関西軍記106例会

朝食後、明日の午後は関西軍記の会だったっけ、と何気なくHPを見たら、予定を変更したとあり、今日の午後、ハイブリッド開催になっている。えーっ!慌ててzoomに入ろうとしましたが、PW通知メールを削ってしまったらしく入れません。主催者、発表者に連絡しようとしても、普段使っていないメルアドなので何度もミスを繰り返し、4,5度目にようやく返信が来ました。

発表は①浜畑圭吾さんの「定家本系『安元御賀記』の伝本分類と近世有職家の受容」と ②鈴木徳男さんの「安元御賀と『源氏物語』」の2本。浜畑さんの科研Cによる共同研究の成果だそうです。何故か音声の調整がうまく行かず、フロアの発言は殆ど聞き取れませんでした。発表者のマイクは正常だったので、まあまあと言うべきでしょうが、フラストレイションは最大。多少音声が聞き取りにくくても、口の動きが見えるとかなり理解できるのですが、フロアは映らず、映ってもマスクで口元が見えない。万事休す。

安元2(1176)年3月、盛大に行われた後白河法皇五十賀は、平家と朝廷の間に平和が保たれていた最後のピークで、藤原隆房が平仮名交じりに書いた日記が安元御賀記です。①はその伝本を定家本系と類従本系に2大別し、前者を1系・2系ABCと4つに分類しました。そして定家本2系に見える書き入れは、楽に対する関心を示し、本作品が有職家に受容された証であるとしました。今どきは画像を貼付することができるので、本文の検証は格段に迫力が出るなあ、と感心しました。

②は類従本に増補された維盛の舞の記事は、必ずしも源氏物語に拠ったのではなく、まして御賀が源氏物語を典拠とした事実はない、とするもの。類従本の増補が平家物語の影響下にあるかどうか、そもそも何故仮名で書かれたのかは、議論が分かれました。