8193km

昨日、ウクライナ大統領のオンラインによる国会演説を聴きました。衆議院の公式サイトで聴いたので、字幕はなし。通訳の日本語がいまいちで、国会スタッフには同時通訳はいないの?と思いましたが、それでも、真っ直ぐ聴衆に目を向けて巻舌で繰り出される言葉には、紛れもない真実が籠もっていました。

両国の間には8193kmの距離があるが、自由と生存への切望には変わりがない、自分はそれを2月24日に実感した、ロシア侵攻によって本物とそれ以外とを見分けることができた、と切り出した演説は、彼国の政府に有能な人材が揃っていることを感じさせるのに十分でした。日本に対して不可能な要請はしていない。私の印象に残ったのは、彼が戦後の復興をしきりに語ったことです。敗戦からの日本の復興がよく知られているからでもあるでしょうが、彼らはもう「戦後」を準備している、ということに感銘を受けました。

最後に、自国でも日本の昔話が翻訳され読まれていると語ったのは、故国を喪うことはできない、誰もがふるさとへ帰れる日を取り戻す、と言っていたのだと思います。戦争の犠牲は日に日に増え、私たちは見ていられない気持ちになりますが、他国から軽々しく、いっそ降伏した方が、などと言うものではない。

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常山邸の平和祈念モビール

写真は、日本の小さな城下町の文化施設に飾られた手作りモビール、先週から吊るされました。1日も早い停戦を祈りながら、ウクライナ国旗の色の紙で風車を折ったそうです。

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雛人形と平和祈念

子供の将来を祝って飾る雛人形の傍には、灯りと桃の花を置きます。今年はコロナのせいもあって小さな地元産の陶製雛を飾り、平和を祈る風車を立てたとのこと。反戦のための国際的連立が可能になる日まで、極東の小さな国からも、多くの人々が見守っていることを知っていて欲しい。これからも、私たちに出来ることを一つずつ、見つけていきます。