2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

明日へ向かって翔ぶ

明翔会世話役の小野寺悠子さんが、生後8ヶ月の第2子を連れて、第4回研究報告会の打ち合わせに来ました。明翔会は公益信託松尾金藏記念奨学基金の受給者による同窓会です。これまでに3回、自発的な企画・運営による研究報告会を開催してきました。論集『明…

信濃便り・善光寺篇

長野の友人から、客を案内して善光寺へ行ってきた、とメールが来ました。 善光寺からの眺望 【山門内の、幅が狭く傾斜が急な階段を3つのぼり、上層階にたどり着き、手すりにもたれながら長野市街地を眺めてから、近くの喫茶店でお喋りをしました。気がつく…

古活字探偵2

高木浩明さんの連載「古活字探偵事件帖2」(「日本古書通信」1123号)を読みました。「欠損活字を探せ!」と題して、古活字版と整版の見分け方の秘訣に、欠けた部分のある活字が複数回使用されている箇所を見つける方法がある、と実例を挙げて述べています…

自由が丘

昨日の朝刊(朝日)の東京欄に、「自由が丘にバンクシー?」という見出しの記事があり、斜め読みしたら、見覚えのある固有名詞が幾つも出てきたので慌てて読み直しました。30代に横浜の青葉台に住み、近所には同年代の軍記物語研究者が何人もいて、勝手に…

明日へ翔ぶ6

『明日へ翔ぶー人文社会学の新視点ー 6』風間書房 2023/3/19刊 目次 モクソン版『テニスン詩集』におけるロセッティの挿絵について ………………淺野文香… 中澤弘光の「四季四部作」に関する一考察―主題と図像表現の解釈を中心にー ……………………長嶺勝磨… 「背徳の子…

極東国の使命

劇場型政治という語が流行し、現代ではある程度必然のようにも言われます。演劇人出身の某国大統領が、そのスキルを駆使していることは屡々指摘されますが、現米国大統領もなかなかの役者。いや、舞台の大きさが違う役者であることは明白で、ハグする瞬間(…

騒音トラブル#1

ツイッターを覗いたら、騒音トラブルという#ができていました。日常のトラブルに関して第三者が評価を下す(お互い寛容に、等)のは間違いです。これまでの経験は山ほどありますが、午前3時から朝までずっと鳴き続ける犬の家に、投げ文をしたこともありま…

中世歴史物語

福田景道さんの『中世歴史物語の基幹組成ー『増鏡』『梅松論』の文学史的研究ー』(武蔵野書院 2022/11)という大著が出ました。私は梅松論は通読したことがあるだけなので、増鏡に関する論述を主に読みました。全454頁、序編『増鏡』と『梅松論』 第1編…

JTB

西国へ出かける用ができ、航空券と宿の手配をすることになりました。ところがウェブで見ても料金体系が複雑、殊にホテルはグレイドや室の区分が分かりません。このところ科研費の旅行ばかりで自分で旅行の手配をしたのは久しぶり、以前はホテルの全室数と価…

2つの黒川本

黒川真頼という国学者(文政12=1829年~明治39=1906年)が所蔵していた書物の多くが、関東大震災で焼失したことはよく知られていますが、「黒川本焼失目録」には、保元物語(古写本・異本)や義経記(木活本)と共に、源平盛衰記(古写本 内策彦ノ筆ト…

山城便り・生涯の味覚篇

京都郊外で悠々自適の錦織勤さんから、庭に植えた蕗の薹の写真が来ました。 初めての収穫 【庭のフキノトウを見たら、もう開きそうだったので、あわてて収穫しました。成長に遅速があるようで、まだ小さいのもあったのですが、全部(といっても少量)収穫し…

地震見舞

日ざしのある内に郵便局へ出かけました。あちこちの軒下に梅の盆栽が出してあり、植え込みの沈丁花も1,2輪咲き始めていました。ピラカンサスの実は食べ尽くされたのに南天は残っていて、例年とは違います。鳥たちの嗜好が変わったのでしょうか。ここ数日…

命の感触

今朝の朝刊(朝日)のコラムで、繁延あづささんの「命の感触」を読み、そうそう、これこれ、と思ったので、書いてみます。コラムの内容は、ゲイと結婚した女性が彼の子を産み、2人で幸せに育てている話。写真家の繁延さんが取材したカップルなのだそうです…

分断

若い頃、年金は自分が積み立てている資金だと思っていました。自分の所得の平均×何割を目安に支給されるものと信じていました(今でも、いつの間にか制度が変わってしまったのだという気がしています)。それでも老後、年金だけで暮らせるか否かは分からない…

諸本論と語句分析

城阪早紀さんの『語句分析から『覚一本平家物語』と『延慶本平家物語』の相違を考える』(科研報告書20k21999 2022/3)と「『屋代本平家物語』巻一自立語索引」(「同志社国文学97 2022/12)を見ました。軍記物語諸本論の方法をどうにか客観的なものにした…

豊後便り・早春篇

別府で早い春を楽しんでいる友人から、写メールが来ました。 バレンタインデーという名の椿 【県立農業公園で、今日から椿まつりがあるというニュースが流れていたので、見に行ってきました。これはバレンタインデーという名だそうです。春は近いと感じます…

みんなは知らないこと

福田隆浩さんの『たぶんみんなは知らないこと』(講談社 2022/5)を友人から借りて読みました。作者は1963年生まれ、現役の特別支援学校教諭で、著者紹介欄によれば、児童文学分野の賞は3度目、課題図書・指定図書も出しているベテランで、本書も第60回野…

阿波国便り・眉山篇

徳島の原水さんから、久しぶりに眉山に登り、展望台から撮った、とメールが来ました。眉山は290mの低山ですが、万葉歌にも詠まれ、徳島県民の心のよりどころともいうべき山です。相模には大山(おおやま)、伯耆には大山(だいせん)、会津には磐梯山が…

ツイッターで雪見

エノキさんと、最近ツイッターが変だね、という話をしました。両人とも閲覧だけなのですが、オーナーが変わってから不具合が多くなり、広告が入り、やたらにアニメ画像が紛れ込むようになって、ごちゃごちゃして見にくい、と意見が一致しました。 「企業公式…

名簿

先日、NHKの「クローズアップ現代」で、闇世界に出回っている名簿について取材していました。うすうす予想してはいましたが、現実は遙かに上回っていて、仰天しました。異国の入国管理収容所からITを駆使して行われた強盗も、こういう名簿を利用したらしい。…

源頼政と平家物語

栃木孝惟さんの『源頼政と『平家物語』ー埋もれ木の花咲かずー』(吉川弘文館)を読みました。定年後の市民講座の講義録をもとにしたそうで、急がず対象を周回して行く栃木さんの文章を読み通すには覚悟が要るかなと思って読み始めたのですが、分かりやすく…

電子レンジで

食材に変化が乏しくなったので、播磨坂のスーパーに出かけました。路傍の紅梅は満開になり、水仙の白さが新鮮でした。坂を遠望すると、桜並木の梢がけぶって見え、蕾が大きくなり始めたのだな、と思いました。染織家の志村ふくみが、立春過ぎの桜の枝を煮る…

山城便り・蕗の薹篇

京都郊外に住む錦織勤さんから、昨年、苗を購入して育てた蕗の写真が来ました。 伏見で育てた蕗の薹 【だいぶ大きくなってきました。もう少しというところでしょうか。5~6個あります。毎年1回、家で採ったフキノトウが食べられたら、子供の頃を思い出し…

土曜日の詐欺電

土曜の朝9:30頃、電話が鳴りました。いつもは留守電にしてあるのですが、最近高齢者との電話のやりとりが多かったので、つい取ってしまいました。いきなり「○○様ですか」と言うので、「どちら様?」と訊き返すと、「文京区役所の××課の△□#です」と言う…

源平の人々に出会う旅 第73回「福岡県・平家伝説」

九州には壇の浦で亡んだ平家の落人伝説が多数ありますが、そればかりではありません。たとえば、都落ち以前に死去した小松殿重盛(清盛嫡男)の伝説が多いのも興味深いところです。 【七木地蔵尊】 七木地蔵は、久留米市長門石地区にかつて存在した両道院(…

母を送る歌

兼築信行さんの歌集『改元前後 2016-2019』(花鳥社 2020/9)を読みました。兼築さんは松江の旧家出身、平安後期から鎌倉期の和歌文学研究を専門としていますが、実母を故郷から引き取り、3年間の介護を経て2019年に見送るまで、Facebookに掲載してきた詠歌…

沙石集の世界

土屋有里子さんの『『沙石集』の世界』(あるむ 2022/10)を読みました。沙石集は尾張の長母寺住職を43年間務めた無住(1226-1312)が弘安年間に著し、その後も改訂し続けた仏教説話集です。無住は僧医でもあり、梶原景時の末裔と言われています。幼年時は…

コロナな日々 37th stage

あんみつが届いた、と電話が来ました。今日が命日の叔母の家には無事間に合って、喜んで貰えたようです。ほっとしました。 横浜の老人ホームにいる92歳の従姉からも、嬉しいわ、との電話が来ました。送ってしまった後で、今は、ホーム内の友達とも一緒にも…