阿波国便り・ど根性篇

徳島の原水さんから、根性者の花を撮った、とメールが来ました。

千日紅

舗装の隙間に生えた植物を、「ど根性◯◯」と呼んでもてはやした時期がありましたが、いかに暖地の徳島とはいえ、これこそ千日咲く紅色の花ですね。千日紅も種類が多いようですが、この写真のような鮮やかな赤は苺を連想させ、小さな女の子に似合うボンボンみたいで、可愛い。

冬薊

冬の薊は花色が薄いけど、とメールにありましたが、あまりに色の濃い葉や花は、冬の陽ざしにはそぐわない。冬の草はそれぞれ耐寒の備えをしていて、葉や草形も整っています。宇都宮に通勤していた3年間、車窓から冬野菜の畑を見るのが楽しみでした。

ところで我が家のベランダでは、ミニ鶏頭の芽だと思って育てていたものが加速度的に大きくなり、葉の色がぐんと濃くなり・・・えっ、と思っているうちに葉の縁に鋸歯が現れ始めました。鶏頭ではあり得ません。どうやら朝鮮朝顔の芽だったらしい。放置すれば背丈を超え、1株で優に畳半帖を覆う草です。播いた覚えはないが、どこからか鳥が種子を運んできたのでしょう。その後も数本、同じ芽が出てきました。折角咲き始めたアリッサムが負けそうです。これはいけない。引き抜いただけでは業腹なので、スーパーで濃紅色のスプレーカーネーションを買ってきて、マグカップにばさっと活けました。毒々しいほど濃い緑の葉と、エキゾチックな紅色がよく合います。

老後は毎週花を買って活け換えて、と夢想していたのですが、現代日本の老後はそんなに甘くありません。しかし1年の大半は、ベランダから何かしら摘んで小さな器に活け、家のどこかを飾ることはできるようになりました。招かれざる客も、こうして我が家に一時滞在します。