歯茎を褒められる

今日は口腔ケアの日。大手スーパーの近くなので、年越しの買物もしてしまおうと早めに出かけました。例年ならちょっと高級な食材や珍しい食品も物色するのですが、今年は最少限度必要な物だけを買うと決めていたので、30分で済んでしまいました。鯛スモーク、蕗の薹味噌、黒豆、菊膾、草石蚕、叩き牛蒡・・・これでおしまい。最後に金貨の形のチョコレートを買いました。正月最初に来た宅配員や郵便局員に、小さなポチ袋に入れて「お年玉。お金は入ってないから」と言って渡すことにしているのです。

ユニクロへ寄って、長袖シャツを買いました。トシのせいか今年は寒さがこたえるのです。鳥取から帰任した年は、シャツなしで冬を越したものでしたが。

歯医者の予約時間には未だ早い。本屋へ入りました。新聞の読書欄で推奨されていた本を探したのですが置いてありません。何だか本の配置がコンビニ風になり、2人しかいない店員が走り回るので、落ち着かない店になりました。新書の新刊コーナーで、ずっと立ち読みしている学生がいる。周囲をうろうろしてやっと場所を譲って貰いました(彼が読みふけっていたのは、近代の戦争はどのようにして止んだか、という本だった)。例によって手ぶらで本屋を出られない家風。買ったのは山本義隆著『近代日本一五〇年』(岩波新書 2018)です。今の私の日程ではいつ読み終えられるか分かりませんが、情けなく崩壊していった学園紛争後も、生涯組織に所属せず、科学史を執筆し続けてきた同世代の書いたものを見てみたい、という気持ちに負けたのです。

口の悪い歯科衛生士に罵倒され続けて7年、今日は珍しく「引き締まって綺麗な歯茎だね」と鏡を見せられ、高齢化すると唾液の効果が落ちるので、フッ素水でうがいをするように言われて、北風の冷たい歳末の街に出ました。