今年は、間近な締め切りを抱えていない大晦日。余裕の年越しだと思っていたのですが、納戸を開けたら去年処分しなかった書類の山を発見、そう言えば去年は軍記物語講座に逐われて大掃除を手抜きしたのでした。おまけに、いつも家事代行さんに任せきりの掃除を自分でやってみると、あそこもここも、やるべき箇所が次々に見えてきます。
ようやく昼過ぎに、街へ出ました。通りは静かでしたが店は混んでいます。花屋も肉屋も、普段来ない客も来ているとみえて、てんてこ舞いしていました。例年は買い物の途中で蕎麦屋へ入るのですが、今年は海老天だけ買ってきて、我が家で作ることにしました。学生時代からよく入った蕎麦屋は餃子屋になり、行きつけの店がなくなりました。
花屋は南天も水仙も置いていましたが、たしかに少ししかないので、どうしても欲しい人のために遠慮し、松と猫柳と洋花を買いました。かなり大量に買った所存だったのですが、帰って活けてみたら余りません。洗面台には切り落とした猫柳とカーネーションに庭先の蔦を添えて、小さな器に挿したら、どうにか様になりました。
白い蔓薔薇、赤いスプレー咲きのカーネーション、ピンクのスイトピー(正月はフリージアかスイトピーを買います。夜、香りがふわっと包んでくれるので)を、茎の空間を生かして活けてみました。名古屋勤務時代に買った藍染めの幟を、下に敷きました。獅子が笛を咥えている図柄なので(禰津子みたいです)、魔除けです。名古屋はしきたりの派手な土地柄、節句や嫁入りには大胆な図柄の染め物が飾られます。
車折神社の宝船の絵馬と長岡天神の牛(子豚によく似た牛です)の絵馬、それに盆に山盛りの信濃の林檎と讃岐の紅蜜柑を飾りました。豊穣の感じが出ました。玄関には毎年、大須神社の七福神の絵馬を掛けます。疫病が鎮まり、よい1年になりますように。