日々雑録

隠れた縦糸

岩城賢太郎さんの「義仲の”命の親”実盛」(国立文楽劇場「第160回文楽公演パンフレット」 2020/10)を読みました。観劇パンフレットの解説ですから、分量も読者対象も限定されており、研究論文ではありません。岩城さんの文章は必ずしも読みやすく…

コロナな日々 19th stage

食生活に変化がなくなってきたのと、予報では最高気温が今日だけ低そうだったので、播磨坂まで食材の買い出しに出かけました。「買い出し」とは、もともと昭和20年代前半、母と祖母がもんぺ姿にリュックを背負い、農家のある地域へ出かけて南瓜などを入手…

豊後便り・飯田高原篇

別府で老後を楽しんでいる友人から、飯田高原へ行ってみた、とのメールが来ました。 ノハナショウブ 【うだるような暑さを逃れて、飯田高原の長者原蓼原湿原に出かけてみました。町よりも気温が5度位低く、湿度も低いのでとても過ごしやすいです。 駐車場に…

回想的長門本平家物語研究史(序)

講談社の勧善懲悪児童文学から脱皮して、文学に目覚めたのは14歳の夏、芥川龍之介によってでした。徹夜で読みふけり、雨戸を開けたら台風一過の強烈な朝光と、隣家のジャズピアニストが弾く曲節とが降り注ぎ、一瞬、目眩がしたことを昨日のように思い出し…

共有

危機感が共有されてない、と政府関係者の口から聞かされると、どっちの言う科白だ、と言いたくなります。最近は閣僚、厚労官僚、コロナ対策分科会専門委員、都職員の中でも言うことが区々で、数字や現状把握や今後の見通しに、整合性がない(相互に、だけで…

美濃国便り・ボタンクサギ篇

岐阜の中西達治さんが、俳誌「俳句界」8月号に書いた川治汎志句集『『樫』と『風土』』(文学の森)鑑賞のエッセイを送ってきました。川治汎志さんについて、私は初めて知ったのですが、1936年愛知県の生まれ。加藤かけいに師事し、山口誓子の「天狼」に投…

まもなく8月

説話文学会のシンポジウムで、コメンテーターが「僕らは、今後も戦争がないという前提で考えているが」と発言したので、えっ、と思いましたが、なるほど現在の壮年以下の世代は、そうなのかもしれません。なんだかんだ言っても、いまの日本が現実にどこかと…

古事談が読める

伊東玉美さんが校訂し、現代語訳と評言をつけた『古事談』が、ちくま学芸文庫から出ました。上下2冊、計1030頁。主要参考文献、解説、人名索引を付載しています。 40年近く前、授業で『古事談』を読んだことがありましたが、何故この話が記し残されて…

信濃便り・コーヒーの木篇

長野の友人が、塩尻の弟さん夫婦の家で育ったコーヒーの花の写真を送ってきました。 コーヒーの花 コーヒーの実の写真はよく見ますが、花は案外純潔な印象なんですね。お嫁さんが蔓薔薇を初め育苗の名人で、農業系の大学を出た娘さん(現在は塩尻の農園に勤…

関西軍記の会101

午後から、関西軍記物語研究会第101回がオンラインで開かれました。当初のプログラムは発表2本でしたが、俄に3本になりました。1本目は岡田三津子さん「古本系『源平盛衰記』の本文ー早大書き入れ本を中心としてー」。ところが我が家はなかなかネット…

開会式

昨日の昼、轟音と共に軍用機が2度、我が家の上空を通過しました。2度目には白煙と共に1筋、赤い尾を引く機体も混じっていました。会場上空で五輪を描いた時は、気温が高いせいか、円になる前に半分くらいは消えてしまったようです。 夕食を摂りながら開会…

豊後便り・臼杵満喫篇

五輪を避けて別府へ移った友人から、臼杵へ遊びに行ったから、とメールが来ました。 【羽田空港はまだ空いていました。機内は片側3人掛けに1人という程度で、後方席の乗客は0。乗客が少ないので出発は定刻前、到着は予定より30分早いという具合。】 航空…

日記の生命力

松薗斉さんの「日記の生命力ーなぜ千年前の日記が今に伝わっているのか」(『REKIHAKU』特集「日記がひらく歴史のトビラ」文学通信 2021/6)を読みました。平安時代の男性貴族の漢文日記は、彼らが社会生活をしていく上での必須の知識とその実例のD…

コロナな日々 18th stage

宮古島から美しいマンゴーが届いたので、電話をかけました。旧友の息子、フレンチのシェフです。開いて3年目の店は、このところずっと休業している由。恋女房が宿泊施設の受付に勤め、朝食のデリバリーを請け負ったのと、支給が遅いものの休業補助金が出る…

阿波国便り・母恋篇

徳島の原水さんから、季節の便りが来ました。夏らしい、野生の鬼百合、お歯黒蜻蛉などの写真が郷愁を誘います。 野生の鬼百合 鬼百合は、なるほど精力溢れる夏草の繁みの中で咲くのが似合う。そしてクロアゲハか、オハグロトンボが似合います。 ハグロトンボ…

ワクチン・その6

COVID19ワクチン(ファイザー社製)の2回目接種が済んで、1週間。副反応は人によってさまざまらしく、2回とも何ともない、と言う人もいれば、2~3日高熱が続いたという人もいます。私は1回目は接種した上膊部が2日ほど腫れ、しこりができましたが、2…

失敗を問う/問わない戦記

井上泰至さんの「「失敗の本質」を問う/問わない戦記・絵巻ー文禄・慶長の役言説・表象の彼我ー」(日文協「日本文学」7月号)を読みました。先日の説話文学会で触れながら、時間の制約のため割愛した部分が読めるようにと送ってくれたのです。 いわゆる文…

信濃便り・育苗篇

長野の友人に、梔子の挿木用苗とパプリカの実生苗が沢山できすぎて、嫁入り先を探している、とメールしたら、家族と相談したところ、貰ってもいいという返信が来ました。荷造りに苦心し、コワレモノ・なまもの・上積厳禁・天地有用指定で宅急便に託しました…

師直の横恋慕

小助川元太さんの「教育学部の学生と読む古典文学ー必修科目における『平家物語』『太平記』の読みの実践を中心にー」(「中世文学」66)は、教員養成課程の学生と共に議論しながら軍記物語本文を読んでいく、優れた実践報告です。前半の「扇の的」につい…

解熱薬

ブログを読んだので、と神野籐昭夫さんからメールが来ました。 【結局、鎮痛解熱剤はお手許にないということでしょうか。一般の鎮痛解熱剤でよさそうですから、ドラッグストアなどでいちおう用意しておくことを考えたらどうですか。 鎮痛解熱剤には、いろい…

中世文学66号

中世文学会会誌「中世文学」66号を読みました。2020年10月の講演2本、研究発表論文3本、そして新企画の小特集「中世文学と教育」と題する論考4本です。この小特集は有益でした。その中、軍記物語を扱った2本については、別途触れたいと思います。 圧巻は田仲…

ワクチン・その5

2回目のCOVID19ワクチン接種に出かけました。真夏日のカンカン照りの時刻です。空も熱気で霞んでいる。バスで行くには半端な所なので、とぼとぼと30分歩きました。ぴたり15分前に着いたため、今回は椅子に座って待つことができました。消毒、検温、予診、と…

御中元

川越の友人から、例の如く庭の花の写真が来ました。 紫金唐松 【我が家は今、桔梗(青・白)の他に、唐糸草、越後虎ノ尾、紫金唐松、草連玉、擬宝珠、リシマキア・ファイアークラッカーなどが賑やかに咲いています。】 桔梗 桔梗は秋の七草に入っていますが、…

コロナの街・part 22

暑くなるというので、午前中に播磨坂のスーパーへ出かけました。近所のスーパーの品揃えが悪くなった(馬鈴薯、人参のようなものしか置かなくなった)ため、食生活に変化をつけるのと、週明けに2回目のワクチンを打つので、万一副反応で3日くらい寝込んで…

享楽と正義

政府のコロナ感染拡大防止策の底に危険な匂いがするのは、享楽と正義を対置する枠組みが見て取れるからーそう感じるのは私だけでしょうか。当初は「接待を伴う飲食」、中でもホストクラブが槍玉に上がりました。今は酒類を出す飲食店が集中的に営業縮小を求…

続・定年時間

定年後すぐは、TV番組が新鮮に感じられ、毎日ラテ欄を見てはあちこちの局の番組を視ました。学生時代から定時制高校に勤めた期間、家に受信機がなかったのです。鳥取へ赴任したら夕刊がないので受信機を買いましたが、ニュースとドキュメント、古典芸能ぐら…

定年時間

南高梅で梅シロップを漬けたのは失敗だったようです。果肉が柔らかいせいか、なかなか果汁が浸出しない。梅ジャムを作るにはいいかもしれませんが。そろそろこまめ水(熱中症予防水)を用意する時季になり、麦茶と梅シロップのほか、桜花の塩漬も2瓶買って…

コロナな日々 17th stage

朝一でPCがフリーズしました。最初に、トラッカーを消去しますか?と聞いてきたので、消去すると答えてアウトルックを開けようとしたら、頑として動かず。暫く間を置いてあれこれやってみましたが、依然として頑! 結局、強制終了してまる1日放置し、恐る恐…

オンラインで見る諸本

karpaさんがブログに「オンラインで見られる平家物語諸本」という頁を開設したことを知って、覗いてみました。最初に、完璧な諸本分類をやる所存はない、という意味の断り書きをつけていますが、参照された論文の著者の責任として、大枠そのものの誤りは訂正…

菩提樹

暗く降り籠められる天気が続いた昨日、郵便受けにやや膨らんだ封筒が届いていました。辻英子さんからです。手紙と、パックに詰めた植物の小枝や花が入っていました。 【菩提樹の花が咲きました。朝、窓を開けると甘い香りが漂ってきて、蜂の羽音もかしましく…