2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

痛快さ

高校時代、古文の授業で平家物語の「殿上の闇討」を読みながら、私は何だか痛快で笑ってしまいました。しかし教師(文学少女そのままの女性教諭でした)は、公家たちの「意地悪」を徹底して嫌悪し、ひどい!と評したのです。私は自分も「ひどい」人間になっ…

合理的

スパティフォーラムの茎が裂け、白い花苞が見え始めました。去年はとうとう咲きませんでした。古い株を抜き、切り詰めて植え直したのに、一向元気になりません。知人に分けた鉢は毎年咲いているとのことなので、こちらはそろそろ寿命か、捨てるかなどと考え…

2020説話文学会大会

ウェブ掲示板方式の説話文学会大会に「来聴」してみました。説話文学会のHPに前日から発表原稿(+資料)をアップしておき、当日は発表者ごとにスレッドを設け、書き込まれた質問に発表者が答える、というやり方です。メールを使える人ならば比較的容易に参…

太平記秘伝理尽鈔

久々に『太平記秘伝理尽鈔』が出ました(平凡社東洋文庫)。全10巻の中の5冊目です。本書は今井正之助・加美宏・長坂成行3氏の共著として、2002年12月から刊行され始めたのですが、2010年に加美さんが亡くなり、4が出たのは2007年でした…

美濃国便り

岐阜の中西達治さんから、菖蒲の写真入りの手紙が来ました。 [ここ数日、庭先でホトトギスの声が聞こえます。唱歌「夏は来ぬ」の歌詞に「五月闇蛍飛び交い」とあるように、皐月の風物です。今年は6月25日が端午の節句です。 子供の頃、歌っていた数え歌…

マイナンバー

区の広報を見ていたら、小さな字で「マイナンバー通知カードは5月25日に廃止されました」とありました。えっ!そんなこと聞いてないよ、と、通知カードを出して見ましたが、有効期限はどこにも書いてない。そう言えば特別定額給付金申請に必要な証明書の…

印度音楽

学部の4年次に、小泉文夫さんが出講されている音楽科の専門科目に、潜り込みました。上級生から、4年次は卒論だけでは辛いから、講義科目を何か受講しておくといい、と勧められたのです。 私は当時、アジア問題に関心があったので、史学科の東南アジア史と…

コロナの街・part5

朝、パートの管理人さんが掌一杯の楊梅(やまもも)を届けてくれました。専任の管理人から言われたので、とのこと。例年より少ないが仏壇に上げるには十分です。 短い原稿の書き出しに四苦八苦した後、夕方になって梔子の花を剪り、肉屋の女将に届けました。…

風のガーデン

川越花便り・軽井沢篇が来ました。軽井沢レイクガーデンへ、薔薇を追っかけて行ったそうです(それゆえ当分、○○新書も××新書も出ません)。 軽井沢のラビリンス・ローズガーデン 忙しく働いている間に、あちこちにテーマパーク風の回遊式庭園ができたのです…

若大将

TVの歌番組で、「君といつまでも」を歌う、往年の「若大将」を視て、その老いに胸を衝かれました。CMでは未だ若さを保っている映像が流れているのですが、よく聞かされるように、80歳を超えるのは一つの節目なのだと実感しました。 幼年時代、彼の実家のす…

コロナな日々 6th stage

楊梅の実や梅の実が落ち始めました。例年ならマンションの管理人さんが楊梅を収穫して分けてくれるのですが、今年はコロナで勤務体制が変わり、それどころではないようです。落ちた実を1つ拾って、硝子の盃に載せ、仏壇に上げました。父の幼年期、博多の街…

猫に関する疑問

外出を控え、人との接触を避け、はや3ヶ月。さすがに鬱屈し、起き抜けに、ツイッターの画像を見ることが多くなりました。空や花や、朝食の画像と共に、ペットの写真が多い。犬、猫に混じって時々変わったペットが出てくるのも面白いのですが、猫の写真を眺…

私家集

蔵中さやかさんの「岩崎美隆旧蔵私家集の検討ー関西大学岩崎美隆文庫本『恵慶集』を起点として-」(関西大学国文学」104号)を読みました。私は全く門外漢ですが、和歌史研究会が総力を挙げて刊行した『私家集大成』は、営々と購入、今も書庫の奥で眠っ…

スペアミント

スペアミントを探しています。1枝失敬しようと思って・・・。 暑くなってきたので、今年のこまめ水(熱中症予防水)を試作し始めました。レモンの輪切りと塩水で作るのが定番ですが、輸入レモンの皮に残る添加物に、いまいち不安があります。桜花の塩漬に砂…

軍記と語り物56

軍記・語り物研究会の機関誌「軍記と語り物」56号が出ました。前号は大会講演録2本だけだったのに対し、今号は昨夏の大会の研究発表4本が載っていて、機関誌の任務を果たしています。大会シンポジウム報告は「紀南の海と中世の戦乱ー熊野水軍と安宅氏・…

紫陽花の頃

川越の友人から、花便り・紫陽花篇が来ました。気がつくと、近所でもあちこちに、様々な種類の紫陽花が植えられています。色も萼(花弁に見えるのはじつは萼です)の形も多種多様。しかし近くに同じ品種が何本もある時は、挿し木で分けたのかもしれません。…

読後感4-1

豊田の大森さんから、メールが来ました。 [軍記物語講座第四巻『乱世を語りつぐ』を拝見しました。私世代の人間は、笹川さんや小林さんの視覚と手法に親近感をおぼえます。山上さんの論も近しく拝見しました(笹川祥生「「戦国軍記」の範囲」・小林健二「十…

信濃便り・巨石信仰篇

長野の友人から、塩尻の林道を散策した写メールが来ました。 塩尻の林道 [弟が定年退職後、ボランティアで果樹園の農作業をしています。果樹園は塩尻市内から車で10分ほどの、霧訪山(1305 m。塩尻市のHPでは「きりとうやま」。「きりどうざん」とも)の山…

コロナな日々5th stage

蒸し暑い日が続き、マスクは店に入る前に掛けることにしました。道中苦しいからでもありますが、政府の緊急事態宣言が止んだ途端に若い男子のマスクなし姿が増え、歩きながら、思わず心中で咎め立てする自分が嫌になるからです。今のマスクは、(自分がもし…

阿波国便り

徳島の原水民樹さんから、DVDが送られてきました。『保元物語』崇徳院関係と、『平家物語』にまつわる伝承地の写真が収められていました。 小宰相供養塔(鳴門市) 小宰相は平通盛の愛人で、平家都落に同行しました。一ノ谷合戦の前夜に、それまで子のなかっ…

北条九代

田辺旬さんの「北条「九代」考」(「年報中世史研究」45号)という論文を読みました。従来、北条氏嫡流の家督(得宗)は時政・義時・泰時・時氏・経時・時頼・時宗・貞時・高時の九代とされてきたが、鎌倉期においても得宗は九代と数えられていたのか、北…

体験的電子事情・会議編

オンライン会議を体験しました。Google meeting経由です。2回の本番の前に予行演習の機会は3回もあったのですが、何しろPCの初期設定は他人任せ、初めの2回はカメラが作動せず、3回目はOKで、本番の1回目になりました。 PCを起動し、会議のコードナンバ…

西瓜

今年初めての西瓜を食べました。初物は75日命が延びる、と祖母たちはよく言いましたが、新しい季節に巡りあう喜びをそう表現したのでしょうね。スーパーの店頭で安かったから(コロナ対策か、透明の袋に入れて売っていました)ですが、仏壇に上げて喜ばれ…

廃業

5月のGW明け、Ⅰ枚の葉書が舞い込みました。かかりつけの内科から、閉院しました(4月30日に)という知らせです。えーっ!突然。長年のカルテはどうなるの?新しいかかりつけ医に渡すようにと、呉れるもんじゃないの、ふつう?頭の中を疑問符が渦を巻きま…

薔薇づくし

川越薔薇便り第3報が来ました。彼は暇さえあれば(なくても)、あちこちの花園を訪ね歩いているらしい(当分、編集者たちは待つしかない)。一昨年の年賀状は、まるで全国の薔薇園DBのようでした。若い頃は皐、中年時代は山野草に凝っていましたが、最近は…

『乱世を語りつぐ』出ました

軍記物語講座第4巻『乱世を語りつぐ』(花鳥社)が出ました。内容は本ブログのお知らせカテゴリーにも出してありますが、花鳥社の公式サイトに詳しい目次が載っています。しおりには木下華子さんが「遁世者と乱世」、田中草大さんが「真名本の範囲」と題し…

出迎える花

川越から薔薇の写メール第2報が来ました。 ゴールドバニー これは木立性。大塚駅前には蔓性のものがあり、開花後、花弁が次第に白くなります。 プリンセス・ド・モナコ 南仏のモナコ公国では、公妃をプリンセスと呼ぶのだそうで、大公に見初められて妃とな…

源平の人々に出会う旅 第41回「紀伊田辺・湛増と弁慶」

元暦2年(1185)2月、讃岐国屋島で勝利した義経軍は、同国志度合戦の後、周防国(山口県)へ向かい範頼軍と合流します。 【闘鶏神社】 熊野別当湛増は、田辺の新熊野(闘鶏神社)において、源平どちらの味方につくべきかを占います。治承4年(1180)、以仁…

光くん

我が家には週1回、40代の女性が訪ねてきます。仮にエノキさんとしておきましょう。さまざまな「今どき」の話題を持ってきてくれます。私が日本古典文学を仕事にしていることを知っているので、先日、「いいね!光源氏くん」(NHKーGTV)というドラマが面…

川越の薔薇

園芸自慢の友人から、薔薇の写メールが来ました。例年、この時季にはハウステンボスなど薔薇の名所を訪ね歩くらしい。写真は川越の自宅の花だそうです。買い物のついでにローズガーデンへも寄ったが、未だ綺麗に咲いていた、とのこと。 川越の薔薇 花弁が巻…