福祉をひらく

ディーセントワーク・ラボの中尾文香さんと小野寺悠子さんに来て貰って、ミナト君の祖母の姉である私の友人を交えた4人で、茶菓を囲んで話をしました。ディーセントワーク・ラボは障碍者が自分の生活を支える職業に就けるよう、障碍者やその家族、企業、行政、協力者たちのコーディネイトをしている団体です。これまであまり先例がなく、ようやく社会的認知が得られてきて需要が増えつつあるのだそうで、団体代表の中尾さんは超のつく多忙な人、彼女だけは昼食を摂りながら話に加わりました。

小野寺さんは明翔会で中尾さんと一緒に活動するうち、2児を出産、公務員よりもリモートワークがしやすいこの団体に招かれ、転職したのだそうです。2人とも打てば響くようなバリバリのアラフォー。ミナト君のことは、以前このブログに書きましたがダウン症で、今年は特別支援小学校4年になり、声変わりもし、元気に成長、お母さんは上田にある就労継続支援団体に勤め、忙しく働いているとのこと。

一家は順調だが祖父母やその姉(私の友人)には、特別支援学校の日常やダウン症児の成人後の勤務例などが見えない。交際範囲が狭く濃密な地域社会で、どこで何を訊けばいいのかも分からない。すると、自分たちがミナト君とどう関わっていくべきなのか見当が付かず、心配や心遣いが空中散開するだけになってしまう。そういう戸惑いと中尾さんや小野寺さんの経験談とを交差させながら、2時間ほどいろいろな話をしました。

福祉と企業活動を繋ぐことが必要、福祉はともすれば自己防衛が強すぎて自己完結してしまいがち、今後障碍者の人口比は上がっていくので就労問題を囲い込まずに多くの人の生き甲斐と同様に扱っていくことが大事、特別支援学校修了時社会人への移行期が難しい、障碍児は対人経験と基礎体力を養っておくことが必要等々、貴重な話ばかりでした。