日々雑録

上洛の記千年

和田律子・福家俊幸編『更級日記 上洛の記千年ー東国からの視座』(武蔵野書院)という本が出ました。2020年は、『更級日記』の作者菅原孝標女が、父の任国であった上総から上洛した寛仁4年(1020)からちょうど千年に当たるのだそうで、その記念事業として…

國學院雑誌1359

「國學院雑誌」7月号(通巻1359号)が出ました。赤井益久さんの「唐代伝奇小説における変虎譚の諸相ー中島敦「山月記」に及ぶー」は20頁に及ぶ長大な論文ですが、『太平広記』巻426~433「虎」部門の80話の中から10話を取り上げ、変虎譚(虎が人と化す、また…

新生活様式

新しい生活様式を迫られたのは、コロナよりもレジ袋有料化でした。スーパーへはエコバッグと大きな手提げを二重にして持参し、ほぼ解決しましたが、コンビニでは不都合が多い。持ち帰る途中で濡れる物、蓋が弱い物もあるので、レジで無料の薄いポリ袋を要求…

現代史

日本史の錦織勤さんからメールで、『無常の鐘声』(花鳥社)の読後感が送られてきました。本書には歴史学の論文を入れられなかったので、歴史学視点の感想は貴重です。 [昨日、『無常の鐘声』が届き、「平家物語の軌跡」を拝読しました。面白いと思ったのは…

ホタルブクロ

川越の友人から、ホタルブクロの写真が送られてきました。メールには[私の庭作りは、狭い庭をなるべく自然に近い状態にしたいと思っています。あまり日当たりがよくないので、半日影で適応できる山野草が中心になりました。女房が茶道をやっているので、茶…

ヨードチンキ

うがい薬でコロナ予防ができるかのような記者会見の後、買い占めとネット転売の話題でひとしきり賑やかでした。当の製薬会社の広報担当者が、そんな効果を予期してはいない、と首をかしげている、という報道もありました。 問題のうがい薬は、ヨウ素を含んで…

源頼朝と鎌倉

坂井孝一さんからメールが来て、今夜のBS-ETV「英雄たちの選択」に出ます、とのことだったので、初めて視聴しました。井上章一、磯田道史、それに坂井さんはそれぞれ別のスタジオからリモートで、関幸雄さんはオンラインの参加でした。アナウンサーの反応が…

中世文学65号

中世文学会の機関誌「中世文学」65号が出ました。2019年度の大会シンポジウム「中世の仏教と芸能」、講演2本、論文3本が載っています。 私が最も眼を開かれたのは、佐藤弘夫さんの「彼岸への階梯ー「陸奥国骨寺村絵図」のコスモロジーー」でした。最…

湊川合戦図屏風

伊藤悦子さんの論文「『湊川合戦図屏風』についてー粉本の視点から読み解くー」(「古典遺産」69号)を読みました。『太平記』巻16の湊川合戦を俯瞰的に描く、個人蔵・和歌山博物館寄託『湊川合戦図屏風』を取り上げ、粉本によったと思われる図様を手が…

胡瓜

胡瓜と言えばかつては河童を連想したものでしたが、今では説明が必要でしょう。旧盆の前夜に苧柄を燃やして迎え火を焚き、茄子や胡瓜に足をつけた乗り物を用意して先祖の霊をお迎えした風習も、東京でも20年前までは残っていましたが・・・ 英語では、冷静…

廃業・その後

4月末日に廃業したかかりつけ医。蓄積したカルテは貰えないのかと尋ねに行ったら、インタホン越しに断られたのですが、2,3日して電話がかかってきました。 「週刊ポスト」が折しも「かかりつけ病院がある日、突然潰れたら・・・」という記事を出したおか…

川越花便り・7月篇

川越の友人から、久しぶりにメールが来ました。コロナで延び延びになっていた腸内ポリープの切除手術を済ませたとのこと。癌ではない、と判って一安心したそうです。 キツネノカミソリ 植物図鑑で知っていたキツネノカミソリの実物を初めて見たのは、晩夏、…

宮古島から

先週からみんみん蝉が鳴き出しました。この界隈では明らかに、年々数が減っています。家の建て替えやマンション建設が進んで土が掘り返され、樹木がなくなったからでしょう。その上、今年は梅雨が長くて夏空が見えません。未だ6月のような気分でいるところ…

萱草に寄す

中西達治さんから、藪萱草の花の写真を刷った葉書が届きました。文面には、 「拝啓 梅雨のさなかに咲くワスレグサ、俗に藪萱草と呼ばれています。古代中国で忘憂草とされ、大友旅人は大宰帥に左遷されたとき、わすれ草わが紐に付く香具山のふりにし里を忘れ…

西行学10

西行学会の機関誌「西行学」10号(2019/8)を頂いたので、読みました。この学会も発足10周年を迎えたのですね。発足した時は、なるほどこういうテーマ設定もあるか、と膝を打ちました。紫式部学会があるのだから不思議ではないようですが、「西行…

忖度

どうして政府が意固地なまでにGotoキャンペーンにこだわるのか、納得がいかないので、週刊誌を2冊買いました。検査数だけでなく陽性率が上がり、医師会も現場の地方自治体も反対しているのに、何故、この時期こんなにも押し通すのか、毎日接するメディアだ…

福岡の従姉から、土用なので鰻を買ったというメールが来たので、東京では国産の鰻は高くて買えない、中国産のレトルトパックは安全性がいまいちだし、と返事したら、年1回の鰻も食べられないなんて、と同情されました。西では鹿児島産の鰻が有名です。 関東…

コロナの街・part7

蒸し暑い日が続き、マスクが苦しい。人出の少なそうな時間を見計らって用足しに出かけ、店に入る直前にマスクを掛けることにしました(♪行き交う人に何故か目を伏せながら)。休日には路上に若いカップルが溢れ、夕方には子連れのヤンママが溢れ、この界隈っ…

山内首藤俊綱の討死

川合康さんの「山内首藤俊綱の「討死」と軍記・絵巻・合戦図屏風」(科研費B報告書『戦国軍記・合戦図屏風と古文書・古記録をめぐる学際的研究』 2019/3)を読みました。平成30年度に終了したこの共同研究の成果は、書籍として刊行する予定が取りや…

学生の日常も大事(2)

各大学の後期授業の方針が、ぼつぼつ出始めたようです。オンライン授業だけ、対面授業との併用、それぞれに大学の事情(学生及び教員の資質も含めて)が出ていて、ふむふむと思いながら見ています。「体験的電子事情」と題したシリーズでこのブログにも書き…

百日紅

東京は長梅雨になりました。もう19日間も雨続き(降ったり止んだりの日が多い)で、大きな洗濯物が干せず、暗い日中です。長野の友人から、戸口に咲いた百日紅の写真が送られて来ました。 信濃の百日紅 百日紅は酷暑の中で咲く、鮮烈な赤い花が定番でした…

椿説弓張月

大高洋司さんの「『椿説弓張月』の位置ー<一代記>と<史伝もの>ー」(「国語と国文学」8月号)を読みました。滝沢馬琴の<稗史もの>と言われる読み本の形成を解明するために、長編構成の大枠(読み本的枠組)を見定めることが重要であるとして、その枠…

学生の日常も大事(1)

COVID19の影響でオンライン授業が広まった今年、これ以前とこれ以降では、大学教育が画期的に変わるものと思っていました。かつて国立大学独法化を経験した教員(大学変革を理解していた、という意味)とそうでない教員とでは、あらゆることで意識が異なり、…

本文研究の蹉跌

佐々木孝浩さんが「『源氏物語』本文研究の蹉跌ー「若紫」帖の発見報道をめぐってー」(「日文協日本文学」7月号)という論文を出したと聞いたので、読んでみました。「文献学をとらえ直す」という特集の中の1本らしい。昨秋から話題になっている「定家筆…

鬼百合

鬼百合が咲いています。この界隈で咲いているのは、私がたまプラーザのキャンパスに出講していた頃、校門の脇の鬼百合のむかごを採ってきて播いたものです。構内には万葉植物が植えてあるのですが、鬼百合は見上げる程堂々とした風姿で、むかごも大きくて真…

ポテサラ

ツイッターで、ポテサラ(ポテトサラダの略語だそう)が話題になっています。惣菜売り場でポテサラを買おうとしていた母子連れに向かって、聞こえよがしに「母親なら、ポテトサラダくらい手作りしたらどうだ」と言ったジイサンがいたそうで、うなだれた母親…

迷走

COVID2019感染者数が日々増えています。検査数が増えているからだと説明しているようですが、陽性率も増えている。若い人だから大丈夫、という言い方がされていますが、その人たちが無症状、無自覚なまま、マスクなしで談笑しながら歩き、満員電車に乗り、移…

月夜の梟

小池真理子が朝日新聞日曜版に「月夜の森の梟」というエッセイを連載しています。およそ1000字ほど、もう5~6回読んだでしょうか。夫藤田宜永が亡くなった後の日々を書いているのですが、毎回、その哀切さに胸を絞られます。夫婦に限らず、大切な人、…

赤ままの花やとんぼの羽根

中野重治に「おまへは歌ふな おまへは赤ままの花やとんぼの羽根を歌ふな」で始まる「歌」という詩があります。国語の教科書にも載っていたことがありますから、よく知られていると思います。若い頃、この詩が好きでした。究極の抒情歌だと思っていました。自…

木曽川

名古屋に勤めていた頃、NHK-ETVで「古典への招待」という番組の講師をしました。TV放送の強みを活かせるような、ビジュアルで、しかも新鮮な情報を出したいと考えました。長野の真田宝物館に、奈良絵本の平家物語があると知っていたので、撮影に行って、画像…