趣旨不明瞭な文章との批評を頂戴しました。今でもこの季節に…
雛人形をしまいました。 草の戸も住み替はる代ぞひなの家 とは、芭蕉が奥の細道の旅に出るために庵を引き払った際の発句ですが、以前は単なる挨拶の句だとしか理解できていませんでした。この頃になって、その感慨が身にしみる気がします。 家の住人が代わり…
3月19日の明翔会第2回研究報告会の発表要旨です。たいへん広範囲な分野にわたる報告会なので、どれか関心のある部会だけでも参加して頂ければ幸いです。会場は駿河台記念館(千代田区神田駿河台3-11-5)。 ■第一部会 美学・美術史■ 9:10―11…
人文系大学院生の論文19本を収めた論文集『明日へ翔ぶ―人文社会学の新視点―』第4集ができあがりました。全458頁。主な内容は以下の通りです。お問い合わせは風間書房(電話03-3291-5729)まで。 口絵(松尾金藏)「武漢の風景」、「卓上静…
1年近くかかって『ともに読む古典』の制作が峠を越えました。なぜこの本を出そうと考えたかというと―近年、文学教育の危機が叫ばれ、メディアや学会はそれぞれに努力をしているものの、現場の教員や生徒たちにどれだけ役立っているか、その琴線に触れること…