信濃便り・蝋梅篇

長野の天気予報には雪達磨が出ていますが、友人からはこんな写メールが来ました。

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蝋梅の古木

【近所のお宅では塀に沿って、いろいろな花木が植えられています。春の気配を知らせてくれる花を思う時、この蝋梅がまず、頭に浮かびます。】

蝋梅は地味ですが、香りがよいので垣根にはいい。香りのよい植栽は周囲をも楽しませてくれて、功徳が多いと思います。梅、沈丁花、梔子、木犀、そしてこの蝋梅などは、庭があったらぜひ植えたい木です。住み慣れた町には、季節ごとに思い出す一角があるもので、それをふと家族に話すのも、平和な日常の証しです。

我が家の軒先では、パンジーが大輪の花弁をふたふたと揺すりながら色とりどりに咲き乱れ、中輪咲きの株は花手毬のようになりました。ビオラアリッサム、ジュリアンも咲き、ムスカリの蕾も出て、薔薇の新芽の暗赤色が美しい。温かくなると早速、アブラムシが活動を開始、早めに退治しなくてはと焦ります。今待っているのは、桔梗と紫蘭の発芽です。花屋は桔梗は宿根草だから、と勧めましたが、バイオで増やした苗は何故か、翌年は消えて無くなることが多いので、心配しています。そのほか何を植えたか忘れてしまった鉢もありますが、どれにも菫のこぼれ種が芽生えることは確実です。

以前も書きましたが、植物は近くに生えた植物の色素が伝染することがあるらしく、ビオラではよく経験しました。プランターの隅に植えておいた雪花葛はピンクの斑が出ず緑1色で、冬の紅葉を楽しむしかありませんでしたが、何と最近、隣に植えた蔦の斑入り部分が、ピンク色になってきたのです。不思議なこともあるなあと思いながら、蔦を小瓶に活けて楽しんでいます。室内では早くもスパティフォラムが花首をもたげ、2株の胡蝶蘭が花茎を180度に拡げて咲き始め、我が家はすでに春の饗宴です。