高齢化社会の週刊誌

週刊朝日」9月2日号を買いました。目的はたった4頁、「分譲マンジョンと高齢化社会⑤ 合意形成ができない!」という連載記事です。資産価値を維持したい現役世代と、住めればそれでいいとする高齢世代とが混在する分譲マンションでは、立て替えや大規模修繕が困難になり、社会問題化しそうだというコンセプト。我が家も築18年、だんだん管理費が値上がりし、他人事ではないなと思って買ってみました。

ほかにも見出しは「孫育てがつらい!」や、薄毛ダンディー大村崑に学ぶ筋トレ等々、想定読者層の高齢化を感じさせますが、何よりも読んでみて、内容がふかふか、すかすか、呆けた林檎のよう、ダメだこりゃ、と思ってしまいました。読者の高齢化は「週刊文春」にも反映しているはず(9月1日号は「行って楽しむ ユニークなデイサービス」というグラビア記事が面白かった)ですが、明らかに違う。

マンション高齢化について思うのは、中年層の言う「資産価値」は、大半が非現実的だということです。マンション暮らし50年以上、大中小、横浜・名古屋・小石川や世田谷で売買経験のある私に言わせて貰えば、中古マンションの値打ちはロケーションと間取りとでほぼ決まる。その次に調べるのは、住民同士がうまく行っているかどうかと、管理費の額と修繕積立金の有無(額髙ではない)くらいで、最新設備が揃っているかどうかではない。そういう物件を求めるなら、新築を買います。いいマンションほど高齢化しますが、若い人に入居して貰うには、コスパと住み心地との釣り合いが決め手でしょう。

「呆けた林檎」週刊誌が駄目なのは、事態をよくする、建設的に考えるための材料を提供していないことです。書いている者たちが若いから解らないのか。これでは世代間の溝を深くするだけで、明日はよくならない。