川越の友人の車に便乗して、遠山記念館にテーマ展「源頼朝の時代ー平治物語と源平合戦」を観に出かけました。3年ぶりくらいの遠出です。平日なのに、川越の町は若い観光客で賑わっていました。遠山記念館は田園の中、車なら川越からすぐですが、公共乗り物と徒歩で行くのは老人には難しい。日興證券創業者の遠山元一が母の隠居所として昭和11年に建てた家の敷地内に、同家のコレクションが展示されています。
今回の展示は新たに入手した平治物語絵巻の模本(幕末熊本藩の肥後狩野家10代養長所蔵)と、館蔵の土佐派による扇面絵「源平武者絵」が中心です(5月29日まで)。遠山邸と庭園をも詳しく案内して頂きました。昭和10年代は日本家屋の技術が最高に達していた時期だったそうで、子供の頃なじんでいた(勿論、こんな凝った数寄家ではありませんが)木造家屋の造りを思い出させてくれました。維持管理はさぞ大変でしょう。雨戸だけでも160枚あるそうです。庭から室内に上がれる箇所にはそれぞれ形の異なる、大きなつくばいが据えてありました。
帰り道、互いの体験的電子事情をあれこれ語り合いました。アナログからの切り替え時にはさまざま苦労したけど、いまとなっては笑い話。私は(当時助教授だった)、入試の採点結果を初めてフロッピーで提出させられた時、責任者の教授に「録音テープにタイプライターで打ち込むようなもんです」と教えました。友人の方の話は、東大が学内連絡の紙ベースを一気に廃止した年は、総長選挙を知らなかった(通知メールを読まない)教員が何人もいたという。
PCの故障やスマホの進歩に四苦八苦する老いの話題も、同窓同年代だと遠慮なく笑い合えるのが、いい。