食材に変化が乏しくなったので、播磨坂のスーパーに出かけました。路傍の紅梅は満開になり、水仙の白さが新鮮でした。坂を遠望すると、桜並木の梢がけぶって見え、蕾が大きくなり始めたのだな、と思いました。染織家の志村ふくみが、立春過ぎの桜の枝を煮ると桜色の染料が採れる、と書いていたことを思い出します。
買物を済ませてレジで支払うと、余計な物を買うまいと努めた所存なのに、以前の4割増しの価格になっていました。実際、品揃えが少なくなっているし、鮃の刺身は乾いているし、野菜売り場では100gいくらの値札が混在していて、うっかりカートに入れると1パックの価格が意外だったりするし・・・貧すれば鈍す、という諺が頭をよぎりました。これでは消費者マインドは冷え込む一方、景気が上向くはずがない。
普段と違う店での買物の楽しみは、ちょっと珍しい物を買ってみることです。今回は唯一、「子持ち高菜」という野菜を買ってみました(芽キャベツよりも安かったので)。つぼみ菜ともいうらしいが、高菜漬がソウルフードである博多では、あまり食べた記憶がありません。和歌山産です。ネットでレシピを調べ、アレンジすることにしました。縦4つに割り、電子レンジに1分ほど掛け、味噌とマヨネーズを混ぜて和えました。美味でございます!茎のシャキシャキした食感とほのかな甘さが抜群。
野菜料理には電子レンジがいい、とやっと気づきました。茹でるよりも簡単で、風味が逃げません。例えば、春菊と榎茸を(めんつゆを軽く振っておく)電子レンジに掛け、果実酢(我が家では柚子100%果汁)をかけて混ぜ合わせると、小鉢ができます。明太子で和えても可、酒肴にもなる。芽キャベツもアスパラガスやパプリカも、最近は茹でるより電子レンジを愛用しています。