伊香保便り・アーティチョーク篇

蒸し暑い日が続く東京。昨夜は休肝日、麦酒でなく玉子スープで食事をしたら、軽い脱水症状になったらしい。ふらふらしながら朝のメールチェックをしていると、郵便小包が来ました。辻英子さんから、段ボール一杯の菩提樹の小枝です。干して湯を注げばお茶になりますが、干草のような独特の香りがあります。冷やして熱中症予防水にします。

伊香保の小家の菩提樹が満開となりました。かぐわしい香に包まれて6月25・26日の2日間を花摘みに明け暮れました。『日本霊異記』・『日本感霊録』研究の先駆者松浦貞俊先生(1904-1968)からいただいた幼木が、60年余経って大樹となりました。

むかし、森本治吉先生が「烏山の松浦先生(源正寺)を訪ねてごらん。仙人のような方だよ」とふとおっしゃったのは、大学院生のころでした。松浦先生からは、代わりに説話文学会の準備委員会に参加するようにとご下命がありました。当時先生は、恵まれない各地の子どもたちに個人的に文房具やお菓子を送ることをなさっていたようで、買い物にも何度かお伴しました。先生は大東文化大学勤務の傍ら、仏教語辞典出版の仕事に取り組み、故間中富士子氏が週末に原稿整理のお手伝いにきておられました。いまもかわらぬ香を放っている菩提樹の木陰に集った人々のことが偲ばれます(辻英子)】。

花咲く菩提樹

菩提樹の花のクリーム色は、摘み取り後一夜にして茶色に変わってしまいます。発送を急いで、摘み取ったままお送りしたので水洗いし乾燥させて召し上がってください。アーティーチョークは、夫(敏夫)の作です。フランス料理で珍重されるようです。】

アーティチョーク菩提樹の小枝

箱の中からごろんと、アーティチョークが2個出てきて、咲いた花の鮮やかな紫に目を奪われました。早速青い硝子の水差しを出して、卓上に活けることにしました。菩提樹の枝も少し挿し添えて。ガラケーで撮影したので、画像が粗いのは御容赦下さい。