コロナの街・part 25

池袋までインクカートリッジを買いに出かけました。どうも配達購入は気が進まなくて、いつ切れるかとひやひやしながら印刷していました(この御時世、学会発表資料を視聴者に何十枚も印刷させるのはやめて欲しい)。これから大量の作業シートを印刷しなければならない予定なので、つかのまの宣言解除の間に必要なことはやっておかなくちゃ、と思ったのです。地下鉄の駅へ行くまでに、マスクなしで大声ケータイ、という男性とすれ違いました。彼には裏道の解放感でも、住民にとっては恐怖でしかありません。

2年ぶりくらいの池袋、きょきょろしながらインクと卓上スタンドの蛍光管を買いました。いつもなら、デパートへ寄って美味しい物でも物色するのですが、直行直帰を心がけることにしました。街の様子が見慣れない感じで、バスターミナルのありかが思い出せません。護国寺の方へ行くバス停、と尋ねても運転手さえ知らない。ふと見ると、宮城県のアンテナショップがあるので、入ってみました。ここでも護国寺を通るバスは分からず、王子や赤羽へ行くバスしかないと言われました。

店全体に照明が暗く、やたら元気な店員の東北弁が響きます。ほやと牛タンと味噌が一杯。県出身者なのか、中年サラリーマンが何人も、棚の商品を手に取ったり戻したりしている。その動作があまり愉快でない気がするのは、コロナのせいです。結局、蔵王クリームチーズ、仙台のソーセージ、支倉常長という銘柄の缶麦酒、それに草餅とずんだ大福を買いました。アンテナショップのレイアウトも、結構難しいものだなと思いました。

店を出たら、護国寺経由のバス停が真前にある。なるほど宮城から来た人たちには、王子や赤羽が親しくて、小石川育ちが護国寺なら誰でも知っているはずと思ったのは間違いでした。東京はその人の歴史ごとに入り口が違い、名所も違う都だったのです。