体験的電子事情・新行動様式篇

オンラインの学会・研究会にも大分慣れては来ましたが、今度は参加者の行動様式が気になることがあります。先日の学会では、質疑応答の際にパキッ、パキッというノイズが入ることが複数回あって、何だろうと思いましたが、発言者たちにボールペンの頭を押す癖があるのだと推測しました。本人は無意識でしょうが邪魔な騒音です。

友人の多いエノキさんは、よくタブレットで懇談会をするそうですが、イアホーンのコードには小さなマイクがついていて、長髪の人は髪がざわざわと音を立て、マイクの性能がいいので拾ってしまい、うるさいことがあるそうです。また普段から話し慣れているはずの教師たちでも、聞き取りやすい話し方とそうでない話し方とがあり、対面なら問題にならないのかもしれないのですが、語尾を呑んでしまう、あるいは滑舌にやや難のある人も結構いることが判りました。高齢者からすると、自分の聴力に問題があるのかと考えて遠慮しがちですが、どうもそれだけではないらしい。

マイクや録音機が家庭でも使えるようになった当初(60年ほど前です)は、マイクに乗りやすい話し方や声、また方向性のあるマイクの癖など、自分で注意しながらテストし、練習したものですが、現代は機械の性能は一律だとされているので、却って問題に気づきにくいようです。

美容院では、オンライン用には青い服を着るといい、と教えられましたが、効果は人によるようです。口紅をつける男性もあるようですが、率直に言ってあれはきもちわるい。もひとつ、辟易すること―発表者の指導教授が質問する時、画面に出る顔はどうしても「指導教授」の表情で、一般の視聴者からすると高圧的に見えて、つらい。普段なら背後から、後頭部だけ見て済むのに。咄嗟に画面を遮断すればいいのでしょうか。