日々雑録

21条

総理の国会答弁でしきりに「憲法21条」が出て来る。政治資金規正法の企業・団体献金が、「表現の自由」に基づくものなので、禁止すると憲法に触れるという。初耳だなと、改めて日本国憲法第21条を読んでみました。 第二十一条 集会、結社及び言論、出版…

越前便り・ポスター発表篇

福井高専の大谷貞德さんから、ポスター発表をした報告が来ました。jointフォーラムという催しの中、異業種交流会で各教員が自分の研究をポスター1枚にまとめて紹介し、立ち寄った見学者に10分前後で説明する、という方式です。この催しは、高専と県内の産…

廃墟の文化史

木下華子・山本聡美・渡邊裕美子編『廃墟の文化史』(勉誠社)を読みました。2019年から25年にかけて組まれた共同研究を基盤に金沢文庫特別展などともタイアップし、廃墟論の確立をめざす試みだそうで、私はここ数年、廃墟(廃線や産業遺跡など)への関心が…

阿波国便り・植物園篇

徳島の原水民樹さんから、いよいよ今年も暮れる、というメールが来ました。 徳島植物園、 先日のブログを読んで下さったようで、カバー歌手というなら、徳永英明を忘れてはいけない、とありました。 勿論です。徳永英明は私が鳥取勤務の頃にデビューしました…

10cm

区の健診を受けに、かかりつけの医院に行きました。開成高校出の内科医です。身長・体重を測るのに、新しい、超音波式なる身長計が用意されていたのですが、現役時代からは10cmも低い数値が出て吃驚。後で壁に貼ってある注意書を見たら、通常より低い数…

最高神の罰

1979/3/28、1986/4/26、2011/3/11。何の日付だか分かりますか?スリーマイル(米国)、チェルノブイリ(ソ連邦内のウクライナ)、そして日本で、大きな原発事故が起きた日です。その時は衝撃に打ちのめされたのに、世界はいつし…

カバー曲

他の歌手の持ち歌を歌う、いわゆるカバー曲をTVで視るのが好きです。その歌手の実力が判り、その歌の持っていた可能性が判るからです。夕食後の片付けをしながら昨日は三浦祐太朗を(BSフジ)、今日は島津亜矢を(BSテレ東)聴き、偶然、「さよならの向こう…

働き控えとは

どうも気になって仕方がない。第3野党の主張を取り入れて始まった、「103万円の壁」の検討。第3野党の公約は「収入の手取り額を増やす」だったと思いますが、国会での議論を聞いていると、「働き控えをなくす」のが目的になっているようだからです。ど…

祝無形文化遺産登録

日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されたとのニュース。改めて焼酎や泡盛も含め、日本の酒造りは独特なのだと知りました。澱粉を麹によって糖分に変え、同時にアルコールに変えていく、という醸造法は他に例がないのだという。麹菌を利…

桜紅葉

すこし風はあるが、日差しの温かい一日。青山霊園へ出かけました。久しぶりの地下鉄です。ノーマスクのあんちゃんが優先席の隣に座るやいなや、ヴワッホ!手も被せずに大くしゃみ。地下鉄内でもスマホの充電が出来るようになったことを発見しました。 満天星…

銀髪起業

昨日取り上げた「ゼロで死ねるか」という連載記事(朝日朝刊11/19-23)は4回目に、老後資金について書いていますが、こういう記事には実情を知らない助言が多く、屡々いらいらさせられます。そもそも統計上の数字と個々人の事情は一致しないので、細かいこ…

零で死ぬ

朝日朝刊経済欄に11月19日から23日まで、「ゼロで死ねるか」という連載記事が載りました。タイトルもどぎついが、初めの数回は、独り暮らしの高齢者が、巨額な資産を使い切れずに死亡し(カネが無駄になっ)たという話が並びました。極端すぎる例ばか…

年の瀬へ

カレンダーが1枚になり、日差しも晩秋ではなく初冬になったな、と感じます。今年は暦と生き物たちの歩調が合わず、我が家の菊は1ヶ月遅れで咲き始めました。猛暑のせいか葉がぼろぼろと枯れていき、もう駄目かなと思いましたが、3鉢の中、それぞれ1株ず…

山城便り・高齢者日常篇

伏見の錦織さんから、近況を知らせる写メールが来ました。 法善寺の水かけ不動 【先週、大阪の難波に出かけ、大学時代の友人と会って、他愛のない話を長々として帰りました。日ごろは家族以外と話をすることがないので、久々に頭の血がめぐり始めたような気…

法隆寺僧の芸能

坂井孝一さんから「中世法隆寺における僧侶の芸能」(「日本歴史」12月号)が送られてきたので読んでみました。かつて勝俣鎮夫氏主宰の研究会で、法隆寺僧の延年について発表したことがあり、最近、またそのテーマと取り組んでいるのだそうです。 すでに能…

古活字探偵23

高木浩明さんの「古活字探偵事件帖23」(「日本古書通信」1144号)を読みました。 今回は「新宮春三と戸川浜男」という題で、古書収集家として有名な小汀利得、横山重、新宮春三、戸川浜男らの交流とその蔵書の行方について書いています。小汀利得(1889~1…

午後の乳母車

今年は秋が無かった、という感じでしたがこの数日、ちゃんとあるよ、とでも言いたげに、晩秋から初冬への晴天が続きました。今のうち、と播磨坂へパンを買いに行き、郵便局で年賀葉書を買って、美容院に寄りました。いつもは夕方に行くのですが、日の暮れる…

阿波国便り・兵庫訪問篇

徳島の原水民樹さんから、暫く神戸に行っていた、と写メールが来ました。 神戸フルーツフラワーパーク 【暇を見て神戸市立フルーツフラワーパークに出掛けました。その名から、熱帯植物の温室があり、南国フルーツを食べられるのかと期待しましたが、全くの…

人間ドック

40歳になった時、初めて健保組合推奨の人間ドックに日帰りで行きました。最後に医師の所見を聞かされますが、30代後半の男性医師は開口一番、立派な内臓ですなあ、と言いました。私も未だ若かったので、内臓を褒められて嬉しくはありませんでした。ただ…

予約は10時

眼科の定期検診に行きました。もう20年かかりつけの大学病院ですが、午後は外来診療がなくて午前中の予約制。朝は身体が思うように動かず、殊に寒さに向かうこの季節は身体が硬くなって、転倒の危険性が増す。おっかなびっくりで早めに出かけ、10:00…

わからない

何度読み直しても、よくわからない。最近、そういうことが増えました。報道記事の中に出てくる、若者、中堅世代の言動です。 「楽」「高額報酬」「ホワイト案件」などのキーワードで検索して、言われるまま匿名性の高いアプリ経由で個人情報を渡し、知らずに…

活字の渡来

高木浩明さんから、韓国の成均館(ソンギュンガン)大学へ、書誌学の集中講義に行ってきた、というメールが来ました。 大学正門横の文廟の大銀杏。朝鮮王朝時代に植えられた。 【1398年に設立された李氏朝鮮(朝鮮王朝)の最高教育専門機関の「成均館」を母体…

東向きの窓が壊れました。片手で外へ押し出して開ける仕様の窓、「縦滑り出し窓」と呼ぶらしい。仕事机の前にあり、朝1番に開け、夜は月を楽しむ窓です。夏の東京は東風なので、ここを開けて昼間は冷房なしで暮らし、書庫の中も通風抜群。ところがストッパ…

長門本の新研究によせて

『長門本平家物語の新研究』(花鳥社)を出してから、あちこちから反響を頂き、励まされています。殊に、これに触発されて自分のテーマを振り返ってみた、といった内容の話は、こちらにも刺激になり、嬉しいことです。原水民樹さんは、保元物語の諸本研究で…

水戸便り・鑁阿寺篇

水戸で暮らしているかつての教え子から、鑁阿寺なう、の写メールが来ました。 鑁阿寺の大銀杏 足利義兼建立の鑁阿寺は足利市の中心部にあり、隣に足利学校があります。本堂は国宝指定、一切経堂は重文指定、室町幕府15代の将軍木象が祀られているそうです…

幻の壁

100,103,106,130、150,178,201・・・何の数字か、答えられますか?そう、万円単位で所謂働き控えの壁、と取り沙汰されている数字です。 年収が100万を越えると住民税がかかり、103万で所得税、106万で厚生年金、130万…

秋の食卓

今夏、酷暑にめげて出歩かなかったせいか、この3週間で4回転びました。それも床や地面、壁面に激突。1回目は暗い室内で振り向いた途端、滑って大谷翔平と同じ状態になりました。左腕が外れた(亜脱臼、というのか)みたいに痛く、暫くは物干し竿が拭けず…

虎御前と平家琵琶

鳥取県の八頭町にある虎石山能引寺は、曽我物語に出て来る十郎の恋人虎御前が経石(供養のため法華経の1文字ずつを墨書した小石)を納めたという伝説のある寺です。 能引寺 昨日今日の2日間、鈴木孝庸・荒井今日子師弟による平家語りの会が開催されたと、…

水と半導体

熊本が大きく変わりつつある、という話は耳にしていましたが、水と半導体と米作、という3題咄にはちょっと驚きました。朝日朝刊経済欄に、「コメのない水田」という5回連載記事が載り、熊本にできつつある半導体工場(TSMC)の影響と、今年の米不足とが繋が…

かねやす

本郷もかねやすまでは江戸のうち、とは有名な川柳です。江戸といっても郊外同然の本郷、でも小間物屋のかねやすは大繁盛、その賑わいは江戸市内と言っていい、という意味だそうで、かねやすビルの壁にはその説明をした銅板が嵌め込まれていました。しかし後…