信濃便り・ソウルフード篇

長野の友人から、「今年の野沢菜漬」の写真が送られてきました。野沢菜漬は近年は東京のスーパーでも使いやすい容器に小分けして売られていますが、おやきと並ぶ長野県人のソウルフード。家ごとに仕様が異なり、何十kgという単位で漬け込むようです。友人の家では、妹さんの指揮の下、今年は少なめに、20kg漬けたとのこと。

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野沢菜

美味しそうですね。殊に茎の根元がほんのり色づいているあたり、思わず箸を探したくなります。妹さんに、ごく一般的なレシピを書いて送って貰いました。

 【野沢菜を数日間戸外で干し、水気を飛ばした後、根元の部分に十文字の切れ目を入れて洗う。樽またはプラスチックの箱に野沢菜を入れ、塩を振りかける。市販の野沢菜漬の素を使用する家庭もある。重石をのせ、2~3日後に水の上がり具合を見て、水が上がっていない場合は、呼び水を入れる。1カ月ほど、外の寒い場所に置くと完成。 

 浅漬けなら、洗った野沢菜を3~4センチの長さに切り、適当な器に入れ、市販の麺つゆと「らっきょう酢」を1:1の割合で混ぜ、重石をする。2日位で食べられる。 

 トッピングに花ガツオをかけることもあり、柔らかい葉の部分でご飯を巻いて食べることもある。また葉の部分を小さく刻んで、半日位、水で塩抜きをした後しぼり、油で炒め、出汁を入れた後、砂糖と醤油で味付けをする(仕上げに赤唐辛子を入れると、ピリッとした味になる)。この油炒めはご飯のお供にも、「おやき」の具にもなる。刻んだ葉をチャーハンの具やパスタのトッピングに使うこともある。】

東京人には白菜漬がこれに当たるでしょうか。若い頃、ポリバケツ(勿論、新品)で漬けたこともあります。朝、ほかほかの御飯を、冷たい白菜漬の葉で巻いて食べるのは美味しかった。当時の白菜は茎が多くて、そんな食べ方はめったにできませんでしたが。