コロナ下のおせち

晦日からよく晴れ、新年3日は寒かったもののやはり晴天で、好いお正月だった、と言いたいところですが、都知事が緊急事態宣言を要請するなど異常な年明けでした。年越し蕎麦も今年は自前で茹で、つゆがいまいちだなと思いつつ食べました。近所でも近年の大晦日には珍しく、金平を炒める匂いや塩魚を焼く匂いがして、20年前に戻ったようでした。第九の合唱を聴き、比叡山の除夜の鐘もTV越しに聞いて寝ました。

三が日は、年賀状を投函に行く以外(郵便ポストは玄関脇にある)は外出もせず、逐われる仕事もないのに、あっという間に日が暮れました。元日も2日も街中を走る救急車のサイレンはやまず、医療は大丈夫なのかなあとしょうもない心配をしました。

今年のおせちに新しく加えたのは慈姑です。手間がかかる割に美味しくないのでは、と思い込んでいたのですが、長芋と同様に扱ってみました。スーパーで売っている物はすでに綺麗にしてあるので、固そうな所や汚れた部分を削るだけ、底部に切れ目を入れ、電子レンジに短い時間かけた後、オーブンでちょっと焼きます。桜塩を振って、そのまま出します。ほくほくして美味しい。電子レンジで長く加熱すると冷えた時に石のように硬くなるので、オーブンで逆さにして焼くと、縁起物の芽をつけたまま出せます。

宮中新年会で外国の大使に出されるおせちの写真をツイッターに上げた大使がいて、話題になりました。鯛の塩焼と「はなびら餅」以外は質素な、昭和初期の家庭で用意されたようなメニューでしたが、落胆したのは使い捨てプラスチック容器だったこと。大半の人が持ち帰るのでしょうが、「持続可能な」エコ容器を追求して欲しい。杉の間伐材や竹皮などを利用して、古式ゆかしく工夫できないものでしょうか?

なお「はなびら餅」と呼ばれる甘い餅は、赤門前の扇屋でも新年の店頭に出ます。