2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

野良猫を詠む歌

汲古書院の宣伝誌「汲古」82号に兼築信行さんが「野良猫を詠んだ歌―和歌研究者の愉悦―」というエッセイを書いています。編集後記によれば、古典研究会会員の学術的エッセイを、「涓涓滴滴」という欄を設けて随時掲載していくことになったのだそうで、その…

未解決事件

2日間に亘るNスペで、帝銀事件の関係者たちのドキュメントと再現ドラマを視ました。1日目を見終わって、暫く座を立てませんでした。自分の同時代史を、いかに知らぬままひとは通り過ぎていくことかーその衝撃に打ちのめされたのです。 まず松本清張につい…

法の水茎

高橋秀城さんの『法の水茎―和歌とおはなしでひもとく仏教―』(武蔵野書院 2021)を、ぽつぽつ読んでいます。高橋さんは大東文化大学の出身、現在は栃木県の真言宗のお寺普済寺の住職です。中世密教文学の研究者でもあり、故徳江元正さんがとても期待をかけて…

年の瀬の園芸

今年はビオラやパンジーの苗を買いそびれました。あんまり早くから出ていたので、その気になれずにいたのです。我が家は未だ菊が咲いていますが、さすがに正月に春の花がないのは寂しい。やむなく桜草を4株買って、植え込みました。例年、我が家の早春は紫…

民生委員

今朝の朝刊に民生・児童委員の人が投稿していました。2013年6月から災害対策基本法改正によって民生委員も避難支援等関係者に指定され、災害時の避難支援に関わらざるを得なくなったが、地域内の協力体制が整っておらず、民生委員自身が高齢である場合も多…

歯茎を褒められる

今日は口腔ケアの日。大手スーパーの近くなので、年越しの買物もしてしまおうと早めに出かけました。例年ならちょっと高級な食材や珍しい食品も物色するのですが、今年は最少限度必要な物だけを買うと決めていたので、30分で済んでしまいました。鯛スモー…

能古島

朝刊に、能古島在住の檀晴子さんのインタビューが出ていました。檀一雄の長男、太郎さんのお嫁さんです。檀一雄が亡父の級友だった話は以前書きました。太郎さんは私と同い年、未だ芸大の学生だった晴子さんと結婚した時、月極でお父さんから貰っていた生活…

メリー・クリスマス

いつの間にか冬至も過ぎ、気がつけば今夜はクリスマス・イブ。冬至には南瓜に因んだものを何か(パンプキンプリンとか、南瓜サラダとか)食べ、柚子の皮を削って味噌汁の吸い口にする、程度のことは毎年やって来たのですが、コロナのせいで社会的行事から遠…

コロナな日々 36th stage

年賀状を書いています。最も多かった時は600枚近く書いていましたが、いまはずっと減りました。今年頂いた葉書を見ながら書いているので、かつては若手だった仕事仲間たちが定年にさしかかっていることを再認識しました。 海外にはお年玉年賀葉書は出せま…

予算編成

小学校に入った時、教科書に載っている、年末の大掃除で畳を叩くお父さんの挿絵が理解できませんでした。その当時、年末は予算編成の時期に当たり、我が家では父はずっと帰宅せず、大晦日の除夜の鐘が鳴る頃、最終列車で帰って来るものだったからです。クリ…

曽我物語の絵画化

以前から気になりながら入手出来なかった『<曽我物語>の絵画化と文化環境―物語絵・出版・地域社会』(人間文化研究機構国文学研究資料館編 2016)が手に入り、①出口久徳さんの「組合せ絵入り古活字版『曽我物語』の挿絵をめぐって」、②宮越直人さんの「<…

コロナの街・part 44

新春に向けて花の苗を買いに出かけました。近所の花屋があてにならなくなったので、バスに乗って大塚駅前まで行ってみました。公孫樹並木の葉が落ち尽くした所、いま黄葉が真っ盛りな所、まだらな所と、通りによって違っています。今年は東京の紅葉がいつに…

発達障害

文科省の調査で、全国の公立小中学校通常学級の児童生徒中8.8%に発達障害の可能性があることが判明した、と報道されました(但しこの調査は、教員へのアンケートに基づいており、医師の判断は入っていません)。この10年間で6.5%増えた、とも。ネ…

軍事大国

もはや9条を守れ、などと言っている段階ではなくなり、いま日本は軍事大国になろうとしています。43兆円という数字はどこから出てきたのでしょうか。NHKニュースによると、これが実現すれば日本は、予算規模では世界4番目の軍事大国になるのだそうです。…

コロナな日々 35th stage

コロナワクチン接種5回目を受けました。高齢者は区の指定する日時、会場に出向くことになっています。今回はこれまでの区役所25階ではなく、我が家のすぐ近くの公共施設が会場でした。地域ごとに分散させたようです。空いていて、早めに行っても受けられ…

阿波国便り・茶葉篇

徳島の原水さんから、写メールが来ました。 大神子海岸 【写真は大神子海岸というところですが、沖にお亀磯という浅瀬があり、昔はお亀千軒といわれて栄えていたが、地震で一夜にして海中に没したとの伝説を伝えます。】 徳島の海 【「誰もいない海」(トワ…

平曲の表現

鈴木孝庸さんの①「平曲からみた木曽最期」(新潟大学「国語国文学会誌」57)、②「平曲における大音声について」(「古典遺産」71)を読みました。鈴木さんは実際に前田流平曲の語りを故橋本敏江さんから習い、この10月、師の七回忌に連続演誦一部平家…

昆布

出雲出身で日本史が専門の錦織勤さんと、北前船についてのやりとりが続きました。北前船の物産が来るか来ないかというのは、港の問題だけではない、というのです。 【高岡出身の学生が卒論で昆布を取りあげて、なぜ富山の1人あたりの消費量は日本一か、とい…

北前船

先日訪ねてきた鳥取の教え子から手紙が来ました。半日空いていたので、國學院大學博物館で役小角の展示を観て、面白かったとのこと。役小角は三朝の投入堂を造った伝説もあり、修験道の聖地大山のある鳥取人にとっては身近だったのでしょう。 鳥取大学が教員…

信濃便り・野沢菜漬篇

長野の友人から、いよいよ野沢菜漬け作業が始まった、とメールが来ました。 【12月は速足ですね。我が家も野沢菜漬けが始まりました。天日干し、悪い葉の除去、洗って漬ける、一連の作業に数日かかります。】 10kg、20kgという単位で漬けるらしいの…

関西軍記物語研究会105例会

関西軍記物語研究会の例会にオンライン参加しました。zoomと関西学院大学の会場とのハイブリッド形式です。オンライン参加20人前後、合計30人前後でしょうか。論文集『軍記物語の窓 第6集』(和泉書院)が出たばかりで、士気は揚がっていました。 1本…

九ちゃん

昨夜は偶々坂本九のヒット曲「上を向いて歩こう」と「見上げてごらん夜の星を」を語る番組を視ました(NHK「アナザーストーリー」、BSテレ東「昭和は輝いていた」)。居眠りしたり食器を洗ったりしながら断続的に視たのですが、知らなかったことばかりで、さ…

許されなかった表象は何か

大津直子さんの論文「許されざる表象―『潤一郎訳 源氏物語』(旧訳)の削除を再考する―」(同志社女子大学「総合文化研究所紀要」39)を読みました。大津さんは谷崎潤一郎が戦中戦後を通じて、改訳を重ねた源氏物語現代語訳の推敲過程を丹念に追って、毀誉…

先立たれると

花鳥社の社主橋本孝さんから、喪の挨拶が来ました。夏に老猫クーが虹の橋を渡り、奥さんが黄疸を発症、胆管癌の末期だったことが分かり、医療センターで病状を和らげた後は、自宅で息子さんと一緒に看取りをしたそうです。 しみじみとした文面なので、本人の…

コロナの街・part 43

大学病院に、眼科検診に出かけました。朝の家事を済ませて行くため、一番乗りの人たちの波が引き、午前中ぎりぎりに駆け込む人たちの波が来る前に入ると、いつもはさほど待たずにスムーズなので、今日もその心算で出かけました。前回より20分ほど早かった…

老い支度のこと

先日、30代で亡くなった旧友のご亭主から、電話がかかってきました。80歳を超えて、都営住宅の一人暮らし。脊柱管狭窄症の手術を受けてから足元がおぼつかなくなり、今住んでいるのはエレベーターのない3階なので、用心しいしい暮らしている、という。…

源平の人々に出会う旅 第71回「鎌倉市・実朝周辺」

建保7年(1219)1月27日、鎌倉三代将軍実朝が鶴岡八幡宮で甥の公暁に殺害されました。公暁は実朝の首を持って逃走し、三浦義村に連絡を入れます。しかし、実朝の死を聞いた義村は落涙し、長尾定景に命じて公暁の首を斬ってしまいます。(『吾妻鏡』) 【鶴岡…

阿波国便り・ど根性篇

徳島の原水さんから、根性者の花を撮った、とメールが来ました。 千日紅 舗装の隙間に生えた植物を、「ど根性◯◯」と呼んでもてはやした時期がありましたが、いかに暖地の徳島とはいえ、これこそ千日咲く紅色の花ですね。千日紅も種類が多いようですが、この…

同志との会話

鳥取の教え子が訪ねてきました。お土産は銘酒弁天娘と手作りの干柿。日文協の大会に出て、東博の国宝展を観て帰るという。四方山の話をしましたー鳥取の思い出と近況、息子の進路変更、新学習指導要領下での授業、ICT活用に沿う国語教育や情報教育の実態、文…

米飯

宇都宮時代の教え子から(正確には彼の妻から)、新米3升が届きました。銘柄はコシヒカリですが、「かえる米」というブランド名になっています。同封されていたチラシによると、水田に蛙を住まわせて、雑草や害虫を退治して貰う、有機農法で育てたのだそう…