コロナの街・part16

混んでなさそうな時間帯を狙って買い物に行くのですが、街は老若男女、人出が減りません。政府の広報はけっきょく、人々に、マスクをしていれば大丈夫、という刷り込みをしただけに終わったのではないか、と思うほどです。20時以降は外出を控え、飲食店に入らず、会食するなら4人まで、という指示は果たして、「緊急事態宣言」と呼ぶに相応しいでしょうか。何とも中途半端です。

20代の感染者が増えていることは、じつはとても怖い事です。発症しない、しかし体内にウィルスを飼っている人間が、活発に歩き回る。目に見えない運搬・拡散が、そこら中で起こっているということだからです。ひとたび発症すれば、医療側からは軽症でも重症でも負担はそれほど変わらない、という声が上がっています。防護服や消毒の必要性は同じなのですから。

マスメディアが、高齢者と若者を分けて注意を喚起しているのは不適切です。年齢に関係なく、体力の有無が問題なのであって、世代で分断する考え方は他人事としか響きません。大事な人のために我慢して、という綺麗事的呼びかけは、毎日満員電車でリスクに晒されながら、平気平気、自分は罹らない、罹っても重症化しない、と自分に思い込ませて日々を送っている人たちの胸に、まっすぐに食い込むでしょうか。

すでに医療崩壊は始まっています。コロナ対応の病院に入っても、重症者の4割が相応の治療を受けられない状態だという。ワクチン接種が始まれば全てが一気に解決するわけでもありません。今は非常時、しかしなるべく早くこの事態を終わらせるにはどうするのがいいかーお上任せにせず、めいめいが考える必要があるのではないでしょうか。GoToがどれだけ誤解を招くメッセージになったか、分かろうともしないお上ですから。