2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

愛称

米国新大統領との電話会談の第1声に弊国の首相が、愛称で呼んでくれ、そちらもそう呼んでいいか、という意味の話から切り出した、という報道に、傷ついています。恥ずかしい。未だ逢ってもいない相手に向かって、公式の電話で、何を言い出すのか。先方は吃驚…

信濃便り・ソウルフード篇

長野の友人から、「今年の野沢菜漬」の写真が送られてきました。野沢菜漬は近年は東京のスーパーでも使いやすい容器に小分けして売られていますが、おやきと並ぶ長野県人のソウルフード。家ごとに仕様が異なり、何十kgという単位で漬け込むようです。友人…

節分

横浜の老人ホームにいる従姉に、京都の豆菓子を送りました。今年はコロナのせいで、贈り物を探しに出歩けません。あんみつ好きだった叔母の命日にも、そろそろ嚥下が難しくなってきたという、今年90歳になる従姉への見舞いにも、これならいいかなと送ってみ…

シンガーソングライター

先日、夕食時にぼんやりTVを見ていたら、シンガーソングライターの小椋佳が、「愛燦燦」を歌っていました。今年一杯で引退、と宣言したのだそうです。 昨年末、出口典雄の訃報と共に、30代で亡くなった親友の思い出を本ブログに書きましたが、小椋佳は、彼…

阿波国便り・あずり越え篇

徳島の原水さんから、あずり越え(国土地理院の登録名称は「あづり越え」ですが、地元では新仮名遣で表記するようです)の写真が送られてきました。 あずり越え・遠望 【義経は上陸後、屋島へ向かうのに恥ずかし越えを経由し、さらにあずり越えを通過したと…

左富士

ようやく富士山にも降雪が来て、秀峯らしい姿になったようです。我が家は西が塞がっているので、ベランダからは見えません。ときどき、メールチェックのついでに、ツイッターの「今朝富士」を検索します。前にも書きましたが、投稿写真の中でも富士山の画像…

國學院雑誌1365号

霧林宏道さんの「『日本霊異記』における説話叙述の方法ー『冥報記』との比較からー」(「國學院雑誌」1月号)という論文を読みました。9世紀初頭に景戒が編纂した『日本霊異記』は、7世紀後半、唐臨が志怪小説に倣いながら仏教説話をも加えて編んだ『冥…

源氏将軍断絶

坂井孝一さんの『源氏将軍断絶ーなぜ頼朝の血は三代で途絶えたかー』(PHP新書)を読みました。一口に言って、これまでの「常識」もしくは「通説」が次々に引っくり返されていく本です。それもきちんと史料を読み、あり得る事態を想定していく作業の繰り返し…

信濃便り・お土産篇

長野の友人から写真添付のメールが来ました。 常山邸の冬のお土産 【先日、妹が色とりどりの長方形の紙を1枚ずつ、小さな透明の袋に入れていました。脇には数種類の植物の種が入った箱を置いてある。わけを聞くと、この種は山寺常山邸の庭で集めたもので、…

就任式

米国新大統領の就任式が終わりました。地元からワシントンへ向かって発つ前の演説で涙ぐむ場面もあり、弊国で言えば肌には白装束という気持ちだろうか、と勝手に想像してしまいました。アメリカ文学専門の友人は、リアルタイムで中継を視たそうです。「Biden…

黄砂

この頃、晴れた日には目がごろごろすることがよくあります。黄砂の季節なのでしょうか。遠く中国大陸から飛んでくる、微少な砂の粒子。俳句の季語にもあるようです。 鳥取でアパート暮らしをしていた時、季節によって拭き掃除で雑巾につく埃の色が違うことに…

美濃国便り・大雪篇

岐阜の中西達治さんから、「すごもり通信・雪が降る」が来ました。そう言えば年末年始、北陸と同様、岐阜も大雪、というニュースが報じられていました。 【雪は冬の風物、シャンソンは無理ですが、つい「雪やこんこ 霰やこんこ」と口ずさみたくなります。こ…

無形民俗文化財保存

小川直之さんから『文化遺産の世界』37号(2020/12 特集「無形の民俗文化財の保存」)という雑誌が送られてきたので、読んでみました。こういう雑誌があるのは知らなかったので調べると、もともとは国際航業という大手企業のメセナ事業だったものが…

祭りの世界

中野英治さんの『『平家物語』と祭りの世界』(岩田書院 2020/12)という写真集が出ました。『平家物語』のストーリーにまつわる各地の祭や郷土芸能の写真集です。堅牢な造本で、写真がとても美しく、祭に関わる人々、特に子供の表情がよく撮れていま…

受験

数年前、母校の女子大の前を通ったら、中年の男女があちこちの軒下になすこともなく佇んでいて、異様な雰囲気でした。何だろうと思ったらこの日は入試で、父兄たちが我が子の試験終了を待っていたのです。驚愕しました。 私の大学受験は共通一次以前でしたか…

信濃国の歌

新聞の日曜版に、長野県の県歌の話が載っていました。長野県歌「信濃の国」は、冬季五輪の入場行進曲にも使われました。県民の9割超が歌えるというアンケート結果に、1割も歌えない人間がいるのか!との慨嘆があったそうで、長野出身の友人も、この歌への…

罰則

インフルエンザ等対策特別措置法や感染症法改正が急がれ、罰則規定が盛り込まれようとしています。前者には休業要請などに従わない事業者に対して、後者には発病後入院勧告に従わない個人に対して。法学者や医師から反対声明が出ていますが、政府はまもなく…

猫柳

暖かい日差しが戻ってくると、コロナで鬱屈していた気分が幾分か和らぎます。人間界が右往左往していても、季節は確実に春へ向かっている。今年は花屋の仕入れが間に合わず、我が家の庭では未だ、菊と観賞用唐辛子が主役を張っています。細々と白い小花をつ…

コロナの街・part16

混んでなさそうな時間帯を狙って買い物に行くのですが、街は老若男女、人出が減りません。政府の広報はけっきょく、人々に、マスクをしていれば大丈夫、という刷り込みをしただけに終わったのではないか、と思うほどです。20時以降は外出を控え、飲食店に…

成人式

成人の日が1月15日に制定されたのは、かつて商家に丁稚奉公すると、盆と小正月だけに休暇が許されたからだと聞きましたが、現場の教師にとっては疲労困憊するセンター試験の日である年月が続き、その後1月第2日曜日という流動的な日程に変わって、「国…

建礼門院右京大夫集

日記文学会中世分科会編『『建礼門院右京大夫集』の発信と影響』という本が出ました(新典社 2020/12)。後記によれば、日記文学会の分科会として中世日記、中でもあまり研究の進展を見ない『建礼門院右京大夫集』の輪読会を、2009~13年にかけ…

経済欄

父を亡くしてから、新聞の経済欄を読むようになりました。社会変動の見通しや家計の判断根拠を、自前で持たなければならなくなったからです。実際、経済紙系のTV(日本のTV局は、ラジオ局と映画会社と新聞社の合同で発足した)のニュースコメントは、(好き…

源平の人々に出会う旅 第48回「平泉町・義経の最期」

元暦2年(1185)、頼朝との確執により、北陸へ逃れたとされる義経は、その後、奥州平泉の藤原秀衡を頼ります。その間に頼朝は、後白河法皇に要請して、義経逮捕を名目に、全国に守護・地頭を設置することに成功します。 【高館義経堂】 文治3年(1187)10月…

焼き継ぎ

青木豊さんの「四十五片を焼き継ぎした有田焼」(「國學院雑誌」1364号 2020/12)というエッセイを読みました。青木さんは博物館学が専門です。 焼物は縄文土器以来、修理して使用されてきたことが分かっており、継ぎ方には時代や対象物によって…

コロナな日々 12th stage

瀬戸内の島で暮らしている教え子の年賀状には、東京は「無視コロナ」としか見えない、気をつけるように、と書き添えてありました。大晦日の渋谷は結構な群衆がいたようですし、12月中、この界隈でもオジサンたちは午時には連れ立ってランチ、退け時には呑…

東大寺

奈良の高木浩明さんから、3日に東大寺へ初詣に行った、人出はこんな感じだった、と写真が送られてきました。 2021/01/03東大寺 昭和49年から6年かけて、東大寺大仏殿では屋根瓦の葺き替えが行われ、昭和の大修理と呼ばれました。大仏殿をすっ…

国際家族の2020

鳥取時代のゼミの教え子が米国マサチュセッツで、北欧出身の夫と娘2人とで暮らしています。家族の近況報告を送ってきましたので、やや長いのですが一部を紹介します。 【次女は 14 歳、6 月にミドルスクール(日本の小5~中 2)を卒業しました。コロナで学校…

中近世移行期の文化と古活字版

高木浩明さんの『中近世移行期の文化と古活字版』(勉誠出版 2020)という本が出ました。1下村本『平家物語』とその周辺 2「嵯峨本」の世界 3古活字版をめぐる場と人々 という3部構成になっており、27年間に亘る古活字版の書誌調査を通して、書名…

コロナ下のおせち

大晦日からよく晴れ、新年3日は寒かったもののやはり晴天で、好いお正月だった、と言いたいところですが、都知事が緊急事態宣言を要請するなど異常な年明けでした。年越し蕎麦も今年は自前で茹で、つゆがいまいちだなと思いつつ食べました。近所でも近年の…

年賀状2021

今年の年賀状には、大学のオンライン授業に逐われたという文面が多く、その可能性に触れたものはちらほら、でした。教え子や明翔会のメンバーからの近況を告げる文面は、嬉しいだけでなく、世の動きを具体的に知ることもできます。 米国のVyjayanthi Selinge…