節分

横浜の老人ホームにいる従姉に、京都の豆菓子を送りました。今年はコロナのせいで、贈り物を探しに出歩けません。あんみつ好きだった叔母の命日にも、そろそろ嚥下が難しくなってきたという、今年90歳になる従姉への見舞いにも、これならいいかなと送ってみました。寒天と薄甘く煮た小豆や黒豆を取り合わせた和菓子です。

夜、従姉から電話がかかってきました。ホームでは面会者の訪問禁止、食事時も透明シートで仕切られ、席をずらして座り、会話は禁止だそうです。外出は禁止されていないので、朝食を自分で作る従姉は、週1,2回買い物に出るが近くの商店街に変えたという。お洒落な彼女は、買物と言えば横浜駅前の高島屋だったのですが、用心している、と言っていました。

ご亭主が亡くなってからは、趣味の日本画のほかに欧州旅行を繰り返し、あらゆる旅行会社のツアーを体験してしまって、もう行く先がない、と言っていた従姉でしたが、米寿を過ぎる頃から、あちこちに不具合が発生、「よぼよぼよ」とのことでした。お喋り好きを自覚していて、「口だけは大丈夫」とも付け加えました。

厄年というのは、自分の身体や家族に変化が起きやすい時期を年齢で示したものだと思います。私はちょうどそういう時期に転任が多く、気づかぬ内にやり過ごしてきましたが、65歳、75歳という高齢者の分類は、おおよそ一般的な体力変化に該当しているようです。特に、75歳から後期高齢者に分類されるのは生理的にも正しい、と実感します。すると、この次は88歳が関所になるわけでしょうか。

京都へ行ったのかと思ったわ、と言われました(そんな冒険はしません!)。分量が老人にはちょうどいいし、節分が近いので豆のお菓子はよかった、と喜んでくれました。