長泉寺の桜が満開になったので、週明けを待って播磨坂へ出かけました。満開です。風が吹くと、もう散ります。老若男女、スマホをかざして撮る人、乳母車に小型犬を乗せて散歩する人、子連れのママや爺さん(何故か孫を1人で連れてくるのは、婆さんではなく爺さん)等々、賑わっていました。花の雲が連なる坂を共同印刷まで下りて、引き返し、途中のベンチに腰を下ろして新聞を読むことにしました。
日差しは温かく、空気は桜色、耳元には人語が絶えまなく流れる時間です。今年はシートを敷いての花見は禁じられたらしく、仕事中らしいサラリーマンのグループも、通りすがりに花を撮影していきます。老木の幹からは直接花房が噴き出すように咲き、若木も植え足され、鳩がしきりにベンチの周囲を歩き回ります。
隣に座った母娘連れはどうやら同居していない間柄らしく、老婆のすこし険しい早口の話を、娘が時折質問したりしながら聞いていました。1時過ぎから学齢期前の小さな子供たちで一杯になり、騒がしくなりましたが、1時間半ほどで小学校低学年くらいに入れ替わりました。彼らのお気に入りは、今は空堀になっている人工小川の縁石の上を歩く遊び。そういうことを予測して造られていないので、石は尖ったりでこぼこだったりで結構難しそうですが、毎日やっているのか、みんな器用に渡り歩いていました。
鳩がつつき落とした花を数輪拾って、新聞にそっとはさんで帰りました。仏壇に「今年の桜」を供えるためです。スーパーで野菜とパンを買うついでに、桜プリンを1個買いました(帰宅後試食したら、桜花の塩漬1輪を載せた、ピンクのババロアだった)。バスの窓から伝通院や都戦没者霊園の花も見え、降りたいなと思いましたが、仕事が待っている。来年も見られるかなあ、車椅子になっているかも、と考えたりしました。