2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

終日

冷たい雨の降った1日、終日、軍記物語講座第1巻予告のウェブ用原稿の校正に逐われていました。つまり、私にとっては、ふつうの1日でした。TVは終日、天皇退位の日、平成最後の日の中継(生中継できることは殆ど何もないのですが)で埋まり、普通のニュー…

お別れ会

有吉保さんのお別れ会に、日大文理学部へ出かけました。中世和歌と書誌学の大家です。受講したことはありませんが、何かにつけて可愛がって頂きました。ご自宅へ伺ったこともあり、端本の平家物語をぽんと下さったこともありました。若くてパワハラに苦しめ…

ダリヤ

最近は季節に関係なく、大輪のダリヤが流行っているようです。子供の頃、庭先に植えたダリヤは、葉が臭かったし、夜の間に黄金虫が花弁を食い散らし、芯が糞まみれになっていたりして、好きになれない花でした。ポンポンダリヤという小輪咲もありましたが、…

稽古照今

母校の国語国文学会公開シンポジウムを聞きに行きました。公孫樹並木で、大先輩の原道生さんに遭って、立ち話をしました。女流義太夫の会の会長になられたとか。忙しいので評議会に出ただけで帰る、と言われたので、私は居眠りしないように聞いてきます、と…

名物校長

新緑の季節。今から59年前の議事堂前の新緑の下は、デモの人波で埋め尽くされていました。60年安保改定の年です。私は都立高校に入ったばかりでしたが、放送部の部室で、上級生のいない時にその話が出ました。同級生の1人が、将来は国連職員になって平…

淡紫の園

暖かくなって、ビオラの花が小さくなり、アブラムシとの戦いが始まりました。今年は郭公薊の越年に成功した(もともと多年草だが、日本では露地では越冬できない、と知ったので、室内に入れたのです。秋に挿し芽したら、3鉢分も茂ってしまいました)ので、…

粟津のいくさ

城阪早紀(きさかさき)さんの論文「『覚一本平家物語』「木曾最期」考ー「粟津のいくさ」をめぐってー」(「国語国文」3月号)を読みました。義仲が粟津で死ぬ場面は、めのと子兼平の壮絶な自害の後、「さてこそ粟津のいくさはなかりけれ」(覚一本)とい…

誕生祝い

明日から天気が崩れるというので、給水所公苑へ出かけました。薔薇は未だ開花しておらず、藤と木香薔薇が咲き誇っていました。木香薔薇は、小枝1本でも素焼の陶器など素朴な器に活けると、よく似合います。木陰のベンチでは、老人が本を読んだり、スマホを…

源平合戦図屏風の諸本

伊藤悦子さんの論文「「源平合戦図屏風(一の谷・屋島合戦図屏風)」諸本の改変方法と関連資料ー『平治物語絵巻』や「平家物語扇面絵」などー」(「國學院雑誌」4月号)を読みました(この長すぎる論文名、何とかならなかったのか)。力作です。絵画資料は…

龍岡門から

マンション管理組合の総会に出ました。いつもと違って、会場は湯島地域活動センターだというので、早めに出かけ、近所の方と、一しきり今年の花見の話をしました。三春の滝桜がよかった、とのこと。今年は私も、神代桜がよかったと言えるので、盛り上がりま…

浜風

4月の風はさわやかですが、けっこう冷たい。未だ空のどこかで、残雪の峯を擦ってくるのでしょう。湘南で育ったので、浜風の記憶が呼び覚まされます。こんな風の吹く晴れた日には、砂山のくぼみに隠れるようにして、浜豌豆の濃紫の花が咲いているはず。弘法…

追悼番組

皮膚科を開業している従妹の診療所へ、アレルギーの薬を貰いに出かけました。一里塚のある街です。黄昏の中、新緑の匂いがたちこめ、躑躅が咲き出し、カーディガンを羽織って歩くと汗ばむ陽気でした。 従妹は鳥取大学の医学部を出て、フリーランスの麻酔医と…

天皇の装束

近藤好和さんの『天皇の装束』(中公新書)を読みました。近藤さんは有職故実の専門家です。まえがきに「本書は、天皇のファッション史を説くものではない。装束を通じて、天皇という存在を考えるための手掛かりを得ようとする」ものだと言っており、巻末で…

ノートルダム

ノートルダム大聖堂の火災のニュースには、思わず絶句しました。欧州の建物は石造だから火事には大丈夫、と思い込んでいたのに、肝心のところは木造だったのですね。巴里の人たちが、崩れ落ちる尖塔を見ながらアヴェマリアを歌う報道画面に、胸が痛みました…

死霊の表象

伊藤慎吾・中村正明共著『<生ける屍>の表象文化史ー死霊・骸骨・ゾンビ』(青土社)という本が出ました。帯には「死霊はどのように描かれてきたのか」「イザナミからゾンビまで」とあります。また総論の冒頭には、「<死>というものを即物的に<死体>と…

パン屋を探して

行きつけのパン屋が突然閉店しました。ショックです。いいパン屋と花屋と本屋のある街に住みたい、と思っているので、この街に引っ越して来た時に確かめておいたのですが、15年目にして本屋もパン屋もなくなり、花屋は代替わりして質が落ちました。毎朝パ…

八重葎

神野藤昭夫さんの『八重葎 別本八重葎』(笠間書院 中世王朝物語全集13)が出ました。校訂・訳注とありますが、実際は書名に「本文と研究」とでも付け加えておくべき本です。補注にも解題にも、この2つの作品の最新研究が、びっしり書き込まれているから…

拾う

放っておくと枯れてしまう、と分かった花や芽を、つい拾ってしまいます。4,5日前、小学校の脇に真っ赤なフリージアの花が抜き捨てられていました。誰かが、花を折ろうとしたら根元から抜けてしまったので、驚いて捨てたらしい。このまま放置すれば枯れる…

神代桜

友人の車で、北杜市の神代桜を見に出かけました。途中の山林の新芽や山桜、花桃などが目を楽しませてくれました。ところどころ一昨日の雪が残っています。お目当ての神代桜は満身是創痍といった状態で、花はすでに盛りを過ぎていましたが、さまざまな種類の…

台湾の平曲譜本

鈴木孝庸さんから、国立台湾大学図書館典蔵平家物語音譜本第一巻『平家物語節付語り本』(国立台湾大学 2018)という本を頂きました。台湾大学は、かつての台北帝国大学であり、近世から近代初期の和古書を多く所蔵していますが、その大半が未整理のまま…

棲み分け

眼科の定期検診に出かけました。冷たい雨の降る日で、杖と傘とを持つと手が混乱し、我ながらもどかしい。バス停の雨だれに打たれて、鷺苔が咲いていました。苔ではなくれっきとした草なのですが、地べたに這うように広がり、盆栽の根元に貼り付けると風情が…

国書

新元号の話題が、こんなにフィーバーするとは意外でした。明治・大正・昭和前期(戦前)・昭和後期(戦後)という区分は、何となく文化の違いも判って手放し難かったのですが、平成に入ると換算がめんどうで、元号に愛着が薄れました。しかし世界規模で見れ…

靴の苦痛とドレスコード

女性にパンプス着用を義務づける職場内規を糾弾、厚労省に企業への指導を求める署名運動が話題になっています。通勤用の婦人物スーツ(ポケットがない)や靴に関する不平不満は大いに賛同したかったのですが、ツイッターを読んでいくうちに、あれ?と思いま…

恩師の墓参

東京霊園へ、同窓の5人でお墓参りに出かけました。来年の3月25日が恩師の一七回忌なので、来年お参りに行こうと言ったら、もうみんな、思い立ったらその時にやっておくべき年齢だから、今年行こうよ、という話になったのです。最近は中央線に乗る機会が…

調査2日目

昨日に引き続き、終日源平盛衰記の調査をしました。今日は4人で、手分けして乱版と写本を見ました。数百年も前の紙と墨跡を見ながら、書写者の思いを感じ、彼がふと机を離れた瞬間をも推察できるのが書誌調査の理想、と何かで読んだことがあります。勿論、…

文献調査1日目

源平盛衰記の共同研究に便乗して、特殊文庫で終日、写本を調査しました。この写本を室町末期と判定している研究者がいるのですが、うーむ、と思われる要素がつぎつぎ出て来て、明日もう1日見ながら今後の方針を考えよう、と決めました。連れの2人も、調査…

吾妻鏡と平家物語

清水由美子さんの「『平家物語』と『吾妻鏡』―横田河原合戦記事をめぐってー」(中央大学文学部「紀要」274号)という論文を読みました。史実との乖離を指摘するだけでなく、歴史離れの意図の中に、本文の時代的変遷を見ようという立場から、諸本間で異同…

源平の人々に出会う旅 第27回「犬山市・磨墨」

寿永3年(1184)1月、東国の大軍勢が都に迫ります。この時、梶原景季(景時の子)は、頼朝に名馬生食(池月などとも)を所望しましたが、生食の代わりに名馬磨墨を与えられます。その後、頼朝は生食を佐々木高綱に与えてしまうのですが、高綱は景季に生食を盗…

夕桜

定期検診で歯医者へ行く前に、本屋へ寄りました。『逆流食道炎』というブックレット(わかさ出版 2019)を入手、待合室でぱらぱら読むと、思い当たることばかり。前屈みの姿勢が続く、早食い、ストレス、1日2食、夕食が遅い、おまけに腰痛のため枕を外…

播磨坂

長野の旧友が上京し、例年通り近場の花見に行きました。今年は彼女の妹さんも一緒です。まず伝通院で、大木2本と枝垂桜を観賞した後、バスで播磨坂へ行きました。ここ10年ほど毎年観に来ていたのですが、今年は満開で未だ散らず、人出も少なく、最高の花…