軍事大国

もはや9条を守れ、などと言っている段階ではなくなり、いま日本は軍事大国になろうとしています。43兆円という数字はどこから出てきたのでしょうか。NHKニュースによると、これが実現すれば日本は、予算規模では世界4番目の軍事大国になるのだそうです。我々国民はその覚悟、出来ていますか?増税への覚悟以前に、それだけの軍事設備を持つ国として国際社会で振舞い続けるのか、という意味です。

そもそもどういう設備投資及び消耗品備蓄をするのか、それにはどれだけの予算が必要なのかという議論もなしに、いきなり予算規模が決まり、それも閣議決定だけで国会審議は経ていない。今の日本の身の丈に合っているのかどうかすら議論されていない。話が逆立ちしています。その財源を国債でなく税に求めるのは正しいと思いますが、増税は国会で議論すべきことでしょう。議論の結果を選挙公約に掲げて信を問うべきです。

さらに遡れば、反撃能力=敵基地攻撃能力という言い回しにもトリックがあります。攻められそうだから、と言って基地を叩いたら、相手が黙って引っ込むと思いますか?すべての戦争はそうして始まり、相手の脅威を言い立てて引っ込みがつかなくなる、という経緯を辿ってきたのでした。ロシアや北朝鮮の不穏な動き、台湾の一朝有事、尖閣諸島での挑発行為が他人事ではないと感じられる今を好機として、軍事大国に生まれ変わろうとする策動に乗せられてはならない、と思います。

軍事力拡大を見せつけておくことが抑止力になる、という考え方は理解できますが、現在のようなどさくさ紛れのやり方を国民が黙過するなら、逆効果ではないでしょうか。現実に自分が、息子が、兄弟が、それらの武器を手に執る日を想像できますか?

撃ち始めたら、おしまいです。