東大寺

奈良の高木浩明さんから、3日に東大寺へ初詣に行った、人出はこんな感じだった、と写真が送られてきました。

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2021/01/03東大寺

昭和49年から6年かけて、東大寺大仏殿では屋根瓦の葺き替えが行われ、昭和の大修理と呼ばれました。大仏殿をすっぽり覆って鞘堂が建てられ、EVも設置されました。その頃私は大学院生で、都立富士高校の非常勤講師をしていたのですが、国語科教員の旅行によく誘って頂きました。昭和50年か51年の夏休み、つてがあるからと東大寺の昭和大修理見学に行くことになり、私も連れて行って頂き、あの屋根を囲む作業用回廊に上りました。

遠くから見るとなだらかな屋根のようですが、目の前で見ると急峻な絶壁のような勾配です。そこを、材料を抱えた鳶職が身軽にひょいひょいと歩き回るのに吃驚しました。平岡定海氏に解説をして頂き、ふと足元を見ると、降ろした瓦が積んであります。これはいつのものですか、と訊いたら、この前の大修理の時の瓦ですとの答。この前とは、と言いかけたら即座に、建久です、と言われました。重衡が焼き討ちした後、頼朝が修理した時のことでした。