信濃便り・野沢菜漬篇

長野の友人から、いよいよ野沢菜漬け作業が始まった、とメールが来ました。

【12月は速足ですね。我が家も野沢菜漬けが始まりました。天日干し、悪い葉の除去、洗って漬ける、一連の作業に数日かかります。】

10kg、20kgという単位で漬けるらしいのですが、これでもめっきり減ったのだそうです。子供たちの世代が食べなくなって、と漬け手の妹さんがこぼしていました。

野沢菜干し

【今は写真上部に写っている黄色い箱に漬けますが、昔は漬物の桶は屋外にあり、桶に張った氷を割って、鼈甲色に漬かった「お菜」(信濃では野沢菜漬をこう呼ぶ) を取り出していました。その冷たさといったら、言葉になりません。

温暖化が進み、漬物の保ちが短くなりました。2月初めには発酵してしまいます。そうなったら油炒めの出番。細かに切り刻んだ漬物を炒め、醤油で味付けし、食べる直前に花かつおをかけます。これさえあれば、ご飯がいくらでも食べられます。】

野沢菜漬は長野のソウルフード。各戸によって漬汁の配合に違いがあり、食べ頃にもこだわりがあるらしい。博多にも高菜漬という黄金色の漬物があって、今はスーパーでも売っていますが、地元産とは似て非なるもの。野沢菜漬も本場ものを食べてみたいと、友人にそっと謎を掛けてみたのですが、1日経ったら味が変わる、こちらへ食べに来て下さい、と妹さんから言われたとか。うーん、雪の季節には行かれないし・・・

我が家もそろそろ年越しのことを考えなくちゃ。ベランダは未だ菊の花盛り。

我が家の小菊

街にはすでに鏡餅や注連飾りが出ています。スーパーで屠蘇散を見つけ、躊躇なく買いました。去年は買いそびれそうになって慌てたからです。我が家の正月にお屠蘇は欠かせません。銘酒と餅と、お屠蘇があれば、とにかく年は越せるかな。