2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

国民の祝日

友人から昨日のブログは「みどりの日」を勘違いしている、とメールが来ました。慌てて修訂しようとしたら、504 Gateway Timeout というエラーメッセージが出て、どうしても繋がりません。ヘルプを開けても、片仮名だらけで全く意味不明の長い長い説明、サ…

みどりの日

黄金週間が始まりました。今日は「みどりの日」だそうで、どうもこの記念日の名はぴんと来ません。さすがにもう、天皇誕生日と間違えることはなくなりましたが、「昭和の日」程度の認識です。花を買いに出かけました。何かしら心に引っかかりながら。 父母と…

「ひととせ」裁判

米国の大学で日本語・日本文学を教えているセリンジャーさんから、謡曲の詞章についての質問メールが来ました。彼女は最近、謡曲に取り上げられた中世の裁判制度に関心を持ち、「盲沙汰」(中世の作品名なので言い換えようがない。勿論差別的意図はありませ…

前田家本承久記

原田敦史さんの論文「前田家本『承久記』論」(東京女子大「日本文学」119号)を読みました。前田家本承久記は流布本の改竄本ではない、とする「『承久記』諸本論の検証」(『平家物語の表現世界』花鳥社 2022所収)の続稿だと添え書きがありました。 承…

4年ぶりの先帝祭

5月2~4日は赤間神宮の春季例大祭。コロナで中止が続いていた先帝祭の行事が、4年ぶりに行われるそうです。今年の行事予定は以下の通りです。 5月2日10:00 御陵前祭(赤間神宮隣の安徳天皇陵前で神事) 13:30~14:30 平家一門追悼祭(…

信濃便り・足早の春篇

長野の友人から、今年は春が足早で、桃も桜も、あっという間に咲いて過ぎ、例年なら花の中を走る長野マラソンも、並木の水木の花だけが見ものだった、と写メールが来ました(長野の水木は花の色が濃く、花びらが伸び伸びと広がっていて、東京の街路樹の水木…

卯の花垣

春日町の歯医者に予約した口腔ケアの日。往路はワンコインバスが走るようになって、楽になりました。バスの中で流れるローカルCMは、「一葉さん」という名のキャラクターが、あちこちでアルバイトをする、という設定で地元の店を紹介しています。往年の和田…

柳葉和歌集新注

中川博夫さんの『柳葉和歌集新注』(青簡舎)という本が出ました。全720頁余、奥付に「宗尊親王集全注4」と謳っている通り、『瓊玉集』『竹風抄』『中書王御詠』と、宗尊親王の現存家集の中、初期の『宗尊親王三百首』を除く全てに、新しく注が施された…

関西軍記106例会

朝食後、明日の午後は関西軍記の会だったっけ、と何気なくHPを見たら、予定を変更したとあり、今日の午後、ハイブリッド開催になっている。えーっ!慌ててzoomに入ろうとしましたが、PW通知メールを削ってしまったらしく入れません。主催者、発表者に連絡し…

戦国期島津氏と清誉

中村昂希さんの論文「戦国期島津氏の都鄙間交渉―不断光院清誉の活動を中心に―」(「七隈史学」25号)を読みました。私は専門外なので、16世紀後半の武家文化への関心くらいしかなかったのですが、読んでいくと、有力大名と京洛との関係の具体例が分かっ…

阿波国便り・古代浪漫篇

徳島の原水さんは愛犬を連れて、時々は遠出をするようです。古代の暮らしを体験できる公園なのでしょうか、阿波史跡公園に行って来た、とメールが来ました。 阿波史跡公園 【先代犬は丘の上で放すと、駆け下り駆け上り一人遊びを楽しんでいましたが、さくら…

古活字探偵4

「日本古書通信」連載中の高木浩明さんの「古活字探偵事件帖4」が出ました。今回は「見た目にだまされるな!」と題して、要法寺版の沙石集2種について書いています。 京都の寺町にあった日蓮本宗の本山要法寺では、近世初期、仏書を始め史書、軍記、思想書…

世継物語注解

神戸説話研究会編『世継物語注解』(和泉書院)という本が出ました。神戸説話研究会は、代表池上洵一氏の序によれば、所属・年齢・専門分野不問、入退会自由の研究会だそうで、私たちには、その活動の質と永続性とで、池上氏の名前と共に記憶されている研究…

コロナの街・part 45

用があって東京駅のみどりの窓口へ、出かけました。風がすこし冷たいが、春爛漫の街です。躑躅と水木が盛りを過ぎようとしており、公孫樹並木の新緑が眩しい。新入社員なのか、やたらに黒の上下のサラリーマン、サラリーウーマンが群になって歩いているのが…

『明日へ翔ぶ6』を読んで

中世英文学が御専門の多ヶ谷有子さんに、『明日へ翔ぶー人文社会学の新視点ー 6』(風間書房)をお送りしたところ、読後感のメールが来ました。多ヶ谷さんはアーサー伝説を始めとする古典英文学やキリスト教文化に詳しく、欧州での留学経験もおありです。 …

川越便り・立浪草篇

川越の友人から、朝ドラに山芍薬の大写しが出たが視たか、とメールが来ました。峯屋の庭に咲いていましたね。 山芍薬 山野草の女王と呼ばれる花だそうで、彼の自慢の1株です。 黄花宝鐸草 朝ドラのタイトルロールにも、よく似た花が描かれていますが、あれ…

古筆家資料長門切3点

平藤幸さんの「慶應義塾(センチュリー赤尾コレクション)古筆家資料(斯道文庫保管)『平家物語』長門切の考察」(「国文鶴見」57号)を読みました。本ブログ「新出平家物語断簡」(2021/05/02)でも紹介した、3点の長門切についての翻刻と考察です。こ…

阿波国便り・平家蟹篇

徳島の原水さんから、大学3年の時に赤間神宮へ行ったことを思い出したので、と写メールが来ました。 下関土産の平家蟹 【大学3年の時、赤間神宮で買った「平家蟹」を引っ張り出しました。なにしろ半世紀以上の歳月を経ているため、随分汚れていましたが、…

調酥

伏見の錦織勤さんから、郵便小包を送った、とメールが来ました。早起きして待っていると、箱は軽い。届いた手紙によれば、北大路駅の近くに、主に酒器を作っている、今宵堂という小さな窯元があるので行ってみた、HPに鳥取若桜の酒「弁天娘」が出ていたので…

川越便り・破れ傘篇

川越の友人から、外国語習得以前にまずは母語となる言語を身につける必要は、経験的にもあちこちで言われていることだ、とのメールが来ました。 黄花片栗 【スイスに半年滞在した時、ジュネーブ大学の日本学科の助手(ほぼ同年輩の女性)が、子供の時にちゃ…

英語の早期教育

4月6日「英語で論文を書くには」を読んだ知人から、同感メールが来ました。彼女もまた永年英語教育に携わり、中世英文学の翻訳もしてきた人です。許可を得て引用します。 【英文で論文を書くのは、私にとっても今も苦労が大きいです。ブログにあるように、…

真名軍記の研究

橋村勝明さんの『中世真名軍記の研究』(汲古書院 2022/11)を取り寄せて読みました。中世の軍記の中でも真名本(妙本寺本)曽我物語、平家物語、後期軍記を主として取り上げ、国語学の方から語彙、表記、訓読について考察、1998年から2021年にかけて書き継…

川越便り・立志封印篇

川越の山野草マニアの友人に、牧野富太郎伝の朝ドラ視てるか、とメールしたら、どんな植物が出てくるか楽しみで録画して視ている、と返信が来ました。 丹頂草 彼は大学進学の時、千葉大の園芸学科に行きたかったのだそうで、しかし遠距離通学は体力的に無理…

六親等

自分の六親等が誰と誰か、言えますか?そのうち何人と、今もつき合いがありますか? 終活元年と思い定めた今年、親族の範囲は六親等以内と定められている場合が多いようなので、調べ始めました。まず六親等はどこまでかー上は曾祖父母の曾祖父母、下は玄孫の…

英文で論文を書くには

大学院生の論文作成や学部生のレポートでも、最近は英語で書く必要が多くなったと思います。そういう訓練を受ける機会があった人は平気の平左でしょうが、中高の授業だけで英語を学んできた人には、なかなか気の重いことでしょう。最近、友人が若い人の為に…

春を食す

福岡で会った旧同僚から、冷凍で小包が届き、何種類かの手料理のタッパウェアの中に、土筆のきんぴらがありました。20年前、彼女が定年退職して郷里へ帰り、家を新築した時、長距離電話で、土筆の卵とじを送ります、と言ってきました。田園地帯に建てた家…

福祉をひらく

ディーセントワーク・ラボの中尾文香さんと小野寺悠子さんに来て貰って、ミナト君の祖母の姉である私の友人を交えた4人で、茶菓を囲んで話をしました。ディーセントワーク・ラボは障碍者が自分の生活を支える職業に就けるよう、障碍者やその家族、企業、行…

桜を観る会

友人と待ち合わせて新宿御苑に出かけました。わけあって、私はいちどじっくり新宿御苑で桜を観たいと思っていたのですが、その季節には晴れやかな園遊会や観桜会があって入れませんでした。首相の観桜会が中止になった年、友人を誘って、行く約束をしていた…

源平の人々に出会う旅 第75回「奈良県・長谷寺」

『平家物語』では、壇の浦の合戦(元暦2年(1185))で平家が亡んだあと、維盛の遺児六代御前の物語(第49回「高雄・六代と文覚」参照)が記されますが、この物語は長谷寺の観音信仰と密接な関わりがあります。 【長谷寺】 維盛の北の方(藤原成親の娘)は都…

桜尽くし

今年の花はもう散り始め、我が家のベランダには、1階の庭の桜の花弁が風に吹き上げられて舞い込んできます。朝刊を持って出かけました。土曜日ですが穴場がある。バスを降りて東京都戦没者霊園に入りました。16万人の死を悼む山本健吉の碑文があるだけで…