法教育

高校の授業は中学の繰り返しでつまらない、アルバイト先で化粧するよう求められるので、化粧法を授業で教えて欲しい、という高校生のツイッター投稿を見て吃驚しました。必要ならアルバイト先か化粧品売り場で教えて貰え、と思いましたが、一方で、社会生活の基礎知識を義務教育でどの程度身につけているんだろうか、と思うのが法教育です。

憲法は確かに習いました。私は未だ戦後民主主義の余薫が(戦争体験も)ある教師たちに学んだ中学時代だったので、憲法の前文は丸暗記しました(その後、大学で一味違う憲法講義を聴きました)。しかし民法や刑法の話、裁判や契約についての具体的な説明を学校教育で聞いた記憶がありません。高校では受験のため日本史・世界史・人文地理を受講しましたが、政治経済を選択していればその機会があったのでしょうか。

私の場合、執行猶予とか黙秘権とかいうものは、家庭内で質問して教えられた記憶があります。死刑については、戦争犯罪やスパイ罪の処刑報道から次第に理解しました。

死刑になりたいと思ってやった、と犯人が言う無差別殺傷事件が頻発するのを見ていると、ここは日本なんだからね、道路上で人を殺してもその場で射殺されたりはしない、これからなが~い取り調べと裁判とがあって、その後も短くはない懲役期間があって、その間今の日常よりもっとうざったい時間が続くんだぞ、わかってやってんのか、と言いたくなります。最近は一種の決まり文句、粋がりに過ぎなくなっているのかもしれませんが、法治国家、法支配に基づく社会というものの仕組みは、義務教育の中で覚えさせておくべきではないでしょうか。

尤も、法治国家なのに何故?と聞き返されて返答に困るような事例が、昨今の政治には多すぎるかも知れません。