バンクーバー

吉野で文献調査中の高木浩明さんから、写メールが来ました。

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佐保川の桜

【龍門文庫の近くの桜の名所、本善寺の桜を見に行ったのですが、観光客のマナーの悪さが原因で今年から閉門、門徒以外は寺域へ入ることを禁ずという張り紙があって、残念ながら見ることができませんでした。翌日、佐保川沿いに5km続く桜並木を見に行きました。もうちょっと川岸がきれいだといいのですが、カワセミの姿を見かけたところを見ると、水はきれいなのでしょう。】

私は午後、大塚駅前の桜並木を見に行きました。両側はビルが建ち並んでいるので、道路の上空だけ花の河のようになっています。もう散り始めていました。ゆっくりと坂を往復しました。例年、友人と2人なら居酒屋、独りなら駅ビルの上にある魚料理の美味い店でしんみり呑むのですが、今年はデリカテッセンで総菜を買って帰りました。

京都の夜桜中継をうとうとしながら視ていたら、陽光桜の話をしていました。戦時中の軍国教育を悔いた教員が、教え子たちの眠る地で咲くように、寒暑に強い、色彩の濃い品種を開発、初めは反対していた家族が今は事業を承け継ぎ、各国へ苗木を送り出しているそうです。弊国では個人が戦争責任をこんな形で償っているんだ、と粛然としました。

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バンクーバーの桜

寝る前にメールを見たら、高木さんからもう1通来ていました。

バンクーバーに暮らす息子から桜の便りがきました。コロナ下での留学2年間は大変でしたが、6月には高校を卒業、そのまま彼地で進学する準備をしています。バンクーバーはすでに、マスクは室内外ともに必要はなくなったようです。ただ、3回ワクチンを接種していることが条件で、接種証明書を提示しないとスーパーにもレストランにもどこにも入れないそうです。(高木浩明)】