自転車事故

自転車の横暴さが目に余ります。日曜日に妻子の大小の自転車を引き連れて歩道を走る父親を見かけました。しかも先頭の父親は、綱を伸ばして犬を引いている。カラーボールを携帯していたら投げつけたい、と思いました。自分は車道を自転車で走り、犬は歩道を走らせて「散歩」させる老人もいました。犬は立ち止まる暇がないので、走りながら排泄していきます。夜道で彼の落とし物を踏みつけ、危うく転倒しそうになったこともありました。毎日定時に、けたたましく錆びついたブレーキ音を鳴らす自転車もある。

最近怖いのは、料理配達の大きなバッグを背負った自転車です。何故か前屈みの、かっこつけたハンドル姿勢で、人波を押し分けて疾走する。エノキさんにそのアルバイトの仕組みを教えて貰いました。隙間時間に気軽にできるのがミソで、足は自分持ちなのだそうです。競輪が趣味、という人がやりたがるアルバイトなのかなあ、と思ったりしました。1刻1秒を争うのでしょうか?ギャラの仕組みはエノキさんも知らないそうで、速度を競って危険を冒さなければならない仕事なのかどうかは、分かりません。

大阪では交通取り締まりが行われたようですが、そもそも自転車が歩道を走るのは、特例措置のはず。もっと小さくなって走行してほしい。殊に杖を使って歩いていると、物理的にぶつからなくても、音もなく風を起こしてすり抜けられること自体が、一瞬の注意をそらし、バランスを崩す原因になりそうで恐怖を感じます。

自転車事故は大したことない、と思うのは間違いです。弟は小学校入学前に歩道で自転車にぶつかり、額に三日月形の向こう傷ができました。58歳で亡くなりましたが、納棺の時、つくづく見たら、その傷は薄く、でもはっきりと、残っていました。