名簿

先日、NHKの「クローズアップ現代」で、闇世界に出回っている名簿について取材していました。うすうす予想してはいましたが、現実は遙かに上回っていて、仰天しました。異国の入国管理収容所からITを駆使して行われた強盗も、こういう名簿を利用したらしい。個人情報保護法が出来てから却って、個人情報に黒い値打ちがつき、市民の身辺をおびやかすようになったのは皮肉です。

番組ではさまざまな名簿、さらにそれを加工したものが出回っている、と画面に映しました。住所・氏名はもとより、資産額、年齢、家族数、何故か性格まで書き込んだものもある。闇サイト経由では、間取り図がついてくることもあるというのです。

数年前、区役所を騙った詐欺電が来たので区へ通報したら、消費者センターへ回され、そこで個人情報や電話の機種まで尋ねられて、我が家は被害には遭っていないのにさらなる個人情報を求められるいわれはないので、切りました。それゆえ今回は、マンションの管理人に、文京区に××課はない、とだけ話したのですが、立ち話の傍を通った配送男子の聴き耳がシュッと立ったのが背中越しに分かり、あっ、まずい、と思いました。

詐欺電対策は、引っかかる方がわるいと言うだけでなく、名前を使われる方も対策をすべきです。殊に、給付金などの取り扱いを民間業者に委託することが多くなった昨今では。個人情報を扱う業務には監査と認可が必要ではないかと思います。腕利きの保険外交員だった従妹は、屡々社内抜き打ち検査があって、私物の手帳も調べられ、仮令一部でも、顧客情報を書いたメモがごみ箱にあったら始末書だと言っていました。

番組では同窓会名簿、町内会名簿、デパートの顧客名簿も出回り、さらに警察官が、緊急時の要保護者名簿を売ったこともある、と言っていました。世は末、です。