コロナの街・part 38

歯医者へ口腔ケアに出かけました。このところ文京区でも毎日、300~500人代のCOVID感染者数が発表されていて、足が重かったのですが、ワクチン接種後2週間、これ以上延期できないと決心して出かけました。

すこし早かったので新しいスーパーでパンと惣菜を買い、本屋へ寄りました。文芸書のコーナーを見ると、殆どが知らない作家ばかり、いい値段の単行本がぎっしり並んでいます。専門書や実用書のコーナーは、似たような本がこれでもかと言うように積まれている。これが文運隆盛の証なのかなあと思いながら、歯科医院へ入りました。

以前、治療のついでに抗体検査ができますと貼紙があったので、受付で、今もやって貰えるのかどうか訊きました。できるという話でしたが、院長が出てきて症状がないなら必要はない、と言う。暫く見ないうちに院長も老けたなあなどと思いながら逡巡していると、結局、抗原検査をやってくれました。両方の鼻孔にかなり深く、10秒ずつ綿棒を突っ込まれるので、けっこう苦しい。結果は陰性でした。スタッフは毎日、この検査をやっているとのこと、患者1人の処置が終わると、診察台の周囲を消毒液で拭いています。

虫歯を1箇所削り、歯科衛生士に叱られながら歯磨きを指導され、街へ出ました。日が落ちて、涼しくなってはいましたが、見えない街の閉塞感は紛れもありません。いつまでこれが続くのだろう。3年延ばした眼科の検査も、そろそろ行かなくては。

帰宅して、買ってきた本のまえがき、あとがきを読みながら麦酒を呑みました。これが至福の時。中に1冊、真木悠介のエッセイもあります。若い頃、見田宗介に憧れた時期がありました。当時は週刊「エコノミスト」や月刊誌「展望」を読んでいました。時には「現代思想」も。もう別世界のことのようです。