日々雑録

豊後便り・阿蘇高原篇

別府暮らしの友人から、「悲憤慷慨のブログ、概ね共感しながら読んでいます」とメールが来ました。「おおむね」というところがミソでしょう。 阿蘇外輪山 【こちらはノンビリしたことを言って申し訳ないと思いつつ、平穏な日常を送っています。今日は久しぶ…

ショパンコンクール

昨日は仕事のノルマが早く終わったので、夕食後、NHKーETVでショパンコンクールに関する音楽番組を視ました。今年はコロナで延期されていたコンクールが久々に行われ、日本人も最終選に残っているらしい。10代の頃はピアノに魅せられ、ショパンは早春がよ…

体験的電子事情・新行動様式篇

オンラインの学会・研究会にも大分慣れては来ましたが、今度は参加者の行動様式が気になることがあります。先日の学会では、質疑応答の際にパキッ、パキッというノイズが入ることが複数回あって、何だろうと思いましたが、発言者たちにボールペンの頭を押す…

参考源平盛衰記

11月の古典籍大入札会には、真珠庵本『太平記』が出されるとの予告を見ました。『伝存太平記写本総覧』の著者長坂成行さんは、思文閣の新出写本にも、断捨離、断捨離と唱えて無関心を装っているそうですが、ほんとかしら。 そう言う私は、年金生活で資力も…

詐欺未遂

今日は南西の上空でヘリがうるさい。そうか、衆議院解散したんだ、と思ったところへ電話が鳴りました。普段なら留守電対応なのですが、今日あたり注文した本屋から電話が来る頃なので、うっかり受話器を取りました。時刻は13:45、魔のタイムです。 もし…

太平記要覧

長坂成行編著『校訂『太平記要覧』』(和泉書院)という本が出たと知って、取り寄せました。『太平記要覧』は貞享5年(1688)版の『太平記』梗概書。解説にいう通り、大部な『太平記』には梗概書があると便利ですが、これまで活字化されていませんでした。…

コロナの街・part 26

小糠雨の中、歯医者へ出かけました。かれこれ1年以上、間が空いています。緊急事態宣言が途切れず、区の感染者数が爆発的に増え、結果的にこうなったのです。B-ぐる新路線に乗って行く心算でしたが、途中の郵便局に用があって、結局歩いて行きました。久し…

山城便り・終活篇

同志社女子大学の紀要を読み、京都府立大学が開催協力校を務めた中世会文学会に参加しているうちに、何だか京都の風が恋しくなりました。若い頃、京都の短大へ非常勤講師として通ったこともあり、週1回、四季を通じて京都の街をバスで通り抜けた1年を回想…

中世文学会2021秋季発表

午後から、中世文学会の研究発表をオンラインで4本聴きました。久々に中世文学について議論できた、との感想を持ったのは私だけではなかったようです。 黄昱さんの「『徒然草』の読書論」は、『徒然草』13段に見える「灯下読書」は、漢詩に影響され、灯の…

中世文学会2021秋季講演

中世文学会秋季大会の講演会を、オンラインで視聴しました。 三木雅博さんの「古典文学における<継子いじめ譚>の展開と漢土の文学」。日本の上代文学には継子いじめ譚はなく、10世紀後半の物語に見いだせるようになるが、それは貴族社会の家継承制度の変…

震度4

昨夜、1日分の仕事は終わって、風呂に湯を張りながら本を読んでいたら、地震が来ました。これは大きいかな、と思ったら周囲の本棚がぎっしぎっしと鳴り始め、慌てて立ち上がりました。かなり永く揺れていたように感じましたが、何をすればいいか分かりませ…

経国の大業

大津直子さんの「国文学者と時局―谷崎源氏の改訳から見る、戦中戦後の天皇表象と最高敬語―」(「同志社女子大学総合文化研究所紀要」38巻)を読みました。大津さんは院生時代から継続して、さきの大戦中から戦後に亘って谷崎潤一郎が現代語訳した源氏物語…

コロナの街・part 25

池袋までインクカートリッジを買いに出かけました。どうも配達購入は気が進まなくて、いつ切れるかとひやひやしながら印刷していました(この御時世、学会発表資料を視聴者に何十枚も印刷させるのはやめて欲しい)。これから大量の作業シートを印刷しなけれ…

続・美しい誤解

同志社女子大学総合文化研究所紀要38を頂いたので、関心の持てる論を読んでみました。さすが京都、と思った論文は「京都における写真観光による地域活性化」(天野太郎・上中愛奈)で、八坂庚申堂がいま人気沸騰だということ、それが時勢に合った観光スポ…

コロナな日々 21st stage

西脇順三郎の言う「神様が宝石箱をひっくり返したような」好天です。街へ買い物に出かけました。 本郷通りの曲がり角に大手スーパーが開店し、ごった返していて、あちこちに警備員が立ち(彼らは人並み外れて身体が大きい)、それ自体が通行の邪魔。しかも入…

白鵬

白鵬が引退して間垣親方になりました。あのしなやかな巨体を、もう土俵上では見られないのだと思うと寂しい。殊に東北大震災の後の逸話の数々は、生国の違いを超えて、まさに現代の大横綱に相応しいと思います。あの当時、自分の日々に精一杯だった私たちに…

信濃便り・酔芙蓉篇

長野の友人から、遠目で薔薇かと思ったら見事な酔芙蓉の株だった、と写メールが送られてきました。 酔芙蓉 なるほど見事な株です。我が家の近くの児童館にもありますが、1年のうちに大きく枝を張るので刈り込み過ぎたらしく、今年はあまり花をつけませんで…

美しい誤解

前にも書きましたが、猫を家飼いする風潮にどうもなじめません。猫は束縛を嫌う自由な生き物。半野良で餌をくれる家々を廻って歩くのが普通だった時代(今どきは地域猫と言って、去勢して管理するのらしい)と違って、都市部では、今や純粋な野良猫は絶滅種…

地域創生

所用で久しぶりに丸ノ内へ出かけました。ほんとに久しぶり、新丸ビルを出たら、東京駅が小さく、よそよそしく見えたほどです。人通りは我が家の近辺よりずっと少なく、静かです。若いサラリーマンしか歩いていない。 用が済んで、駅地下にある地方開発食品の…

アフターコロナ

第6波が来るのは確実、と言われながら緊急事態宣言全面解除が決まりました。最近、街では若い男性のノーマスク姿が増えた気がします。然るべき所では、この2年間のてんやわんやを踏まえて、ネックとなった問題を解決する準備が進められているのでしょうね…

愛したのが家族だった

岸田奈美さんの自伝的エッセイ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(小学館 2020)を友人から借りて読みました(最近の本はむやみにタイトルが長い。TV番組やタレントの場合はラテ欄を独占するため、論文名の場合は検索に引っかかりやす…

シンポジウム・平家物語と国語教育

軍記・語り物研究会シンポジウム「軍記研究が国語科教育へ届けるべきことは何か」(オンライン)を視聴しました。講師は4人、①栃木県立那須拓陽高校 大谷貞德「生徒の実態を踏まえた指導実践」②暁星中学・高校 吉永昌弘「中学生と「敦盛最期」を読む」③愛媛…

鎌倉殿と執権北条氏

坂井孝一さんの『鎌倉殿と執権北条氏―義時はいかに朝廷を乗り越えたか』(NHK出版新書)を読みました。このところ坂井さんは実朝や鎌倉政権、承久の乱について立て続けに新書(中公新書、PHP新書)を書いていて、本書も含め三部作だそうです。しかも従来の人…

近所に白山吹の繁みがあって、黒くつやつやとした実がたくさん実ります。そのままでは舗道に落ちるだけなので、こっそり採種して我が家にも、あちこちの放置プランターにも播いていましたが、芽はすぐ出るものの何故か育ちません。諦めかけていたら、去年、…

軍記物語講座読後感2-2

アメリカ文学専門の友人から、軍記物語講座(全4巻 花鳥社)の読後感が送られてきました。第2巻『無常の鐘声』を中心に読んだそうです。専門外の人からの感想は嬉しい。一部、紹介させて貰うことにしました。 【まず、古典文学および古典文学研究の確かな…

回想的長門本平家物語研究史(6)

国書総目録では、諸本分類には踏み込まない、というのが原則でしたが、平家物語の場合、それでは所在情報として役に立たない、と私は主張しました。先輩の栃木孝惟さんも同意見を具申したので、平家物語に関しては判る範囲で諸本を( )つきで注記することに…

回想的長門本平家物語研究史(5)

学部を卒業して就職し、1年も経たずに進路変更した頃のことは、『文学研究の窓を開ける』(笠間書院 2018)や本ブログにも書きましたが、大学院入学後未だ西も東も分からない6月に、いわゆる東大闘争が始まり、授業も図書館も全く利用できなくなりました。…

コロナの街・part 24

文字通り雲一つない晴天に誘われて、播磨坂のスーパーへ出かけました。休日なので街には親子連れが多いのですが、最近何故か、異常に燥ぐ子を見かけます。横断歩道を渡った途端、前を歩いていた男の子がいきなり舗道に座り込みました。杖を突いていると、こ…

専守防衛で

台風一過晴れ上がり、暑さが戻ってきて、薄い葉のコリウスは朝からよれよれに萎れていました。コキアの茎が赤くなり始め、パプリカの白い花が点々と、地上の星のように落ちています。久しぶりに印度の壺に水を張りました。木犀や彼岸花は、全国的に例年より…

源氏物語宿木巻評釈

田村俊介さんから「源氏物語宿木後半評釈(2)」(「富山大学人文学部紀要」75号)の抜刷が送られてきたので、解説を読んでいるうちに、本文批判の問題は作品ごとでなく汎く共有されるべきだ、と痛感したので書いてみます。私は源氏物語の諸本研究につい…