鎧の小札

文京区の伝統工芸イベント「来て見て体験」で、鎧の小札威しという企画が、昨日今日行われています。江戸甲冑の製作家加藤鞆美さんの指導で、実物4分の1大の小札(こざね)を威す(おどす)作業を体験するというもの。出来た小札はブローチやストラップに仕立てられます。

鎧の肩や腰回りを護る部分(袖、草摺という)は、カードのような硬い部品を重ね合わせて作られています。そのカードに当たるのが小札で、平打ちの紐や細く切った革を綴り合わせ(この作業を「威す」という)、鎧の色目はこの小札の色で決まります。

萌黄威と紫裾濃

萌黄威の鎧は若武者向き、紫裾濃の鎧は上位者向きです。

「威す」体験

かつての教え子たちが参加して、写真を送ってくれました。台風の影響で参加者が少なく、つきっきりで指導して貰えたそうです。

「威す」途中

作業は1時間弱ですが、きちんと揃えて威すのが意外に難しかったそうです。

小札同士を重ねる(見本)

実物の鎧を作るには、同じ色の小札を3分の2ずつ重ねて綴じ合わせます。全体を見ればグラデーションになっているのが裾濃(すそご)です。写真は赤糸威。札(さね)の部分は、牛の背中の硬い革に何度も漆を塗り固めたものや、鉄で作られました。

この催しは今日も行われています。午後の部は13:00~15:30、予約不要、材料費¥1500、会場は文京区根津2-20-7不忍通ふれあい館。今後の予定のお問い合わせは、文京区の経済課産業振興係03-5803-1173まで。