20世紀

毎朝、冷たく冷やした果物を食べる習慣です。朝の果物は黄金といいますが、目覚めがしゃっきりするのです。1ヶ月の入院生活をした時、何が辛かったかというと、トイレが共用だったのと、朝一に冷たいフルーツ(せめてジュースでもいいから)を味わえないことでした。いつも季節ごとの果物を切らさず、仏壇に上げてから食用にしています。

今朝は鳥取の教え子が送ってくれた20世紀梨。東郷池の傍には300戸の梨農家があり、今年で栽培を始めてから114年だそうです。梨は青梨と赤梨の2種に大別され、関東の多摩川梨は赤梨ですが、20世紀は青梨です。同封されていたパンフレットによれば、明治21年に千葉で突然変異として発見された新品種が、明治37年に鳥取へ導入されたとのこと。最近はいろいろな品種が出て、赤梨も改良されましたが、高齢者層には高級な梨といえばこれ。何と言っても命名がよかった(今世紀に入る頃、鳥取では21世紀という名の品種を開発したようですが、流行りませんでした)。

まるまる太った、みずみずしい果肉、したたり落ちる果汁。地元では、皮ごと丸かじりが一番美味しい、と言うようですが(山梨県民は桃、長野県民は林檎を、皮ごと食べるのが習慣)、やはりちょっと冷やして、皮を剥いて食べるのが最高です。

かつて県知事が、海外へ売り込みに行ったことがありました。大きすぎる、と言われてがっくりして帰ってきました。欧州では芯を刳り抜き、和えたシュリンプを詰めてパーティに出すのだそうです。地元ではどれだけ大きく出来るか苦心しているのに。

それにしても、20世紀という命名の巧みさに引き換え、湯梨浜(温泉と梨が名産の湖畔、の意)なる町名に変更したとは・・・やっぱり、東郷池のほとりの東郷町でしょう。古来からの四つ手網漁法というのがあって、汽水湖の蝦・魚が獲れます。