2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

あんみつ

区役所へ用足しに行ったついでにスーパーへ、叔母の命日の御供物を注文しに行きました。戦後、女手一つで3人の子を育て、地元福岡市の母子家庭福祉にも尽力した人です。大家族を率いて威厳があったので、兄に当たる父は、「昭憲皇太后」と渾名していました…

人と書と

田代圭一さんの『人と書と―歴史人の直筆』Ⅱ (新典社)という本が出ました。田代さんは宮内庁書陵部にお勤めで、書誌学に詳しく、ご自分でも書をたしなまれるので、いろいろな形式の、先人の書の写真を贅沢に掲げ、解説をつけて、2冊目として出されたのです…

乱舞の中世

沖本幸子さんの『乱舞の中世』(吉川弘文館 2016)と『今様の時代』(東大出版会 2006)を併せて読みました。面白かっただけでなく、いかに芸能研究が沃野であるか、また自分が最新の研究動向に疎くなっていたかを思い知らされました。 同時に平家物…

沈丁花

郵便局へ用足しに行ったら、児童公園の植え込みの沈丁花の蕾が目につきました。庭木にもはやりすたりがあるようで、一時期はどこの垣根にもあり、一期校の入試の頃(3月上旬です)咲き始める花でしたが、今は珍しくなりました。 高校2年の時、部活でいわゆ…

ワッフル

同い年の友人と会って、この春計画している小さな集まりの打ち合わせをしました。街は冷蔵庫の中のようです。昨夏開店した、ワッフルが売りのカフェに入りました。友人はこれから新年会に行くというので、1皿を分け合うことにしたのですが、けっこう量があ…

お濠の氷

記録的な大寒波到来なのだそうで、我が家ではベランダのジュリアンの花が凍ります。花弁の厚い種類やビオラは平気なのですが、薄いひらひらした花をつける種類は、朝から萎れ、立ち直るのにほぼ一日かかります。今年は8株も植えてしまったので、室内へ入れ…

息が大気になるまでに

ポール・カラニシ『いま、希望を語ろう』(田中文訳 早川書房)を読みました。壮絶な本です。邦題はよくない。「When breath becomes air」が原題。帯にある「末期癌の若き医師が家族と見つけた生きる意味」などという美談めいた、いかにも…

この雪いかが見る

同い年の友人から、メールが2通来ました。書いてある用件はほぼ同じなので、さては呆け始めたかな、と読み直したら、2通目には「昨日の雪はいかがでしたか」という1文が入っていました。 そういうわけか、と返信を書くために『徒然草』正徹本を取り出して…

高下駄の雪

雪の翌朝は(出勤の苦労がなければ)、何故か浮き浮きし、遠いことを思って懐旧的になります。子供の頃、湘南に母方の実家の別荘があって、その離れに間借りしていました。大雪の朝、母屋から従姉の1人が高下駄を履いて様子を見に来ました。小さな離れでし…

積もる雪

東京は予報より早く雪になりました。細かくてせっせと降り続ける、積もる雪です。 鳥取に赴任して初めて雪が降り出した午後、いつものように研究室で仕事を片付けていたら、向かいの部屋の助教授(菅原稔さんです)が扉を叩き、この雪は積もる雪だから早く帰…

野中の一軒家

我が家の西側にマンション建設が進んでいるのですが、あまりに乱暴な音を立てる(8階建ての足場の上から鉄パイプを投げ落とすなど)ので堪らず、現場責任者を出せ、と掛け合いました。 未だ学生上がりのような若い監督で、しかもマスクをしたまま応対し、ほ…

大試験

俳句の季語に「大試験」というのがあります。卒業試験や入試などを指すらしい。春の季語ですが、現代では全国一斉のセンター試験が該当するでしょうか。南北に長い日本列島でこの季節に、秒単位で全国一斉の大試験というのにはそもそも無理がある、在宅端末…

新葉集の住吉歌群

君嶋亜紀さんの「『新葉集』の住吉歌群」(「国語と国文学」1月号)を読みました。住吉の松など、歌題としてはありふれたものだろうと読み始めたのですが、蒙を啓かれました。面白い。勅撰集にはもともと住吉関連歌群は多くないが、後嵯峨院期以降、大覚寺…

海を渡った日本絵巻

辻英子さんの『海を渡った日本絵巻の至宝』影印編・研究編(笠間書院)という本が出ました。辻さんの精力的なお仕事ぶりには頭が下がります。本書にはロシア、イギリス、アメリカ及び日本の貴重な絵巻と筆跡資料に関する研究と影印が載せられています。中で…

お年玉

お年玉年賀葉書の3等賞の引き替えに行きました。今年は8枚当選でした。以前はたかが切手シートの当選でも印鑑を要求されましたが、最近は申請書も職員が書いて済ませてくれるようになりました。永らく定番だった郷土玩具のデザインはもう種切れなのか、室…

成立伝承

和田琢磨さんの「今川氏親の『太平記』観」(『資料学の現在』笠間書院)と北村昌幸さんの「今川了俊の語り」(「日本文芸研究」2015/3)を読みました。和田さんの単著『『太平記』生成と表現世界』(新典社 2015)の関連部分も、併せて読みました…

一周年

このブログを始めてから1年が経ちました。ほどほどの規模で続けてこられたと安堵しています。歳時記のようだと言う友人や、料理の話が役に立つと言ってくれる知人もあり、励まされています。研究情報に御不満の方がありましたらお許し下さい。身の丈に合わ…

戦争をさせない

今年の年賀状の中には複数の、反戦・護憲アピールを書いたものがありました。高校の同期生(小児科医)からは「戦争させない・9条壊すな・総がかり行動実行委員会」の、学部の後輩からは「安倍9条改憲No!憲法を生かす全国統一署名」の呼びかけが送られ…

絵画の回廊

出口久徳編『絵画・イメージの回廊』(笠間書院)を読んでいます。このシリーズは、小峰和明さんの古稀記念のため大勢の人に少しずつ書いて貰うという方針らしく、本書も国内外22人の執筆者が顔を揃えています。それゆえ、いささか食い足りない感もありま…

軍記物語の窓

岡田三津子さんの論文「『参考源平盛衰記』淨書本の成立過程」(『軍記物語の窓 第5集』和泉書院)を読みました。『参考源平盛衰記』は、水戸の彰考館で、平家物語が史料として使えるかどうかを検証すべく編纂された書物です。元禄15年には一旦完成し、出…

トムヤムクン

トムヤムクンというスープがあります。酸味と辛みが調和した、タイのものです。あれに焼餅を入れると美味しい。我が家では小正月のお雑煮にします。この頃はパクチー(香菜)などもたやすく入手出来ますが、フリ-ズドライのスープに三つ葉を足せば十分。餅…

源平の人々に出会う旅 第13回「神戸・築島(経ヶ島)」

平忠盛・清盛父子は日宋貿易にも力を注いでいました。特に清盛は貿易のための港や航路を整備します。大輪田の泊り(神戸港)の改修工事もその一つです。 【厳島神社(兵庫弁天)】 承安3年(1173)頃、清盛は風の強い大輪田の泊りに防風の目的で築島(経ヶ島…

文旦漬

高校時代の同級生から電話がかかってきて、庭の柚子がたくさん生ったから送る、とのこと。宅急便の冷蔵で届きました。小粒だけどレモンイェローの輝きが美しく、早速仏壇に上げました。「柑橘類のピール」のレシピが入っていました(最初、ビールと誤読して…

昔の同僚

40年以上前の同僚から、年始の電話を貰いました。都立の農業専門の高校に勤めた時、親しくして頂いた先輩です。当時は農場担当の実習助手というポストがあり、教員制度改革の際には教諭になれる特典もあったのですが、断って、実習科目のみを教えていまし…

西郷兄弟

料理に何か異物が入っていたとき、どういう態度をとるか。子供の頃、味噌汁に髪の毛が入っていたので騒いだら、父親がこんな話をしましたー西郷さん(隆盛です)と弟(従道)が、ある家に招かれて、出された膳の吸物椀の蓋を取ったら、蓋の裏に蜘蛛の巣が張…

国際人

午後からワイジャンティ・セリンジャーさんが新年の挨拶にみえました。印度人ですが日本中世文学、特に源平盛衰記の研究をしているアメリカの大学の准教授です。目下、政治学が専門のご主人と小学生の子供2人と共に、早稲田大学に游学中。年末年始は日光、…

花びら餅

明日の来客のために、扇屋までお茶菓子を買いに行きました。冬は柚子餅が美味しいのですが、正月限定の花びら餅が出ていたので、外国人のお客にお雑煮のことを説明するのにはいいなと思い、両方包んで貰いました。 花びら餅は、甘く煮た細い牛蒡と甘い白味噌…

どこから行っても遠い町

川上弘美の短編集『どこから行っても遠い町』(新潮文庫 初版は平成20年)を読みました。知人のブログ(はてなブログ「歩いて、読む。」)で読後感想を読んで、私も読みたくなり、貸してくれと言ったら、わざわざ新本を買って送ってくれたのです。 連作の…

演劇

新年早々10代目松本幸四郎襲名公演が行われていることを忘れていて、TVに染五郎の義経が映り、えっ、ずいぶん細くみずみずしくなったな、と吃驚し、当年12歳の新染五郎だと分かって2度吃驚しました。ふっくらと、愛嬌が溢れすぎるようだったご本人は…

箱根駅伝

朝からヘリコプターがうるさいと思ったら、皇居の上と大手町の上を飛び廻っていたのでした。大手町―湘南海岸ー箱根を駆け抜ける駅伝のルートは、我が家の歴史と重なります(親が20~40代を過ごした茅ヶ崎、その後30年勤めた大手町、国際会議やゴルフで…